ノーベル賞余波 二重国籍禁止を撤廃 自民法務部会 国籍法改正検討 (産経新聞) - goo ニュース
ノーベル物理学賞を受賞された南部陽一郎氏が米国籍を取得していたことから、日本国も、二重国籍を認めるべきとの議論があるようです。しかしながら、二重国籍に伴う問題を考えますと、法改正には慎重であるべきと思うのです。
第一に問題となるのは、有事に際しての二重国籍者の扱いです。米国籍の場合には、相手国が同盟国でもありますので、さしたる心配はいらないかもしれません。しかしながら、仮に、日本国の国籍を持ちながら、同時に敵国の国籍を持つとなりますと、二重国籍者は、両国から、敵性の疑いがかけられることになりましょう。
第二に、二重国籍者が、二つの国の参政権を持つとしますと、両国とも、二重国籍者を通した内政干渉に警戒することになります。特に、国籍を持つ二つの国の間で政治的な対立要因がある場合には、中立ではなく、より帰属意識の強い国に肩を持つ選択を行う可能性もあります。
第三に、納税と社会保障との関係にも混乱が生じる可能性があります。制度によっては、納税は一方の国で、行政サービスはもう一方の国で、ということにもなりかねません。
さらに、第四として、もし、日本国が二重国籍を認めるとしますと、日本国籍取得に際して、外国人から同様の要求がなされた場合、拒否し難くなります。外国籍を残しながら日本国籍を取得できるとなりますと、外国人の地方参政権付与の問題で議論されている懸念が、国政レベルでも起きることになります。
国家と国民は、権利と義務との関係で結ばれています。二重国籍とは、一人が、二つの国家に対する義務を負い、かつ、二つの国家に対する権利を行使することを意味しています。しかも、両国の対人主権が及びますので、究極の場合には、双方の国から、二者択一の義務を課され、選択を迫られることもあり得るのです。米国籍の日本人研究者の受賞を喜ぶあまりに、軽率な判断をしますと、国内外に混乱を招き、将来に紛争の種をまくという愚を犯すことになるのではないか、と思うです。ロシアによる一方的な南オセチア人に対する国籍付与が、グルジア侵攻を招いたことを考えますと、国籍の問題には、リスクを意識せざるをえないのです。
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第一に問題となるのは、有事に際しての二重国籍者の扱いです。米国籍の場合には、相手国が同盟国でもありますので、さしたる心配はいらないかもしれません。しかしながら、仮に、日本国の国籍を持ちながら、同時に敵国の国籍を持つとなりますと、二重国籍者は、両国から、敵性の疑いがかけられることになりましょう。
第二に、二重国籍者が、二つの国の参政権を持つとしますと、両国とも、二重国籍者を通した内政干渉に警戒することになります。特に、国籍を持つ二つの国の間で政治的な対立要因がある場合には、中立ではなく、より帰属意識の強い国に肩を持つ選択を行う可能性もあります。
第三に、納税と社会保障との関係にも混乱が生じる可能性があります。制度によっては、納税は一方の国で、行政サービスはもう一方の国で、ということにもなりかねません。
さらに、第四として、もし、日本国が二重国籍を認めるとしますと、日本国籍取得に際して、外国人から同様の要求がなされた場合、拒否し難くなります。外国籍を残しながら日本国籍を取得できるとなりますと、外国人の地方参政権付与の問題で議論されている懸念が、国政レベルでも起きることになります。
国家と国民は、権利と義務との関係で結ばれています。二重国籍とは、一人が、二つの国家に対する義務を負い、かつ、二つの国家に対する権利を行使することを意味しています。しかも、両国の対人主権が及びますので、究極の場合には、双方の国から、二者択一の義務を課され、選択を迫られることもあり得るのです。米国籍の日本人研究者の受賞を喜ぶあまりに、軽率な判断をしますと、国内外に混乱を招き、将来に紛争の種をまくという愚を犯すことになるのではないか、と思うです。ロシアによる一方的な南オセチア人に対する国籍付与が、グルジア侵攻を招いたことを考えますと、国籍の問題には、リスクを意識せざるをえないのです。
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