万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

北朝鮮への送金規制の強化を

2008年10月16日 16時20分08秒 | 日本政治
北朝鮮への制裁継続を確認 拉致対策本部2年ぶり会合(共同通信) - goo ニュース
 アメリカ政府が北朝鮮に対するテロ支援国家指定を解除したことによる失望感が広がるなかで、日本国政府の経済制裁継続の確認は、わずかともほっとするニュースとなりました。このままなし崩しに制裁が解除されるとなりますと、拉致事件の解決は、さらに遠のいてしまいそうであったからです。

 ところで、北朝鮮に対する経済制裁は、さらに強化する余地があるのではないかと思うのです。最も効果が期待できるのは、日本国から北朝鮮への資金の流れを遮断することです。信じられないことに、2003年の外国貿易法により、外国への送金の届け出義務が、500万円から3000万円に大幅に緩和されたと言います。何故この時期に、国会が、この危険な改正案を通したのか、全く理解に苦しみます(少なくとも、北朝鮮は適用除外とすべき・・・)。北朝鮮が、我が国の主権侵害行為でもある拉致事件を起こしていることを考えますと、送金行為そのものに規制をかけることも可能なのではないでしょうか。さらに、間接的な方法としては、北朝鮮の資金源と目されているパチンコ業に対する規制強化も、検討されてしかるべきです。

 拉致被害者の方々の全員無事帰国を実現するために、日本国政府は、あらゆる政策手段を駆使して、北朝鮮に圧力をかけるべきと思うのです。  

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北朝鮮の暴走を待つべきだった

2008年10月15日 17時13分43秒 | 国際政治
核実験を懸念しテロ指定解除 米紙が報道(共同通信) - goo ニュース
 大統領の任期を終える直前に北朝鮮が核実験を強行。ブッシュ大統領にとって、これほど面目を潰される行為はないかもしれません。民主党からは、対北交渉の失敗として批難の矢面に立たされそうですし、最悪の場合には、大統領選の行方に大きく影響するかもしれないのですから。

 しかしながら、冷静になって考えてみますと、外交交渉の成果も、核拡散の阻止あってのことです。核開発を放棄する意思のない北朝鮮に対して、核実験の停止を条件にテロ支援国家の指定解除したところで、行く手には、再度の脅しと揺さぶりが待っているだけです。テロ支援国家解除は、何も解決はしませんし、問題の先送りをしたに過ぎないのです。しかも、テロ支援国家解除を機に、北朝鮮が経済支援を取り付け、核開発の資金と技術を手にするとしますと、事態は、さらに悪化します。

 思いますに、2006年の核実験では、国連安保理で経済制裁が決定されたのですから、北朝鮮が二度目の核実験を強行するとしますと、NPT体制に鑑みて、これを、国際社会が許すはずはありません。核実験によって国際社会のつまはじき者になるのは、北朝鮮の方なのです。北朝鮮を暴走させた方が、よほど、北朝鮮の体制崩壊にはチャンスとなったかもしれません。

 ブッシュ大統領が、アメリカ国民に対して、北朝鮮の脅しと瀬戸際作戦を誠意をもって説明すれば、国民とて、事の経緯を理解したのではないか、と思うのです。”最善を尽くした。でも、相手は我々を裏切った”と。

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総合市場化は考えもの

2008年10月14日 16時24分01秒 | 日本経済
日本も対策発表 空売り規制、機能強化法復活など(朝日新聞) - goo ニュース
 つい半年ほど前のこと、日本国でも、欧米諸国の市場を見習って、総合市場を構築しようという提案が、実現の方向で検討されていました。総合市場とは、証券市場、債券市場、外国為替市場、商品市場の間を、投資家が、自由に資金を動かすことができる市場のことであり、(将来的には排出権取引市場?)、国際競力の向上が、その主たる目的とされていました。

 ところで、リーマンの破綻から発生した今回の金融危機は、サブプライム・ローンが主犯格とされていますが、商品市場における原油や穀物価格などの下落も、その背景にあるのではないか、と思うのです。サブプライム・ローンの損失の穴埋めのために、商品市場に大量の投機資金が流れ込み、投機資金で膨れ上がった商品市場がバブルを起こし、このバブルの崩壊が、最終的に金融危機を招いたとも言えるのです。このことは、金融市場間のファイアー・ウォールの消滅が、連鎖的リスクと被害の拡大の要因となったことを示しているのかもしれません。昨今の急激な円高も、行き場を失った資金が外国為替市場に集まり、逃避的に円買いが行われたから、との指摘もあります。

 金融危機は、発生してしまいますと、その収集には痛みと負担が伴うものです。二度と金融危機を起こさないためには、市場の仕組みに安全装置を組み込まねばならず、総合市場化は、急ぐべきではないと思うのです。

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中国は政策破綻を起こす?

2008年10月13日 15時02分08秒 | アジア
農民の所得倍増 3中総会閉幕 「調和社会」へてこ入れ(産経新聞) - goo ニュース
 共産主義を正当化してきた”土地の公有”さえ形骸化し、共産党による一党独裁体制は、理論上の根拠さえ失いつつあります。こうした中で、中国政府は、さらなる自由化を柱とした農業政策を打ち出したようです。この政策は、狙い通りに、農民の”所得倍増”を実現するのでしょうか。

 ニュース報道のみの情報量で判断することは難しいのですが、中国の政策方針には、いくつかの点で無理があるように思えるのです。それは、所得倍増のための手段を、大規模な農業経営と農産物の増産に求めているからです。これらの政策の目的は、土地の収用などで農地を失った人々を救済するためと説明されているものの、農地の大規模化は、常識的に考えれば、農家の戸数を減らす政策であり、大規模な農地開拓を伴わない限り、救済策とはなりそうにもありません。また、農産物の増産にしても、中国の農産物価格がきわめて低くく、かつ、供給が不足しているわけでもないことを考えますと、増産は、農産物価格の更なる低下を招くかもしれません。穀物輸出を増やす方針なのかもしれませんが、汚染米の前例もあり、スムースに輸出が拡大するとも思えません。

 農家所得を倍増するためには、汚染された土壌の改良や付加価値の高い農産物への転作を促進したり、あるいは、農村部への財政移転を増やした方が、よほど効果的とも思われます。少なくとも、軍事費や宇宙開発費を削減すれば、農村を救う財源は捻出できます。見込みの薄い政策を実施しますと、政策破綻を起こし、さらに農民を苦しめる結果になるのではないでしょうか。

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北朝鮮IMF加盟の行方

2008年10月12日 17時05分39秒 | 国際政治
オバマ氏は指定解除を評価 マケイン氏と見解分かれる(共同通信) - goo ニュース
 散々にブッシュ政権を非難してきたオバマ候補が、北朝鮮のテロ支援国家解除については支持。共和党と民主党とで”ねじれ現象”が起きてしまったわけですが、少なくとも、日本人拉致事件を憂慮し、北朝鮮の悪を見抜いているのは、マケイン候補のように思われます。

 ところで、この指定解除は、本当に、北朝鮮の外交的な勝利なのでしょうか。テロ国家の指定解除になったとしても、現在、北朝鮮は、IMFにも、世界銀行にも、アジア開発銀行のメンバーにもなってはいません。国際機関から融資を受けるためには、まずは、IMFの加盟国になる必要があり、偽札事件を起こしている北朝鮮が、加盟審査をすんなりと通過するかは不透明です。

 また、たとえ加盟できたとしても、IMF加盟国の義務を果たすに際し、透明性のある為替決済システムを構築する必要があり、それがハードルとなるとする指摘もあります。そもそも、麻薬の密輸出など、国家ぐるみの怪しげな密貿易を行ってきた歴史がありますので、情報開示の要求は、北朝鮮の悪事を暴く結果になるかもしれません。

 さらに、IMF加盟後に、北朝鮮が、通貨危機を起こすようなことになれば、北朝鮮経済は、IMFの管理下に置かれることになるかしれません。北朝鮮通貨には信頼性が欠如しており、国際通貨システムに参加した途端に、大暴落を起こすとも限らないのです。

 もちろん、政治的にも、IAEAの査察を拒否しようものなら、緊張は一気に高まることになるでしょう。その一方で、経済の側面においても、テロ支援国家解除の決定は、北朝鮮の金体制の”終りの始まり”を意味するかもしれないのです。

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二重国籍は混乱の元

2008年10月11日 16時55分56秒 | 日本政治
ノーベル賞余波 二重国籍禁止を撤廃 自民法務部会 国籍法改正検討 (産経新聞) - goo ニュース
 ノーベル物理学賞を受賞された南部陽一郎氏が米国籍を取得していたことから、日本国も、二重国籍を認めるべきとの議論があるようです。しかしながら、二重国籍に伴う問題を考えますと、法改正には慎重であるべきと思うのです。

 第一に問題となるのは、有事に際しての二重国籍者の扱いです。米国籍の場合には、相手国が同盟国でもありますので、さしたる心配はいらないかもしれません。しかしながら、仮に、日本国の国籍を持ちながら、同時に敵国の国籍を持つとなりますと、二重国籍者は、両国から、敵性の疑いがかけられることになりましょう。

 第二に、二重国籍者が、二つの国の参政権を持つとしますと、両国とも、二重国籍者を通した内政干渉に警戒することになります。特に、国籍を持つ二つの国の間で政治的な対立要因がある場合には、中立ではなく、より帰属意識の強い国に肩を持つ選択を行う可能性もあります。

 第三に、納税と社会保障との関係にも混乱が生じる可能性があります。制度によっては、納税は一方の国で、行政サービスはもう一方の国で、ということにもなりかねません。

 さらに、第四として、もし、日本国が二重国籍を認めるとしますと、日本国籍取得に際して、外国人から同様の要求がなされた場合、拒否し難くなります。外国籍を残しながら日本国籍を取得できるとなりますと、外国人の地方参政権付与の問題で議論されている懸念が、国政レベルでも起きることになります。

 国家と国民は、権利と義務との関係で結ばれています。二重国籍とは、一人が、二つの国家に対する義務を負い、かつ、二つの国家に対する権利を行使することを意味しています。しかも、両国の対人主権が及びますので、究極の場合には、双方の国から、二者択一の義務を課され、選択を迫られることもあり得るのです。米国籍の日本人研究者の受賞を喜ぶあまりに、軽率な判断をしますと、国内外に混乱を招き、将来に紛争の種をまくという愚を犯すことになるのではないか、と思うです。ロシアによる一方的な南オセチア人に対する国籍付与が、グルジア侵攻を招いたことを考えますと、国籍の問題には、リスクを意識せざるをえないのです。

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ノーベル平和賞に中国の圧力?

2008年10月10日 20時08分17秒 | 国際政治
ノーベル平和賞アハティサーリ氏 元フィンランド大統領(朝日新聞) - goo ニュース
 今年度のノーベル平和賞に決まったアハティサーリ氏が、受賞に値する業績を持ち、平和に対する貢献を行ってきたことは確かなことでしょう。しかしながら、先日まで最有力と目されていた胡佳氏が受賞を逃したことは、大変残念に思うのです。

 中国政府は、胡氏が候補に挙がった時点において不快感を示し、氏の受賞に反対の態度を明確にしていました。この圧力が功を奏したのか、氏の受賞は見送られ、中国の人権問題が、ノーベル賞の表舞台に出ることはなくなったのです。もし、胡氏が受賞していたとしたら、北京オリンピックから垣間見られた中国の様々な人権問題に対して、世界中の人々が、より強い関心を寄せることになったことでしょう。

 ノーベル平和賞の選考委員会が、中国の圧力に屈したとなりますと、ノーベル平和賞は、権力の道具に過ぎなくなります。政治的な弾圧に抗し、人々の自由と権利の擁護のために闘っている人物こそ、ノーベル平和賞に相応しいと思うのです。
 
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主要国に低金利時代がやって来る

2008年10月09日 16時50分37秒 | 国際経済
安全な逃避先、伸びる円 「利下げ見送り」で拍車も(産経新聞) - goo ニュース
 本日の日経新聞一面には、FRBやECBをはじめ、世界十カ国の中央銀行が協調利下げに踏み切ると言う記事が踊っていました。もしかしますと、バブル崩壊後の日本国と同様に、主要各国に、低金利の時代が到来するかもしれません。

 第一の理由は、不況において低金利政策をとることは、中央銀行の常套手段であるからです。今回の金融危機は、全治三年とも言われているようですが、不況が長期化するとしますと、当然に、低金利政策が長く続くことになります。
 第二の理由は、もし、金融機関の救済と景気対策のために、各国政府が、財政拡大政策をとり、その財源のために国債の発行数を増やすとしますと、財政赤字が金融政策の手足を縛ることになるからです。日本国の低金利政策も、その背景には、金利の上昇が、歳出に占める国債費の増大を招くという事情がありました(政策予算を圧迫・・・)。中央銀行の独立性が保障されていながらも、財政赤字が大きい場合には、中央銀行は、政策金利を上げ難くなるのです。

 EU加盟諸国の場合は、ユーロの導入に際して財政規律が設けられていたため、この規律を緩めたとしても、現状では、日本国ほどの財政赤字を抱えるとは考えられません。それでも、ECBは、景気対策として低金利政策をとり続けることは、十分に予測されます。かくして、主要国は、そろって低金利の時代を迎えそうなのです。

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金融危機は財政では救いきれない

2008年10月08日 16時44分18秒 | 国際経済
アイスランド、全銀行を国有化(産経新聞) - goo ニュース
 90年代後半に日本国がバブル崩壊を起こした時、未曾有の金融危機を財政拡大政策で乗り切ろうとしました。不良債権の買い取り、資本注入、公共事業の拡大、地域振興券などなど、あらゆる財政的な手法が総動員されたのです。その結果、1000兆円とも称されたバブル崩壊による損失は、政府、あるいは、国民にリスク移転されて、財政赤字となって今日に至っています。

 日本国のバブル崩壊の場合には、莫大な財政赤字を抱えつつも、産業力が支えとなって、一国だけでしのぐことができました(それでも、何時破綻するかわからない財政赤字を抱え込んでいる・・・)。しかしながら、今回の金融危機は、経済大国のみならず、中小国にも連鎖的に波及し、アイスランドのように、金融機関の救済が、国家破産を引き起こすかもしれない国も現れたのです。

 そもそも、金融における損失を、すべて財政で補填しようとしますと、莫大な歳出を要するものです。金融と財政では、規模がケタ違いなのです。もし、日本国のように、財政で解決しようとしますと、国家予算の数倍にのぼる財政赤字を覚悟しなくてはなりませんし、国債に買い手がつかないとか、財政が危なくなりますと、禁じ手とされる中央銀行の国債の引受に手を染ざるを得なくなるかもしれません。そうしますと、今度は、不況下にあって、国民は、インフレーションに耐えねばならなくなるのです(預金の目減り・・・)。

 では、はじめから、中央銀行が、危ない金融機関に対して無担保で特別融資を行うべきなのでしょうか。この方法でも、国債引受の場合と同様に、インフレーションと自国通貨下落のリスクを負うことになります。

 バブルの崩壊とは、いずれの方法を取るにしても、誰かが損をしなくてはなりません。バブルに浮かれた人々が見たうたかたの夢は、目を覚ました途端に、他の人々を崩壊の巻き添えにした悪夢と化すのです。

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道徳教育の議論を

2008年10月07日 16時05分47秒 | 日本政治
町村氏「日教組発言、神髄ついた」 中山氏かばう(朝日新聞) - goo ニュース
 辞任を覚悟して中山氏が日教組批判の発言をされたのも、最近に至って、通り魔殺人や、モンスターと称される身勝手な要求を突きつけて、他者に迷惑をかける人々が増えたことを憂いてのことと思います。厳しい批判もありますが、誰も、日本の社会で進行しつつある道徳心の崩壊を、このまま放っておいてもよいとは思っていないはずです。

 それでは、道徳の教育とは、どのようにあるべきなのでしょうか。道徳とは、行動や実践を離れて教えることは難しいと言われていますが、およそ、二つの側面からアプローチすることはできるのではないかと思うのです。二つのアプローチとは、第一に、行動規範であり、第二に、人に備わるべき徳です。

 第一の行動規範については、司法教育の導入として理解することができます。殺人や窃盗など、刑法において禁じらている行為を説明し、犯罪や法律に違反する行為を行うと刑罰の対象になることを教えるのです。かつては、家庭などにおいて自然に身に付けたものですが、現状を見てみますと、義務教育課程において、基本的な行動規範を教えざるを得ない時期にきているのかもしれません。

 第二の徳なるものは、さらに教えることが難しくなります。道徳とは、本来、こちらの方を意味するのですが、何をもって”徳”と見なすのかという、”徳”の内容を決める段階で、人によって意見が分かれるかもしれないからです。しかしながら、慈しみの心を持つことや、相手の立場に立って物事を考えること、相手の善意を悪用してはならないこと、といった、古今東西を問わず道徳とみなされる心の持ちようはあるものです。

 日教組の過激な人々が、暴力革命を信じるあまりに基本的な行動規範を教えることに反対したり、教育における思想の押し付けに反対すると称して、普遍的な道徳を否定するようでも困ります。中山氏の発言を機会に、道徳教育のあり方について、国民の多くが納得するような方法を、大いに議論すべきと思うのです。

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EUは財政統合できない理由

2008年10月06日 17時15分37秒 | 国際経済
金融危機 欧州統合に影 救済策で主要国亀裂(産経新聞) - goo ニュース
 単一通貨ユーロの誕生で、EUは、晴れて金融・通貨統合に成功しました。それではこの先、EUは、各国の財政をも統合する方向に歩を進めるのでしょうか。

 今回の金融危機に対する加盟各国の対応は、この疑問に対する否定的な回答を示唆しているとも言えます。何故ならば、財政は、加盟国の権限であることを明確にしているからです。考えてみますと、当たり前なのお話なのですが、財政とは、国民の納税によって成り立っています。納税者の立場に立てば、救済基金の名の下で、他国の金融機関の損失を自国の財政で救済することに、抵抗感を感じたのも理解に難くありません。「安定成長協定」で定められた財政規律を緩めることに合意したのも、財政の領域における国家主権の強さを表しているとも言えます。

 財政とは、政治と経済、あるいは、政府と市場が交差する領域にあり、経済の論理のみで政策決定はできません。民主主義国家では、税負担を負う国民の意向を無視はできませんし、他国への財政移転ともならば、さらに抵抗が強くなるからです(その反対の場合には、歓迎と言うことになるのですが・・・)。この側面から予測しますと、EUの財政統合には限界があるのではないか、と思うのです。

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女性研究者優遇策は朗報?

2008年10月05日 14時44分27秒 | 社会
女性研究者採用したら6百万円 文科省、増員狙い補助へ(朝日新聞) - goo ニュース
 女性研究者が職に就くことが難しいことは現実としてありますし、また、文部省の補助金政策を朗報として歓迎する女性研究者の方もおられることでしょう。と言う私も女性研究者の端くれですが、非常勤講師として講義を担当しております。

 しかしながら、600万円の補助金給付策をもって女性研究者が増員されたとしても、少なくとも私は、少しもうれしくはないのです。何故ならば、この政策の結果として女性研究者数がアップしたとしても、それは、補助金目当ての雇用の増加であり、研究者としての実力を認められたことにはならないからです。 しかも、このような優遇政策がありますと、学生さんも、女性の先生は、政府による底上げと見なし、受講を避けたり、軽視する結果ともなりかねません。採用された側も、補助金付きなのですから、肩身の狭い思いをします。さらには、より優秀な男性の研究者がいながら、補助金制度がある故に女性研究者の方が採用されたとしますと、男性研究者に対する逆差別ともなりましょう。

 この問題に対する適切なアプローチとは、やはり実力主義であり、性差に拘わらず、実力をもって評価をするということではないか、と思うのです。公平な実力主義の結果であるならば、女性の数が少ないことは何ら問題ではなく、すべての研究者を実力で評価し、公平に機会を開くことこそ、延いては女性研究者に活躍の機会を与えることなるのではないでしょうか。

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中山氏批判にみる”魔女狩り”体質

2008年10月04日 14時49分01秒 | 日本政治
中山前国交相、政界引退へ 自民、東国原氏擁立へ調整(朝日新聞) - goo ニュース
 最近のニュースの中に、300年?ほど前に、宗教裁判により有罪となり、”魔女狩り”最後の犠牲者となった方の名誉が回復されることになった、という記事がありました。よくよく調べた結果、訴えた側が、悪事が露見することを恐れて犠牲者の方を魔女に仕立て上げたことがはっきりしたからです。

 しばしば”魔女裁判”は、狂信の代名詞として使われますし、また、ジャンヌ・ダルクのケースのように、政治的な排斥や報復を目的として利用されることもありました。現代という時代にあって、”魔女狩り”などあるわけはない、と考えられがちなのですが、今回の中山氏の発言に対するヒステリックなまでの反応は、中世の魔女裁判を思い起こさせてしまうのです。何故ならば、理性よりも感情が優先し、何より、”異端者”を許さない頑迷さと、日教組の組織防衛の本能が働いているようにも見えるからです。

 理屈や法律からみますと、中山氏の発言に対しては、日教組は、その発言の真偽を、国民の前で理路整然と証明して否定すれば済むことでしたし、この方が、よほど健全な反応であるとともに、自由で民主的な国家における組織として相応しい態度と言えます。にもかかわらず、日教組は、自らに対して向けられた疑問や批判に対して、未だに誠実に応えようとはしていないのです。

 何時の日か、中山氏の名誉が回復される日が来るのではないか、と思うのです。
 
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証券化はBIS規制の抜け道

2008年10月03日 20時11分43秒 | 国際経済
納税者と政治家には見えない金融危機の本当の深刻度(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース
 1988年7月、BIS(国際決済銀行)は、バーゼル合意を行い、金融機関に対して自己資本比率規則に関する国際基準を設定しました。いわゆるBIS規制と呼ばれるもので(最低8%)、銀行の過剰貸し出しによる金融危機の発生を防止することがその主たる目的でした。

 このBIS規制、もとより欧州で発生した金融危機を契機に導入されたのですが、我が国でも、1993年3月に以降、BIS規制の順守が義務付けられ、邦銀の経営に多大な影響を与えたことはよく知られています。さしもの邦銀の勢いも陰りを見せ、バブル崩壊とともに、深刻な金融危機に見舞われることになったのです。BIS規制によって、金融システムの健全性は確保されるはずであったのですが、現在の金融危機を見てみますと、BIS規制にも抜け道があったように思われます。それは、サブプライムローンに代表される貸付やCDSのような貸付保証の証券化です。一端、貸付が行われた後にそれが証券化され、投機的な値上がりが生じますと、もはやBIS規制では対処できないのです。

 一たびバブルが発生させてしまいますと、それが崩壊する時に、必ずシステミックな危機が生じるものです。今後は、バブル発生のメカニズムを解明した上で、新たな金融商品の開発に際しては、バブルや連鎖リスクの発生要因を含むものであるか、十分な検討を加える必要があると思うのです。

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公明党の政教分離問題に決着を

2008年10月02日 16時10分37秒 | 日本政治
民主、首相に「政教分離」ただす 公明・創価学会念頭(朝日新聞) - goo ニュース
 日本国憲法第20条で政教分離が定められていながら、何故、公明党が存在しているのか、大多数の国民は疑問に感じていたはずです。本日、民主党が、国会で政教分離をただしたと報じられていますが、これを機会に、積年の問題であった公明党問題を、はっきりさせるべきではないか、と思うのです。

 この問題の行方のカギを握るのは、国会と裁判所です。国会は、国民の前に、まずは、公明党の実態を明らかにしなくてはなりません。報道によりますと、民主党が矢野氏の証人喚問が予定しているようです。また、国政調査権を用いて、創価学会と公明党との一致体制を調査・報告することもできます。その一方で、公明党の合憲性如何については、裁判所に対し、憲法第20条1項違反をめぐる憲法裁判を起す必要があります。これまで、宗教的行事への参加をめぐる裁判はありましたが、教団の政治権力行使が問題となった裁判はありませんでした。違憲の判決となれば、公明党に対して解散を命じることができるかもしれません。

 他の宗教団体が政教分離の原則を守り、政党を設けない中で、創価学会のみが政権与党となり、憲法で禁じられている政治的な権力を行使している状態を放置しておくことは望ましくありません。今こそ、公明党の政教分離問題を決着すべき時と思うのです。

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