駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

『Now.Here.This』

2020年12月01日 | 観劇記/タイトルな行
 博品館劇場、2020年11月30日18時半。

 ハンター(浜中文一)、ジェフ(この日は木内健人)、スーザン(この日は愛加あゆ)、ハイジ(この日は彩乃かなみ)は、自然史博物館へやってきた。ハンターははしゃぎまくり、真面目なジェフがたしなめ、ケータイで仕事の電話をしまくるスーザンに、みんなのチケットを買ってくれるハイジと、まるでタイプの違う男女4人はすったもんだしつつ博物館のツアーをスタート。彼らのガイドはふたりの案内役(この日は壮一帆と鈴木壮麻)で、さまざまな意味で4人を誘導するが…
 脚本/ハンター・ベル、スーザン・ブラックウェル、作詞・作曲/ジェフ・ボーウェン、構成・訳詞・演出/西田直木、翻訳・訳詞/吉田英美、音楽監督/岩崎廉、振付/吉田潔。2012年オフ・ブロードウェイ初演の舞台の日本初演。全1幕。

 8年ぶりの博品館劇場観劇でした。あいかわらずレトロな客席…紀伊國屋ホールに近いかな? そして残念な入りでしたね、男優陣はジャニーズなのに…
 そして初日を観た宝塚ファンの感想ツイートからなんとなく心の準備はしていましたが、まあ確かにオフ・ブロードウェイっぽいというか…前衛的というかスピリチュアルというか…
 要するにガイドが博物館を案内して宇宙とか地球とか生き物の歴史を語るのに合わせて、ハンターたちも自らの人生の来し方行く末に想いはせ、無理してきたことや嘘を吐いてきたこと、目を背けてきたことや目をつぶってきたことに向き合うようになり、「今、ここで、目の前のこれ」を大事に生きていこうとするようになる…というようなことなんだと思います。
 でも、集まった4人が全然名前を呼び合わないので誰が誰やらだし、キャラがバラバラすぎてそもそも友達に見えないんだけどなんの友達なのかも説明がないし、そんなんでわざわざ博物館になんか来るか?と思うんだけどその説明も特にないし、そしてみんなまあまあエキセントリックで急に自分語りされても心理的についていきづらく、私はちょっとノレませんでした。音楽が、いろいろおもしろいものなんだろうけれどあまり好みじゃなかったこと、みんな歌はめっちゃ上手いんだけど歌詞が聴き取りづらく意味が取りづらかったというのもつらかったです。客席が静かなのは役者にも伝わっちゃったんじゃないかなー…いいことやっているつもりでも、空回り感ハンパないと思いました。
 キャラクターがみんな実はコンプレックスや過去のトラウマみたいなものを抱えていて、それが次々に語られて、現代アメリカの闇をあぶり出す…みたいなことなんでしょうけれど、そしてそれは我々日本人にもわかる部分も多いところではあるんですけれど、でもどうにも上滑りして感じられました。
 でも役者の歌唱力は素晴らしかったです。みんなグランド・ミュージカルに出られるよ! それこそ『レ・ミゼ』がやれるよ!? ってなもんでした。ミホコはキュートで、あゆっちもめっちゃほっそりして脚が長ーいパンツ姿も凜々しく、いろいろお着替えするえりたんも芝居心たっぷりで楽しかったです。
 人によってはむしろものっすごくツボってハマって感動した、ってこともあるのかな。でも私はダメでした。ああ、もったいなかったわ…




コメント
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