prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

お題「実写化してよかった作品は?」

2016年10月08日 | Weblog
実写を通り越して実物ですけれど、タイガーマスク。

マンガやアニメ以上の動きをやってのけたのには本当にびっくりした。

ウェンツ瑛士が主演した劇映画があるらしいけれど、見ていないし見るつもりもない、というより見たくもない。

「TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)」

2016年10月08日 | 映画
四季が全部入っていて、ずいぶん長い時間をかけて撮影したと思しきドキュメンタリーだけれど、まさか築地→豊洲移転でこうも大揉めに揉めている中の公開になるとは作り手は思っていなかったのではないか。
ああいう騒ぎが現在進行形だからこの映画も注目されるかと思ったが、そういうわけでもなさそう。

ハーバード大学の文化人類学の教授のナレーションで始まり、章立ても英語が併記され、フランス人シェフが市場に仕入れに来るなど外国人に人気と評価のある場所としての魅力をかなり強調している。

インタビュー映像以外の市場の状況ショットはスローモーションを多用して美的感覚が協調されてれるのも海外向けという感じ。ただ海外で築地の人気が高いとして、それがこれからなくなってしまうのに映画を売るのはのはどうよと思わせる。

膨大な取引量(かなり最盛期に比べると減ったのだが)市場としてのハード面だけでなく、そこで働く仲卸の知識と経験と情報網というソフト面の価値がどれほど貴重なものか描かれる。
ハードは置き換えが効くが、ソフトが移転で散逸してしまわないだろうかと心配になるが、そのあたりはあまり突っ込まれない。

ただ出てくる料理店は高級な店ばかりで、あまり普通にスーパーなどで売買されて食べられるような魚は出てこない。

全体に、築地の伝統と価値を描いているのはいいとして、それが失われていくのを哀惜の念をもって描いているのか、これからも続いていくものとして捉えているのかよくわからない。
これは豊洲移転の意義や位置づけが前から曖昧だったせいではないかと今現在のごたごたを見ていると思いたくなる。

入荷する魚の状態はその日その時で変わるので、それに合わせて絶えず自分で判断し対応するのが仲卸のルーティン化されない仕事の楽しみになっているのがストレートに伝わってくる。

「いい魚があるからお客さんが買うんじゃない、お客さんが買うからいい魚を仕入れられるんだ」といった名言が多々聞かれる。

戦前のできたばかりの市場の記録映像を見られるのが貴重。SLで魚を運びこむ情景やできたばかりの建物、これからまったく新しいことを始めるのだという意欲まんまんの関係者の姿が映っている。
新しい状態で見ると、かなりアールデコ様式が入っているのがわかる。日本橋の魚河岸が関東大震災で壊滅したのをきっかけに築地に移転したわけだが、この時の東京市長の後藤新平が東京を再建するのにアールデコ様式で統一しようとした(今でも隅田川にかかる橋、日比谷公会堂、銀座泰明小学校に片鱗が見られる)壮大な都市計画の一環かもしれない。

TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド) 公式ホームページ

映画『TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)』 - シネマトゥデイ

TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)|映画情報のぴあ映画生活



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10月7日(金)のつぶやき

2016年10月08日 | Weblog