駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

薬丸岳『友罪』(集英社文庫)

2018年04月25日 | 乱読記/書名や・ら・わ行
 埼玉の小さな町工場に就職した益田は、同日に入社した鈴木と出会う。無口で陰のある鈴木だったが、同い歳のふたりは次第に打ち解けていく。しかしあるとき益田は、鈴木が十四年前に連続児童殺傷で日本中を震え上がらせた「黒蛇神事件」の犯人ではないかと疑惑を抱くようになり…

 映画になるそうですが、おそらく映画の方がいい出来になるのではないかと思います。生身の役者が苦悩の表情とかを映像で見せれば保つ話だと思う。
 小説としては、すごく浅いなと思いました。頭の中で設定として思いついただけの話で、それ以上のことが描けていない印象なのです。「あなたはその過去を知っても友達でいられますか?」みたいなキャッチが帯についていますが、その問題について、真実とか葛藤とかのドラマが描けているようには私には思えませんでした。この設定はこんな簡単な話では終わらない気がするのです。そこがちょっと期待外れだったのでした。

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