prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「少女ファニーと運命の旅」

2017年09月11日 | 映画
第二次大戦中、ユダヤ人の子供たちを匿っていた施設にナチスドイツの手が伸び、施設を運営していた女性が子供たちを連れて中立国のスイスに逃がそうとするが、途中でナチスの検問を逃れるために囮になったのがきっかけで子供たちだけで逃亡せざるを得なくなる。

リーダーになるべき年かさの人間が次々と一行から離れてしまい、三人姉妹の長女とはいえまだ13歳のファニーが子供たちを率いなくてはならなくなるサスペンスとロードムービー的な移動とさまざまな人との接触が綴られる。

厳しい旅だけれど、ボール一つあればサッカーをし、水辺に来て渇きをうるおしたらすぐ水をかけあってはしゃぐといった具合に、どこでも遊ぶ子どもたちの姿が楽しく可愛く、なるほど子供は生命そのものだし希望でもあると自然に思わせるのが大きな美点。

大人がいなくなってしまったと肝が冷えるような思いがしたと思ったらすぐ戻って来てまた行ってしまったり、とか、カソリックで金持ちの少年が持っていた紙幣が散らばり拾い残した一枚が警官(フランスの!)の足元にひらひらしているあたりの処理など、人物の出入りやサスペンスの醸成に手ぬるいところがあるのは惜しい。

クライマックスでとにかく走る子供たちの姿が映画的にすこぶる快感。
(☆☆☆★★)

少女ファニーと運命の旅 公式ホームページ

映画『少女ファニーと運命の旅』 - シネマトゥデイ

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9月10日(日)のつぶやき

2017年09月11日 | Weblog