自力整体でいきいき歩き: 狛 雅子

膝通を克服して健康登山! 団塊世代に贈るLOHAS情報です。

人生100年、自分の足で歩く   5  椅子の知識

2022-12-05 05:51:21 | 操体法


今日のコメンテイターは光野有次氏。
Seating engineerで工業デザイナーだそうです。

p.155 椅子に坐っていると、立っているときよりもラクに感じます
   が、首や腰への負荷は、実は坐っているときの方が大きい。
   坐ることは、それほど体力がいるのです。

   (中略)まっすぐ立っているときに比べて、背筋を伸ばして
   椅子に坐っているだけで腰椎にかかる負担は1.4倍、
   パソコンを操作するなど、腰を前方に20度傾けて坐った状態
   では2倍近くになるんです。

   加齢は運動不足などで体幹の筋力が衰えると、
   首や腰にかかる負担はさらに大きくなってしまいます。

で、光野氏は「椅子で骨盤を立てる」方法を開発しているそうです。
自力整体には「輪っかタオル」という強力な武器があるので、
教えてあげたいし、全国民に広めたいですが、なかなか広がりません。

広がらない理由は、私が考えるに、
①220円といえども、百均の手ぬぐい2枚とかスカーフを買ってくる手間

②それをわっかにする手間、自分の体型に合わせるアジャスターの手間

③効果的に使いこなす身体の感度が必要

自力整体の難しさは、この辺にあると思います。フツーの人たちは、
「輪っかタオル? いいの?」
(つけてみて)「全然、何も感じな~い。どうすればイイの?」

つまり、手取り足取り、ちゃんと背中のウエスト側にタオルを沿わせ、
骨盤が立つように、自分の足のスネに巻き付ける方法を教えてあげないと、
使いこなせない人が多いのです。(←私の経験上ですが)
   
*****************
光野氏の椅子の定義は、
p.159 椅子とは:坐ることの苦手な人間を坐りやすくする道具
   バックレストがついたもの(英語でいうチェアのこと)
   バックレストを使うことで骨盤を立位のときの状態に近づけて
   背中がS字カーブになるように支える。
   骨盤の後傾を防ぐための道具が椅子なのです。

   ちなみに、英語ではバックレストのないものはスツール
   (腰かけ)と呼んで、明確に区別をしています。
   長時間坐るときはチェア、ちょっと腰を下ろすときは
   スツールといった具合に使い分けをする
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人生100年、自分の足で歩く   4  二軸歩行

2022-12-04 05:57:33 | 操体法


著者は5人の専門家と対談してアドバイスを仰いでいます。
今日のコメンテイターはスポーツ学部教授の木寺英史氏。

p.128 腕を前後に大きく振りながら、大股で歩く。うしろの足の
   つま先で地面を強く蹴って、身体を前に進めるーーー
   ダイエットに効く、健康になるための歩き方などといわれ
   ますが、あんな歩き方をしていると、かえって健康を害します。

   特に高齢者には身体に負荷がかかりすぎるため、腰痛や膝痛、
   外反母趾などの原因になってしまいます。

p.129 (中略)歩くことの本来の目的は移動ですから、
   なるべく身体に負担のかからない歩き方をするべき、
   高齢者にはその体力に合った歩き方があるはずで、
   それを実践することが健康寿命を延ばすことにつながる。

p.130 「二軸動作」という考え方。
   左の肩甲骨と左の股関節、右の肩甲骨と右の股関節を結ぶ
   2本の軸を意識すれば、いろいろな動作が合理的にできる

   なぜかというと、左右の足の間隔(歩幅)をあけて二軸で歩くと
   中心軸の感覚を持って歩くときよりも、骨盤の水平回転
   (ローリング)が小さくなって、身体への負担が減るから

つまり、私たちが歩くときは、無意識のうちに一直線上を歩いていて、
左右の股関節は離れているにもかかわらず、踏み出した左右の足は
ほぼ一直線上に着地するそうです。
   理由は中心軸の感覚を持っているから。
骨盤のローリングを、バランスをとるための補助動作として
足と反対側の手が出る。これが身体には負担だそうです。

p.132 ローリングが大きいと女らしい歩き方になる

これは一見、良いことのように聞こえますが、
実は「体への負担が大きいから、筋トレに通じ、疲労も大きくなる」
ということのようです。

木寺氏は
「疲れて、大汗をかくほど筋トレしながら歩いてカロリーを消費するよりは、
ウォーキングは移動手段として割り切って省エネで歩くこと。
各種動作をきちんと出来るようにするには、別途筋トレをすること。」
を勧めているのです。

わかった! じゃあ私も二軸歩行にするか?・・・・・というと、
いえいえ、そんな簡単には割り切れません。
私の理想の歩き方は、壇中から歩く(=小股でスピーディー)方法で、
足は胸より前に出ず、着地した足の膝は曲がりません。そして
踵が一本の線の上に乗ります。でもこれは街中を歩く場合だけ。

山の登り下りは重心移動で膝が曲がります。 
もし、ファッションモデルとしてランウエイを歩くなら、
洋服を綺麗に魅せるために、ゆっくりと腰をローリングさせる? 
つまり、時と場合により、歩き方を変える!ということで
身体を守っています。
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人生100年、自分の足で歩く   3  正しい歩き方

2022-12-03 05:59:37 | 健康法


理学療法士・田中尚喜氏によると、
p.80 日本人はもちろん、世界中のほとんどの人は、
   きちんと歩けていないとおもう。
   日本人の9割は、間違った歩行をしています。

あ~らら、こらら?!
p.81 ヒマラヤ山脈やペルーのマチュピチュなど山岳地帯に
   住んでいる人たちを除けば、あとの人は基本的におかしい。

具体的にどこがおかしい?
   まず大股で歩いている。そこが根本的におかしいんですよ。
   歩幅を広くすると、足が地面に接地しているとき(立脚期)に
   膝を伸ばしきることができません。
   そのため膝が曲がってしまうのです。

つまり、田中氏は「小股で歩くのが正しい」と。
はて? どこそこのエアラインの大股歩きがテレビで紹介されたのは
数年前かもしれないけれど、今だってインタバル・ウォーキングなどで
大股は推奨されているはず・・・・・

p.82 ヒマラヤやマチュピチュの人たちが小股でちゃんと歩けているのは
   山岳地帯で、歩く以外に移動手段がないからでしょう。

お~、思い出します。確かにあのヒマラヤ街道はデコボコ道だし、
登ったり下ったり、疲れるからゆっくり小股でしか移動は不可能。
「歩行」を「移動手段」と捉えれば、
「疲れないで、遠距離を移動する」には、疲れない歩き方が必須らしいです。

じゃあ、東京に住むフツーの人たち(足で移動する必要が少ない)は?
田中氏の指摘によると、
p.84 鴨長明の「方丈記」に薦められているとおり、
   人間の必須の活動として「食事」「睡眠」「歩行」があがっている

が、「歩行」を「運動」と勘違いして、
p.85 「正しい歩行」もおぼつかないのに、それを飛び越して
   「運動」をするのは問題があるのです。

で、田中氏の理論として
p.86 筋肉の分類方法のひとつに、筋繊維の収縮の違いに着目して、  
   瞬発力のある「速筋」と、持久力のある「遅筋」に分ける、
   という考え方があります。

p.87 「速筋」は身体の表面に多く存在します。すばやく収縮する
   ことができますが、疲れやすく、筋肉痛の原因にもなりやすい


   一方、「遅筋」は身体の奥に多い。収縮はゆっくりですが、
   疲れにくい”省エネタイプ”の筋肉です。

   「立つ」「歩く」「坐る」といった日常の動作に必要なのは、
   「遅筋」を中心とする筋肉です。つまり中高年の場合、
   「速筋」ではなく、
   身体の奥にある「遅筋」を主に鍛えたほうがいい。
   それが、死ぬまで自分の足で歩き、健康寿命を延ばすことに
   つながります。

   ところが大股歩きでは、ハムストリングスなど「速筋」を
   中心とした筋肉が使われる。「速筋」は疲れやすく、
   肉離れを起こしやすい
。わざわざ大股歩きをして
   「速筋」を使うメリットはないのです。

なぁ~るほど。これは私にとっては、新しい考え方です。
p98からは<歩行に必要な筋肉のトレーニング>が色々紹介されています。
それらは大殿筋、大内転筋、ヒラメ筋、ハムストリングス、中殿筋などの
定番の筋肉トレーニングが多いのですが、私のお気に入りは、

p.114~ 効果抜群の「うしろ歩き」
イラストや説明を見てさえ、なかなか難しい歩き方ですが、
バレエやダンスの「引き上げ」を意識することができれば、
簡単なのかも? 少なくとも私にとっては、
「おぉ、バレエのあれね!」などとイメージしやすいのでラッキー!
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人生100年、自分の足で歩く   2  ロコモ対策

2022-12-02 05:44:17 | 操体法


私の生徒さんで、股関節の痛みに悩んでいる方があるので、
現在は<変形性股関節症>や治療の助けになる運動療法などの本を
せっせと読み漁っています。

原因と治療法を考えるとき、その症状の定義を知ることが重要です。
で、著者のアプローチはまず、ロコモ予防に関する基礎知識です。

p.23 ①要介護や寝たきりを防ぐにはロコモ対策が重要

  ②注目すべき運動器は
    a.筋肉:20~30代が量的ピーク
       上半身の筋肉は落ちにくいが下半身は先に落ちていく
       新陳代謝によって3週間くらいで入れ替わるため、
       高齢になっても鍛えればついてくる。が使わないとすぐ衰える

    b.骨:新陳代謝があり、「壊しては、つくる」というリモデリングを
       繰り返していて、つねに生まれ変わっている。
       (中略)骨形成を促し、骨の強度を維持するためには、
       運動などで骨に適度な刺激を与えることが大切。

    c.関節の軟骨:入れ替わりがない。
       成長期に形成されたみずみずしい軟骨は、年月とともに
       少しずつ削られて、40代になるとすり減ってくる。
       軟骨は一度すり減ると修復はせず、すり減ったまま。
       これが変形性股関節症の原因

    d.椎間板:脊椎の骨と骨のあいだにある。だんだんとみずみずしさが
       失われ、つぶれて、はみ出して・・・・・という経過をたどる

p.26 軟骨も椎間板も、その変性のプロセスは人によって違い、
   70歳になってもまったく傷んでいない人もいれば、
   40歳で傷んでいる人もいる。個人差が大きい

その理由は、よくわかっていないそうです。
若い時のケガと肥満が影響していることは明らかだが、
まだ解明されていないことが多いそうです。

なので、著者のアプローチは、各自のロコモ度を自分でチェックし、
数値が悪ければ、自分で運動することを勧めています。
そのチェック法は、
p.47 ①立ち上がりテスト:40㎝の座面から片足で立ち上がれるか?

p.49 ②2ステップテスト:大股で2歩進んだ距離を身長で割った値が
            1.3未満だと脚力が弱っている。    
             
なので、著者は適度な筋トレと正しいウォーキングを勧めています。
ところが、私が並行して読み進んでいる本によると、
既に股関節がすり減っていて、痛みが強いときは筋トレは厳禁だそう。
この辺がややこしいです。何でも鵜吞みにしてはいけませんね。
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人生100年、自分の足で歩く   かじやますみこ・著  2018/8

2022-12-01 05:37:43 | 健康法


「歩き方」について興味深い解説がある本です。
著者は執筆当時アラフィフの女性。交通事故で大腿骨頸部を骨折し、
股関節全置換手術を受けた経験から<歩き方・坐り方・眠り方>
について勉強し(医師に相談し)、その結果を解説しています。

p.242 傍目にはすっかり回復し、問題なく生活しているように
   見えても、実際のところは違います。
   走れない、重い物を持って歩けないのは言わずもがな、
   靴を履くのに手間取る、足の爪が上手に切れないなど、
   もどかしいことばかり

手術を考えている方々にはショッキングな情報です。
痛くて歩けないのも困るし、手術したのに元の生活ができないのも困る!
じゃあ、どうしたらイイのよ?!と叫びたくなりますね。

私なら、こういった先達の忠告に耳を傾け、
「直感的にイイなと思った実技(運動)」やってみて、3カ月くらい様子を
みます。情報に振り回されることは良くないですが、選別して学ぶ能力が
重要です。そういう意味で、この本は面白いです。
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