駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

ケルスティン・ギア『紅玉は終わりにして始まり』(東京創元社)

2013年12月05日 | 乱読記/書名や・ら・わ行
 あたしが「めまい」に襲われたのは月曜日のお昼、学校のカフェテリア。それがすべての始まりだった。そもそもタイムトラベラーとして期待され、準備万端整えていたのは従姉妹のシャーロットだったのだ。ところが実際に過去に飛んじゃったのは、なんの準備もしていないあたし。相棒になったギデオンは気絶しそうなほど素敵なんだけど、あたしのことなんか馬鹿にしている。あたしだって好きでタイムとラベルしてるんじゃないのに…ドイツで100万部を突破したタイムトラベル・ファンタジー『時間旅行者の系譜』三部作。

 ヒロインの一人称で話が進む、ヤングアダルト小説というかベタベタなライトノベルなのですが、楽しく読みました。
 でもとても若書きな気がしました。アメリカとかでよくある、本当にティーンエイジャーが書いたような作品ならともかく、この作者にはなかなかキャリアがあるようなのに…
 せっかくの設定やキャラクターを生かしきれてもったいないところが多いし、謎解き・種明かしが始まる後半になればなるほど筆が急いでしまっていて、肝心の場面を書かずに場面転換してしまったりしてフラストレーションがたまりました。もっと発展、回収してもらいたい部分は多いし、ねちねち読みたい部分も多いのに!
 もったいない!!
 でもこの手の海外文芸ってやっぱり楽しいな、と久々に思いました。


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