ブロードウェイで最新作がコケたミュージカルタレントのチームが、インディアナ州の同性愛にして白人黒人の女学生カップルがプロムへの出席を拒絶されているのを知ってイメージアップに利用せんと押しかける。
山田洋次の「同胞」ではあるまいし究極の上から目線なのだが、それを押し付ける皮肉を批判する視点がまだ不徹底で皮肉になりきっていない。
ミュージカルとマイノリティの問題の組み合わせは直ちにテレビシリーズ「glee」を思わせて、実際監督はあれのクリエイターであるライアン・マーフィ。ミュージカル・ナンバーは堂々たる出来で、マイノリティを排除するプロムに普通に出席できる田舎ではマジョリティの側も歌と踊りで融和するくらいは出発点として作劇しておく性格のものではないか。