北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

ジャイカ研修と元気創造

2012-11-22 23:45:00 | Weblog
 今年も今日から2週間にわたり、ジャイカ(JICA)研修事業として外国からのゲストをお迎えすることとなった。

 釧路は例年、環境関連事業の研修対象地として発展途上国から研修員を受け入れているが、今年の参加者は西アフリカ諸国から男女合わせて14人だ。

 一人だけがポルトガル語を母国語としているが後はフランス語圏内からの来訪で、通訳者もフランス語の方が同行している。

 こうしたことの受け入れは、市役所が中心となった海外研修事業受け入れ実行委員会という組織を別に作り、そこが職員人件費を含むジャイカからの委託費を受け入れて独立した予算執行を行っている。

 委託費は年々歳々減らされていて、赤字にしない程度に運営するのに苦労するようになったという。

 外国からの研修員に対してはジャイカから研修旅費が出るのだが、飛行機の旅費などを差し引いた現地滞在費は初日に全額渡されて、それで必要なものの購入や食事をしなさいということだそうだ。

 釧路市内の2週間は同じホテルに泊まるのだが、ホテルとの契約は夕食が付かない形だそうで、研修が終わった後に飲食店に繰り出すほどの余裕はなく、ほぼ皆夕食はコンビニで買って済ませるのだそうだ。

 決して遊びに来ているわけではないとはいえ、なんだか可哀相な気もする。


  ◆   


 私は立場上、この海外研修事業受け入れ実行委員会の会長を仰せつかっているので、まずは初日のオリエンテーションの場で挨拶をさせてもらった。

「釧路は毎年、ゴミ問題や自然環境保全、環境教育などを柱に環境保全研修を受け入れています。研修の中ではゴミ焼却場や下水処理場などの施設を見学したり、法律などの決まり事について学ぶかも知れませんが、大切なことは環境を守ろうとする市民や国民が育つことなので、学校での環境教育などもしっかりと学んでいってください」

「季節は冬になり、地元の私たちですら寒い時期になりましたので、慣れない外国での滞在で健康に留意されて実りある研修となり、帰国後の皆さんのお国が繁栄することをお祈りします」


  ◆   


 当地での寒さの度合いなど理解出来ないだろうから、過度に厚着をしてきたり、部屋の中は半袖の薄いシャツを着ていたりバラバラだ。

 世話をする担当職員は、このさき100円ショップなどへ行って滞在中必要なものを買う手伝いをしたりもするという。

 湿原の中をハイヒールで歩こうとする人も過去にはいたというから、異文化を体験するというのはなかなか大変だ。

 時間があればオリエンテーションの時間での一人ひとりの自己紹介を聞いていたかったのだが、「アフリカの方達は自己主張が強いので、最初は聞いて途中退席をしたりすると、『なぜ自分の所から聞かなかったのだ』と不満に思われても行けません」といわれて、挨拶だけで退席した。

 この後、研修事業や交流事業で一緒になることもあるので、できれば最初に会った時にお互いの心を通わせておくと、交流事業などがスムースになるのだが、次の予定があったので残念だった。

 いずれにしても、実りある研修になることを心からお祈りしたい。


  ◆   ◆   ◆


 さて、ジャイカ研修の次の用事とは、『元気創造枠の職員プレゼンテーション』だった。

 通常予算に乗らないがやってみたい事業を職員が企画して市長以下判定委員の部長達の前でプレゼンテーションを行い、質疑応答をするのである。


 【きっと緊張しているのでしょうね】


 昨年に続いて今年が二回目となるこのプレゼン、昨年にも増してプレゼンの能力は上がっていて、提案された本数も25本と昨年からは大いに増えた。

 若々しい発想の事業がある一方で、単に現地調査の出張がメインだったり、予算枠の要求だったりするようなものもあり、判定会議では大いに意見が戦わされた。

 市長を目の前にしてのプレゼント言うことだが、パワーポイントの作り方も上手になり、発表の態度も堂々としている職員が多かった。

 こうした事への参加を大いに評価したいし、採用された事業については変わり映えしない日常をブレイクスルーするような形で展開して欲しいものだ。

 若いということは可能性のエネルギーだ。うらやましいね。   
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