今日のコメンテイターは光野有次氏。
Seating engineerで工業デザイナーだそうです。
p.155 椅子に坐っていると、立っているときよりもラクに感じます
が、首や腰への負荷は、実は坐っているときの方が大きい。
坐ることは、それほど体力がいるのです。
(中略)まっすぐ立っているときに比べて、背筋を伸ばして
椅子に坐っているだけで腰椎にかかる負担は1.4倍、
パソコンを操作するなど、腰を前方に20度傾けて坐った状態
では2倍近くになるんです。
加齢は運動不足などで体幹の筋力が衰えると、
首や腰にかかる負担はさらに大きくなってしまいます。
で、光野氏は「椅子で骨盤を立てる」方法を開発しているそうです。
自力整体には「輪っかタオル」という強力な武器があるので、
教えてあげたいし、全国民に広めたいですが、なかなか広がりません。
広がらない理由は、私が考えるに、
①220円といえども、百均の手ぬぐい2枚とかスカーフを買ってくる手間
②それをわっかにする手間、自分の体型に合わせるアジャスターの手間
③効果的に使いこなす身体の感度が必要
自力整体の難しさは、この辺にあると思います。フツーの人たちは、
「輪っかタオル? いいの?」
(つけてみて)「全然、何も感じな~い。どうすればイイの?」
つまり、手取り足取り、ちゃんと背中のウエスト側にタオルを沿わせ、
骨盤が立つように、自分の足のスネに巻き付ける方法を教えてあげないと、
使いこなせない人が多いのです。(←私の経験上ですが)
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光野氏の椅子の定義は、
p.159 椅子とは:坐ることの苦手な人間を坐りやすくする道具
バックレストがついたもの(英語でいうチェアのこと)
バックレストを使うことで骨盤を立位のときの状態に近づけて
背中がS字カーブになるように支える。
骨盤の後傾を防ぐための道具が椅子なのです。
ちなみに、英語ではバックレストのないものはスツール
(腰かけ)と呼んで、明確に区別をしています。
長時間坐るときはチェア、ちょっと腰を下ろすときは
スツールといった具合に使い分けをする