prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「くれなずめ」

2021年05月24日 | 映画
「街の上で」とかなりかぶる。
成田凌に若葉竜也と出演者もかぶるが、もうひとつ演劇が日常になっている街、あるいは世界というところ。

原作は松井大悟監督自身の作演出による舞台劇だったそうだが、終盤の相当に奇抜というか飛躍した展開はもともと舞台でないと考えられない。
それを映画にアレンジしたというより、芝居が持つちょっと慣れてないと気恥ずかしいわざとらしさをそのまんま映画に持ち込むというアプローチをしていて、それが仲間同士でわちゃわちゃしていること自体の気恥ずかしさともクロスするようなところがある。

偏見か知らないが、日本の芝居あるいは映画はリアリズムを完全にはものにしないまま(新劇が赤毛布=赤げっと芝居から離陸しきれなかったように)曖昧にリアリティの破れ目が剥き出しになるようなところがあるが、その未完成さをまんま映画にしたような作り。