万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ノーベル平和賞に中国の圧力?

2008年10月10日 20時08分17秒 | 国際政治
ノーベル平和賞アハティサーリ氏 元フィンランド大統領(朝日新聞) - goo ニュース
 今年度のノーベル平和賞に決まったアハティサーリ氏が、受賞に値する業績を持ち、平和に対する貢献を行ってきたことは確かなことでしょう。しかしながら、先日まで最有力と目されていた胡佳氏が受賞を逃したことは、大変残念に思うのです。

 中国政府は、胡氏が候補に挙がった時点において不快感を示し、氏の受賞に反対の態度を明確にしていました。この圧力が功を奏したのか、氏の受賞は見送られ、中国の人権問題が、ノーベル賞の表舞台に出ることはなくなったのです。もし、胡氏が受賞していたとしたら、北京オリンピックから垣間見られた中国の様々な人権問題に対して、世界中の人々が、より強い関心を寄せることになったことでしょう。

 ノーベル平和賞の選考委員会が、中国の圧力に屈したとなりますと、ノーベル平和賞は、権力の道具に過ぎなくなります。政治的な弾圧に抗し、人々の自由と権利の擁護のために闘っている人物こそ、ノーベル平和賞に相応しいと思うのです。
 
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