WALKER’S 

歩く男の日日

19日目 5月12日

2009-07-12 | 09年四国の旅

 5:47
19日目の始まり、44.7kmと昨日よりちょっとだけ短いし、札所もないけれど、久万高原まで2つの峠を越えるので昨日以上に時間がかかりそうだ。しかも、昨日最高気温を記録した久万高原、そして今日も快晴だ。5時38分に出立、9分で国道を離れる分岐点。


 5:55
昨年この新谷郵便局で記念切手を買って、ペットボトルに水を汲んで貰った。昨年は金山出石寺(標高812m)に登って下りて、48km以上の道のりだったからこの500ccは命の水だった。


 6:09
この先で脇道が国道に合流する。


 6:23
大洲市から内子町に入る、内子のシンボルは内子座。今回初めて内子座の前を通ることにする。


 6:28
ここから国道を離れ斜め左の山道へ向かう。山道とはいえほとんど坂はなく農道といってもいいくらい。ヤマザキショップは7時からの健全な営業なので、開店前。


 6:31
右が農地、左が山。雨が降ると下がぬかるんで相当歩きにくくなるけれど、昨日まで4日続きの晴天なので全く問題ない。


 6:39
山道(農道)も車は通れるようだったから、ここから自動車道というのは変なので舗装道とする。これから運動公園の中を通って内子の町へ入っていく。


 6:49
予讃線の高架をくぐる、7.5kmを71分、時速6.34km、例年通りのタイム。ここまでは順調だったけど。


 6:50
高架をくぐって右を見ると内子駅。枝分かれする向井原から内子までは予讃線で、内子から新谷までが内子線、新谷から大洲まではまた予讃線になる。ぼくはその全部が内子線だと思っていた。なぜそんなややこしいことになっているかはこの鉄道の歴史的な背景があるようだけど説明されてもよく分からない。


 6:54
へんろ道を外れて、内子座の裏の道を行く、本当に意外なことに普通に町の中に建っていた。琴平の金丸座とはだいぶ印象が違う。


 6:55
内子座からへんろ道に戻ってきたところに松乃屋旅館がある。評判はいいけれど遍路宿にしては料金は高め。内子で手頃な宿は龍王荘、素泊まり4000円、2食付き6800円。


 7:04
川を渡ると内子の町とお別れ。


 7:07
橋を渡ったところにある道の駅で水を補給して一休み、今までここで休んだことはなかった。大瀬まで17kmを一気に歩いていたけれど、今回はなぜか慎重になる。


 7:21
今日のゴールの久万高原町まで42kmの文字、ぼくはずっと国道を行くわけではないので、大体あと36kmくらい歩けばよい。


 8:02 長岡山トンネル
ここまではまだ調子が悪いという自覚は全くない、気温もそんなには上がっていないだろうし。


 8:16 和田トンネル
ごく短いトンネル、交通量も少ないので何の問題もない。


 8:26
国道を離れて脇道へ、大瀬の集落に入っていく。当然昔はこちらの方が国道だったはず。この時点ではまだ調子が悪いという自覚はない。


 8:40
大瀬の町の中心地にある休憩所。とくにお遍路のためのということではないみたいで、バス停としても使われているようだ。毎年ここで休んでいるけれど、今年は内子からのタイムは例年より4分も遅れてしまった。時速は6.33km、例年は6.6km。とくに調子が悪いとか、動きが鈍いというような自覚は全くなかった。この時間だから暑いという感じもない。いつもの年よりは、昨日真夏日を記録した余熱というものが尾を引いているかもしれないけれど。首を傾げながら、20分の休憩、切りよく9時ちょうどに発つ。


 9:03 大瀬の館
昨年満室で泊まれなかった宿を見学する。一組しか泊まれないから仕方ないけれど、連休後の7日で、3日も前に予約を入れたのに駄目だった。素泊まり3000円だったのが4000円になったので、もうこの宿に泊まるメリットはない。


 9:10
国道に合流して大瀬の町ともお別れ、この時間でそろそろ暑さが気になってきた。このままいくと昨日と同じことになりそうだ。


 9:40
今回も昨年と同じ小田回りの道を行く、大瀬から小田まで11kmその間休むつもりはなかった。


 9:55
民宿来楽苦を過ぎてしばらく行ったあたりから国道の拡幅工事が大々的に行われている、その一環として造られたと思われる遍路小屋があった。中で女性二人が休憩中、内子から14kmの地点だから、かなりいいペースで来ている。


 9:58
こちらの休憩所は昨年からあった、休むつもりはなかったけれど、水道が見えたのでふらふらと立ち寄ってしまった。暑さが相当こたえはじめている。山の中の水道にしてはあまり美味しくない水だったけれど、この先当てがないのでたっぷり2本分汲んでいく。休憩所はこのように要所にあるけれど、トイレはない。内子の道の駅からここまでなかったはず、コンビニも何もなかったように思う。ガソリンスタンドは大瀬に2軒(脇道に1軒、国道に1軒)あるからそこでお願いするしかないかもしれない。そこでできなければ、下坂場峠方面は落合トンネルの手前の薬師堂まで20km、小田方面は道の駅まで19kmの間できないことになる。これは一つの難所といっていいかもしれない。


 10:09
ほとんど見えないくらい小さな(旧)のシールが貼られている。小田町は合併して現在は内子町。


 10:13
左が国道379号下坂場峠方面(近道)。右が国道380号小田方面(遠回り)。大瀬からここまで休憩時間を除いて71分、昨年より2分遅れ、微妙な感じ。前の区間よりは少しましかもしれないけれど、やはり遅いということになる。でもこの区間ははっきり暑さの影響を感じる。


 10:47 小田小学校
この少し手前に小田高等学校、右手の山の上に小田中学校。昨年はちょうど登校時間だったので何十人もの生徒たちと挨拶を交わしながらこの小田の郷を歩いた。今年はこの時間だから静かな国道を一人で歩く。


 10:52
ここでは休まない、ぼくの休憩所、タイムチェックポイントはもう少し先の遍路小屋。


 10:58 小田駐在所
中村の駐在所も良かったけれど、こちらはさらに地元色が出ていて好感が持てる。


 11:02
小田の町のはずれにある遍路小屋で一休み、ここにも水道はあるけれど、やはりあまり美味しくない。さっきの休憩所では9分しか休まなかったので、ちょっと長めの休みを取る。ここから先は真弓トンネルを目指す長く緩やかな登りが続く。昨年はさほどきついという印象はなかったけれど、時間が違う。しかも今年は、信じられないほど気温が上がってしまっている。


 12:13 三島神社
遍路小屋から4.4km、標高差210mのだらだら坂を48分かかって登ってきた。昨年とは全然違う、日差しの圧力を常に感じながらの我慢の歩きだった。そして、昨年1回登っただけなので、道中の風景の記憶はほとんど残っていなかった。8割くらいは初めての道を行く感じだった。やはり2回3回と繰り返して歩いてようやく記憶が定着してくるものだと改めて感じた。この神社の横から国道を離れ、短絡路の山道に入る。


 12:14
正面が短絡路の入り口、国道は右へ大きく蛇行していく。


 12:21
細く急な山道を登って国道に合流。


 12:21
国道に上がるとすぐ向かい側にまた短絡路の入り口がある。農祖峠経由遍路道と書いてある。農祖峠は本来の旧いへんろ道ではないようだけれど、小田の宿に泊まると一番の近道なので、現在は多くの人が通るへんろ道になっているようだ。


 12:28
また国道に上がってくる、大して長くない道だけど7分もかかる急坂。


 12:29
また向かい側に遍路標識があるけれど、これは農祖峠への道ではない。畑峠を越えると下坂場峠の手前に出るので、ものすごい遠回りになる。鶸田峠を含め3つの峠を越えることになる。でも本来はこの道がへんろ道だった。昔は真弓トンネルがなかったし、真弓峠はすごく険しい峠なのでこちらを行くのが普通だった、と、民宿来楽苦のご主人が教えてくれた。ぼくはもちろん国道をそのままトンネルの方へ向かう。でもこの標識を見て遠回りしてしまう人も多いのではないかと思ったりする。


 12:35
小田町の遍路小屋から68分で真弓トンネルのすぐ手前にある遍路小屋に到着した。昨年より5分遅れ。暑さがひどく、ばてばてでなんとか辿り着いたという感じ。自分の体力のせいではなく、太陽のせいにする。ここでも20分の休みを取る、峠はあと一つ、残る距離は11km。


 12:56 真弓トンネル710m
こういう日にはとてもありがたいトンネル、休憩している間車は1台も通らなかったから、とても静かなトンネルでもある。車遍路は必ずこの道を通るはずだけれど、時間帯がはずれているようだ。


 13:03
予定通り7分でトンネルを通過、ここからは快適な下りになる。


 13:04
トンネルを抜けると久万高原町。高原なのに最も暑い町。


 13:33
農祖峠方面と落合方面への分岐点、落合方面は遠回りになるけれど、峠を登らなくていいから早く着けるかもしれないし、すぐ先にトイレのある休憩所もある。地図には農祖峠の方にだけ赤点線が引かれているけれど、昔の白黒の地図には農祖峠には赤線がなく落合から国道33号の方にだけ赤線が引いてあった。国道を行く方が楽な上に早いということだったかもしれない。


 13:51 農祖峠入り口
遍路小屋からここまで5.7kmを56分もかかった。この間ほとんど下りだから52分くらいで来られたはずだ、暑さのせいで相当消耗している、水も塩分も栄養も全部不十分なくらい消耗しているとしか考えられない。でも手持ちの水も食料も尽きかけている。見通しが甘かったというしかない。時間も余裕がないので、5分で出発。


 13:56
登りの最初は車も通れるくらいの広くて緩やかな登り、峠までこんな道が続くとは思えないけど。


 14:14
鶸田峠より140mも低いのでもっと楽かと思っていたけど、峠は峠だった。体力が消耗しているせいもあって、同じくらいきついと感じた。でも1.2kmを18分で登ってきたからスピードはまずまずだったかもしれない。


 14:33
峠を下りてきて、山道が舗装道になるけれど、ここから舗装道を離れてまた山道に入る。ここまで下りてきてまた登るとなるとげっそりする。


 14:47
峠から2.9kmを33分かかった。分岐点からの登りが思ったよりきつかった。初めての道だから比較の仕様がない。


 14:58
表まで木の香りが漂ってきそうな、かわいい小学校。四元さんのように中に入って見学したかったけど、もちろんそんなことができるわけもなく。


 15:03
町役場の前を通って国道を横切るとスーパーがある、最初来たときはAコープだったけれど、今は普通のスーパーのようだった。まず500ccパックの所へ行く、例によってカフェオレ110円を籠に入れる。スーパーでは果実ジュースの500パックがないので選択の余地がない。あと袋菓子2つ、バナナ4本、菓子パン2つを買う。レジを出たところに休憩所があったので、カフェオレを一気に流し込む。500でも足りないくらい渇いていた。向こうの方で野宿遍路さんが休憩している、長岡山トンネルを出たところにある善根宿から来たに違いない。ここまで29kmくらいになる。


 15:23
 細かく測ってみたら今日の歩行距離は46kmだった。下坂場峠の道より3km遠回りだった。札所はないとはいえ二つの峠を越えてこの時間はよく頑張ったと我ながら思う。久万の宿は一里木に決めていたけれど、3日前に再度電話したときも連休明けの休業中で通じなかった。仕方ないので第2候補の笛ヶ滝にしようと思ったけれど、そこでひらめいた。ここまで予定より高かった宿がいくつかあったので、2食付きをやめて素泊まりにすれば支出の調整ができる。素泊まりなら、笛ヶ滝はワンルームマンションタイプと聞いていたから、おもごの方がくつろげるのではないかということで、この宿にした。遍路宿情報には4000円と書かれてあったけれど、3800円だった。おまけしてくれたのかもしれない。ぼくが着いたときにはすでに一人が到着していた。その靴が何と、ぼくと全く同じ、ミズノフリーウォークOD100GTXだった。そのあとも続々お遍路さんが到着、合計8人ぐらいになった。笛ヶ滝の食堂は定休日、宿の方も定休で客がこちらに流れたのかもしれない。ぼくの部屋はかなり古い明治時代くらいの建物ではないかと思われたけど、他の部屋と接していなくて雰囲気も良く快適だった、ただ廊下の灯りが部屋にも漏れてきて眠るときにはちょっと気になった。