駒子の備忘録

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ユーミンソング・ミュージカル『ガールフレンズ』

2010年02月12日 | 観劇記/タイトルか行
 銀河劇場、2008年1月31日ソワレ。

 真理子(この日は鈴木蘭々、Wキャストは堀内敬子)と裕子(池田有希子、Wキャストは島谷ひとみ)は、高校時代からの親友同士。真理子は、一足先に結婚していく裕子に、結婚式の前夜、祝福の電話をするうち、十数年前の自分たちの学生時代を思い出す。内向的で奥手だった真理子は、陽気なサーファーの文男(中村昌也)に想いを寄せ、活動的で恋の手練手管にも長けた裕子はスキー場で出会った徹(加治将樹)に一目惚れした…作曲・作詞/松任谷由美、作・演出/馬場康夫。2006年12月初演の再演版。

 ユーミンの曲は荒井由美時代のものとか、ものすごく流行ったものしか知らないので(アルバムを買ったことがない)、知らないとつまらないかと敬遠していたのですが、知人が誘ってくれたので行ってきました。でも、おもしろかったです。
 台詞はなく、全編が真理子と裕子がほぼ交互に歌うユーミンの歌のみでつづられ、他のキャストはアンサンブルの女性4人のみ。バンド5人もすべて女性の舞台。
 初演時は男性役も女性が演じていたそうですが、これは改善されて今回の方が良かったのではないでしょうか。ただし中村昌也は背が高すぎて浮いていましたけれどね…

 台詞がなくても充分わかるというか、類推できる、つまりは単純にストーリーなのですが、この境遇そのものは経験したことのある観客はそうは多くないでしょうけれど、恋の過程のいろいろの感情のどれかひとつは経験したことがあるはずで、そういうのにいちいちきゅんきゅんするはずです。
 つまりそれくらい、ユーミンの歌詞はすごい。あのディテールの描き方はやはり半端ではなく、だからこそ中途半端な台詞なんか必要なくなるということなのです。
 逆に楽曲としては非常に難しいものが多いのではないかという印象でした。キャストはふたりとも、あえてうまく歌おうとはしていず、むしろ感情を乗せることを優先しているようでしたが、それでいいというか、そういうふうにしか勝負できない曲なんだと思います。でも、楽しく聴けました。

 鈴木蘭々はいい舞台女優さんになってきていて、メガネ姿もきれいに変身してからも素敵でした。池田有希子もさすがの芸達者ぶりでしたが、若々しさには欠けたかな?
 もはやレトロと言っていい当時のファッションは、下の世代の私なんかからするとご愛嬌ですが、もっと若い世代の観客にはどうなんだろう…とちょっといらぬ心配をしてしまいましたが、まあいいか。

 ABBAの楽曲で組んだ『マンマ・ミーア!』と同じスタイルですが、これは日本がちょっと誇っていいステージだな、と思いました。
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