駒子の備忘録

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柚木麻子『本屋さんのダイアナ』(新潮社)

2014年06月11日 | 乱読記/書名や・ら・わ行
 「大穴(ダイアナ)」という名前、金色に染められた髪、行方知れずの父親。自分のすべてを否定していた孤独なダイアナに、本の世界と彩子だけが光を与えてくれた。正反対のふたりは一瞬で親友になった…試練を越えて大人になるふたりの少女の15年間を紡ぐダブルヒロイン小説。

 ぶっちゃけ朝ドラの便乗本かなとも思ったのですが、好きな著者の本なので買ってみました。
 毎朝、長風呂しながら読み進めましたが、まあ泣く泣く。
 ダイアナとアンにあたる彩子の物語かと思いきや、ダイアナの方がアンのようで彩子の方がダイアナのようでもあり、そのうちふたりともむしろアンの「腹心の友」ダイアナでもあるようにも見え、そして要するにすべての少女の物語なのだ、とわかるような物語でした。すべての元・少女のために書かれた本でもありました。
 レイプとか万引きとか、「少女小説」なら扱うのに躊躇するようなモチーフも出てきますが、そういうことからも目をそらさないのがこの作品を大人の少女小説たらしめているのかもしれません。それにしては装丁の方向性が損をしている感じもするけれど…
 恋や仕事に悩みながら、女友達と本とお酒に支えてもらっているような元・少女には、一読をオススメしたい一冊でした。
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4 コメント

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Unknown (mayumi)
2014-06-12 22:16:03
アラヤダぴったり、今度貸してくださいな。
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駒子より (mayumiさんへ)
2014-06-17 14:26:43
「娘の母」としても感じるところがあるかもしれません。
感想聞かせてくださいね~!
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今2読目 (mayumi)
2014-06-19 12:58:42
感想をうまく文字にできない側の人間なのでここで感想を書くのは難しい。今度あちらの話は程々に(笑)じっくり近所で飲みながら語り合いたいな、と。とりあえず、ダイアナと貴子にシンクロしすぎて辛かったです。
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刺さりましたか(^^;)。 (mayumiさんへ)
2014-06-19 14:07:29
明日金曜と明後日土曜は暇なんだけど
あとは来月かなあ。
今度じっくり呑みましょう語りましょう、
あちらの話は棚上げで!

●駒子●
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