駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

柳広司『ロマンス』(文藝春秋)

2011年09月07日 | 乱読記/書名や・ら・わ行
 ロシア人の血を引く子爵・麻倉清彬は、殺人容疑をかけられた親友・多岐川嘉人に上野のカフェーに呼び出される。それがすべての事件の始まりだった。華族社会で起きた殺人事件と共産主義活動家の摘発、そして禁断の恋…
 『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞をダブル受賞した著者が贈る極上の謎。

 …というおもしろそうな帯に惹かれて読んだのですが…
 受賞作も未読なので初めての作家さんでしたが…
 …おもしろくなかった…

 こんなにお膳立てができている設定なのに…
 そしてベタベタの話なのに…
 なのにこんなにおもしろくないなんて…

 まず、いつまでたっても話が始まらない感じなのがまずい。
 というか、出来事は起きているのだけれど、これは話の主軸じゃないんだろうな、と思わせられる。
 で、本筋は何?とか思いながら読み進めているうちに気がつくと本の半分来ているので、アレレ?となる。

 それから、基本的に主人公が何もしていないのがまずいと思う。
 巻き込まれ方の主人公というものもいるし、それで全然話は成立するものですが、この話において主軸の「ロマンス」は主人公とまったくなんの関係もないところに成立してしまっている。
 そんなのおもしろいわけないじゃん…
 
 そして、その「ロマンス」も…尻すぼみというか何も生んでいないというか、だよね…
 そして世の中は何も変わらずに進んでいくんですか。
 主人公の人生も。
 なんなの? そのどこに感動したり心揺さぶられたりしたりしたらいいの?
 全然わからない…傍観者の気持ち、というよりただただ呆然…

 残念な読書でした。
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