万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

最善の策はバブル封じ?

2008年10月29日 14時02分33秒 | 国際経済
金融危機後の「世界広域連合」待望論も EUへの期待と厳しい現実(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース
 EUが、EUとして金融危機への有効な対応策が打ち出せなかったことが、どうやら、世界経済の将来象をめぐる様々な議論を呼び起こしているようです。

 その第一の議論は、今回の失敗を教訓にEUの経済統合をさらに進め、将来的には、共通の金融危機政策を実施できるようにしよう、と言うものです。「世界広域連合」待望論も、EUのさらなる結束と制度改革あってのこととなりそうです。

 第二は、金融危機でのEUの対応は地域統合の限界を示しているので、国家レベルでの対応策を充実すべき、という議論です。

 第一の議論では、先の長いお話になりますし、また、加盟国間の財政統合を要するとしますと、さらに実現は遠のきそうです。一方、第二の議論も、特に欧州諸国の金融機関の多くが多国籍化している現実を考慮しますと、救済策としては、必ずしも充分ではないかもしれません。

 思いますに、この議論の発端は、バブル崩壊による”金融危機”への対処でありますので、予防策として、まずは、各国ともバブルの発生を防止する仕組みを整えることが、最も効果的で実現可能な国際協力なのではないか、と思うのです。EUであれば、欧州の金融市場に、共通のバブル防止ルールを設けることもできます。もしかしますと、ルールからのアプローチでバブルを封じることができれば、「世界広域連合」の議論は、もはや不要になるかもしれないのですから。

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コメント (6)
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