万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

金融救済策で”闇”をつくってはならない

2008年10月26日 15時53分42秒 | 国際政治
新銀行東京の融資、違法手数料15%要求しブローカー横行(読売新聞) - goo ニュース
 金融機関の救済のために、政府は、様々な政策を相次いで打ち出しています。しかしながら、一つ間違えますと、新銀行東京のように”闇”が生じるというリスクもあるのです。

 新銀行東京で発生した違法ブローカー事件とは、都議会議員への”口利き”を経営者に持ちかけ、融資が実現した時点で、違法な額の仲介料を取ろうとしたという事件です。ブローカー自身が公職の身にあるわけではないものの、一種の間接的な汚職事件であり、都議会議員が、金融機関の融資決定に関与した可能性を示しています。しかも、公的な金融機関は、中小企業の救済を目的として設立されているため、融資の査定が甘く、損失を出したとしても、都議会議員の懐が痛むわけでもありません。投資リスクを最終的に負うのは、東京都であり、納税者なのです。

 新銀行東京の”闇”は、かろうじて明るみに出ましたが、少なくとも、政治家が銀行の融資に介入できる制度は腐敗の元になりますので、両者の分離をはからなくてはなりません。政府は、金融救済策によって”闇”を作らないよう、十分な対策を講じるべきと思うのです。

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コメント (2)
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