prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
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『グアンタナモ、僕達が見た真実』 95点

2007年02月07日 | goo映画レビュー

グアンタナモ、僕達が見た真実

2006年/イギリス

総合★★★★★ 95

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★★100点

演出 ★★★★★100点

ビジュアル ★★★★★100点

音楽 ★★★☆☆70点


「不都合な真実」

2007年02月07日 | 映画
客席が800ある劇場の三分の二がシルバー世代で埋まっていたので、ちょっとびっくり。
映画の中でも自動車の環境基準が今のところ一番高いのが日本で、エコロジー・カーに強いのがトヨタとホンダで、先進国で国民一人当たりの二酸化炭素排出量が低いのも日本、という具合に、けっこうニッポンやるじゃないという感じ。もちろん満足していいわけはないにせよ。

だけれど環境問題が政治の問題である以上、アメリカや中国といった大国のエゴになかなかよその国から口を出せないのも事実で、なんだか切歯扼腕という感じ。

映画はアル・ゴアが主にアメリカ国民に訴えている主張を伝えているわけで、若干こちらの受け取り方は主張そのものをストレートに受け取るのとはズレる。エンドタイトルで今環境のためにできるこで数えたら個人で出来ること四つに当てはまっただけで、「他人に」訴えて影響を及ぼすという効果になると、どうしても懐疑的になる。
中国での講演が好意的に受け取られる情景が出てくるけれど、それが政策に反映されることはアメリカ以上にないのではないか。

正直、ゴアのキャラクターについてはまったく知らなかったし興味もなかったけれど、近寄って見れば支持者が大勢出るのも不思議はない。映画の力でもあるし、これまでの情報の偏りでもある。

なかなか危機に気づこうとしないで煮られてしまう茹で蛙の比喩がアニメで出てくるが、カエルが煮られないでさっと助けられるというユーモアがいい。えてして日本でこの比喩が使われる時の脅す一方の口調とは対照的。
(☆☆☆★★)


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