万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

憲法を超えようとするマスコミ

2008年10月01日 15時52分42秒 | 日本政治
麻生首相、「大東亜戦争」と表現 戦争観問われ(朝日新聞) - goo ニュース
 中山氏の発言以来、マスコミによる”言葉狩り”が収まるようにも見えません。しかしながら、日本国は立憲主義の国ですので、この原則を崩してはいけないと思うのです。

 憲法には、もちろん、首相や閣僚が、自らの発言によって辞任しなければならないとする記述はありません。麻生首相の述べた「大東亜戦争」も、サンフランシスコ講和条約の発効によりGHQの指令は失効していますので、違法な表現ではないのです。マスコミが、法律上の問題がないにもかかわらず、辞任や罷免を求めるような論調を張るとしますと、それは、立憲主義の精神に反していると思うのです。

 もし、憲法や法律の枠を超えて、マスコミの批判が国政を動かすとしますと、民主主義の危機ともなりましょう。かつて、ドイツでは、当時最も民主的と言われていたワイマール憲法を超えて、ヒトラー政権が成立しました。いわば、国民を扇動し、宣伝戦に勝利したとも言えます。現在の状況を見てみますと、憲法や法律の枠組みを踏みにじろうとしているは、むしろ、マスコミの方に思えてならないのです。

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コメント (6)
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