prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「オリバー・ツイスト」

2006年02月16日 | 映画
ポランスキーだからと思って見るせいもあるだろうが、結構コワい(近くの席のねえちゃんも終わった時そう言っていた)。考えてみると、子供が犯罪に加担させられる話だものねえ。
撲殺された女が発見される場面の血の流れ方とショックで取り落とされて飛び散る牛乳が、抑え気味だがポランスキー・タッチ。
判事の異様な威張りっぷりとか、警察の面子第一主義など、官憲の描き方が批判的。

セットが壮大かつ繊細に作りこんである割に銅版画のようなちょっと作り物っぽい感じを出していてリアリズムから少し浮いているので、やたらナマナマしくないので助かる。
風土感を出すのも、ポランスキーの得意技。まあ、全体にちょっとヌルい作りなのだが。

テレビ「シャーロック・ホームズの冒険」のワトスン役のエドワード・ハードウィックが親切な老紳士役。善人役者ですね。

ベン・キングスレーがすごいメイクで登場、最初誰だかわからないくらいだが、次第に地の顔がわかるようになるとともに、フェイギンというキャラクターの魂まで見えてくるような気がしてくる。名優が凝った作りすぎの芝居をしがちな役だが、一味違う。
(☆☆☆★)

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