prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「武士・MUSA」

2003年11月12日 | 映画
中心になる集団がしょっちゅう内部で対立していたり、守られる姫が姫だからという以上に守られる理由がない(それを当人も守る側もわかっている)、とか、腕のたつ奴隷が自由になってもあくまで誰かに仕えることに身を捧げたり、といった具合にコスチューム・プレイではあっても行動原理はリアルというか、美化された部分が少ない。

たっぷりあるアクション・シーンは頸に矢が刺さったり頭に槍が食い込むのをもろに見せたりと、かなり刺激が強いが、少しサイズが寄り過ぎていたり、攻めてくる方向づけがバラバラだったりと構成的にはやや弱い。刀はあまり使われず、槍や弓矢の方が主体。これもリアリズム志向か。高麗人と漢人と蒙古人が混ざって出てきて全部言葉が違うらしいのだが、字幕は出ない。実際に流れているのは何語だろう。

チャン・ツィイーはきれいには違いないのだけど、「初恋の来た道」の初々しさがないのは当然として、ちょっとカリカリした役が続き過ぎている観。この役のためにまわりがバタバタ死んでいくのだから、もうちょっと魅力的でないと困る気がする。
(☆☆☆)


本ホームページ