万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

女性研究者優遇策は朗報?

2008年10月05日 14時44分27秒 | 社会
女性研究者採用したら6百万円 文科省、増員狙い補助へ(朝日新聞) - goo ニュース
 女性研究者が職に就くことが難しいことは現実としてありますし、また、文部省の補助金政策を朗報として歓迎する女性研究者の方もおられることでしょう。と言う私も女性研究者の端くれですが、非常勤講師として講義を担当しております。

 しかしながら、600万円の補助金給付策をもって女性研究者が増員されたとしても、少なくとも私は、少しもうれしくはないのです。何故ならば、この政策の結果として女性研究者数がアップしたとしても、それは、補助金目当ての雇用の増加であり、研究者としての実力を認められたことにはならないからです。 しかも、このような優遇政策がありますと、学生さんも、女性の先生は、政府による底上げと見なし、受講を避けたり、軽視する結果ともなりかねません。採用された側も、補助金付きなのですから、肩身の狭い思いをします。さらには、より優秀な男性の研究者がいながら、補助金制度がある故に女性研究者の方が採用されたとしますと、男性研究者に対する逆差別ともなりましょう。

 この問題に対する適切なアプローチとは、やはり実力主義であり、性差に拘わらず、実力をもって評価をするということではないか、と思うのです。公平な実力主義の結果であるならば、女性の数が少ないことは何ら問題ではなく、すべての研究者を実力で評価し、公平に機会を開くことこそ、延いては女性研究者に活躍の機会を与えることなるのではないでしょうか。

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コメント (6)
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