映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

よこがお(2018年)

2019-08-13 | 【よ】

作品情報⇒https://movie.walkerplus.com/mv67247/

 

以下、上記リンクよりあらすじのコピペです。

=====ここから。

 初めて訪れた美容院でリサ(筒井真理子)は、和道(池松壮亮)という美容師を指名する。数日後、和道の自宅付近で待ち伏せ、偶然会ったふりをして、近所だからと連絡先を交換するリサ。和道を見送った彼女が戻ったのは、窓から向かいの彼の部屋が見える安アパートの一室だった……。

 リサの本当の名前は市子。半年前までは、その献身的な仕事ぶりで周囲から厚く信頼されていた訪問看護師であった。訪問先の大石家の長女・基子(市川実日子)には、介護福祉士になるための勉強まで見てやっていた。だが、基子は市子に対して憧れ以上の感情を抱いていた……。

 そんなある日、基子の妹・サキ(小川未祐)が行方不明になる。まもなく無事保護されるが、逮捕された犯人は意外な人物だった。事件との関与を疑われた市子は、ねじ曲げられた真実と予期せぬ裏切りにより、築き上げた生活の全てを失ってしまう。

 自らの運命に復讐するように、市子は“リサ”へと姿を変え、和道に近づいたのだった。やがて、和道はリサの不思議な魅力に惹かれていくが……。

=====ここまで。

 注目の深田晃司監督作。

 

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  チラシを見たときから、見たいなぁ、、、と思っていた本作。なんと今月末で終映だとか。前評判高かった割に、短くない? あんまり興行的にはよろしくなかったのかしらん?

 面白かったんだけど、いろいろ思うところもあり、、、。(ネタバレバレしております)

 

◆序盤から不穏そのものなんだけど、、、

 中盤までは不気味さ全開で、スゴい引力。こりゃぁ面白い! と思っていたんだけど、市子がどんどん追い詰められて行くに従い、展開が凡庸に、、、がーん。想像どおりに展開していくストーリーはやっぱりちょっとつまんない。少しずつ裏切られたいのよね、見ている方としては。

 ……というか、前半も、例えば喫茶店で市子と基子、サキの3人がいるところへ市子の甥っ子・鈴木辰男がやって来たときに、“むむ、、、この甥っ子はもしやヤバいのでは??”と予感させるものはある。それくらい、辰男くんは、なんか雰囲気がおかしい。そして、案の定、リサを連れ去り換金、じゃなくて監禁していたという、、、。

 んで、甥っ子が犯した罪の累が市子に及ぶわけだが、その及び方が、どうにもこうにもイヤらしい。何か、逃れようのない蜘蛛の糸に絡め取られた蝶のよう。実際、最初は、職場の人たちも、婚約者の戸塚も、“それとこれとは別”という認識で、市子に接していた。しかし、基子が話を“盛って”メディアに話したことで、一気に市子は周囲からも見放されるという事態に。自分の管轄外で勝手に事態が悪化して自分の居場所を侵食してくるという、市子としてはもう手も足も出ない状態。あとは、蜘蛛の餌食になるのを待つしかない、、、。

 と、この辺までは良かったのに、市子が復讐に出てからは、非常にありがちな、2時間ドラマみたいな話になってしまって、うぅむ、、、という感じだった。

 キャッチコピーにも「ある女のささやかな復讐」とあったが、ささやかというよりは、みみっちぃという感じ。しかも、結果的に復讐にすらなっていなかったし。結果が不発だったとしても、毒のある復讐なら良いのだけど、基子の彼氏・和道を寝取るという、あまりにもありきたりでみみっちい内容が、ちょっと、、、。

 でも、そういうところも市子という女性の人間性を表わしているのだろうな、とも思った。彼女は、根っからの善人なんだよね。だから、復讐と言っても、彼氏を寝取ることくらいしか思い付かない。まぁ、そういう私も、自分が市子だったらどんな復讐を思い付くかと想像してみたんだけど、これが全く思い付かない、、、ハハハ。

 ちなみに、私が毒のある復讐を思い付かないのは、私が善人だからではなく、復讐すること自体に意味がないという思考回路だからです。強いて基子への復讐とするのなら、戸塚とは別れないで結婚して、目一杯、基子に幸せを見せつけてやることかなぁ。

 

◆市子の復讐は果たされていたのかも。

 しかし、見終わった直後はそのように考えていたのだけど、丸一日以上経って、考えがちょっと変わった。

 上記のあらすじにも「基子は市子に憧れ以上の感情を抱いていた」とあるが、あるシーンからは、それが恋愛感情だと臭わせるものがある。私自身その描写に、ちょっと「ん??」となったのだが、スルーしていた。でも、よくよく考えると、そうなのだ。基子は市子を恋愛対象として好きだったのだ。だから、彼女が戸塚と結婚すると聞いて、逆上したわけよね。

 とすると、市子は、基子の彼氏と寝たことで、やっぱり復讐は果たせているのでは。もちろん、市子の考えていた構図とはゼンゼン異なるけれども。彼氏が市子と浮気したことではなく、市子自身が基子の彼氏と寝ることが、基子へのダメージになるのだ。

 もちろん、その前に、基子は市子に謝罪をしようとして激しく拒絶されている。この時点で、基子はダメージを受けてはいるだろうが、ある意味、想定内の出来事だろう、これは。でも、市子が和道と寝ることは、基子にとってかなり想定外だと思う。基子は、相当衝撃を受けたとも考えられないですかねぇ?

 実際、基子はラスト近くで市子の目の前に現れたとき、あんまり幸せそうじゃない。市子と同じヘルパーの仕事に就いたようだけれど、その表情はどこか虚ろで、生気がない。憧れの職に就いたのなら、もっと生き生きしていても良いのでは?

 そして、このとき、市子は車に乗っていて運転席にいた。信号待ちをしている目の前で、基子が横断歩道上で拾いものをしていて、思わず市子はアクセルに脚を掛けるものの、思いとどまり、クラクションを激しく鳴らす。……で、この場面、私が監督だったら、市子に基子を撥ねさせるかなぁ、と考えた。そして、基子は市子の介助なしでは生きられない状態になる、、、とかね。でも、それだと映画のジャンルが違ってきちゃうかな。

 まあ、それはともかく。……とにかく、市子の復讐は、図らずも果たせていたのでは? という結論に至った次第。監督の意図は那辺にアリや。

 

◆人を不幸にする女

 あと、もう一つ思ったことは、これ、主人公を基子にした方が良かったんじゃないか? ということ。……まあ、そうすると、筒井真理子さんは主役ではなくなるけれども。

 だって、市子は、あまりにもフツーの女性で、それ故、中盤以降が尻すぼみになったと思うのよ。でも、基子ってのは、ある意味、本当に怖ろしい人間だから、こっちを主役にした方が、スリリングな展開にできたんじゃないかな~、と。シレッと人を不幸のどん底に陥れちゃう人。そして、その後もシャーシャーと生きている。あの『ダメージ』でビノシュが演じていた女みたいな。まあ、あれもジェレミー・アイアンズ演ずる被害者が主役だった。

 そうすると、市子の復讐は、やっぱり復讐にならない、、、って結果になるけど、それはそれで、基子の物語にしちゃえば面白いとも思う。

 

◆その他もろもろ

 筒井真理子さまは、『淵に立つ』と同様に、巻き込まれ女を実に巧みに演じておられました。本作を見る前に、一応予習として『淵に立つ』を見たのだけど、個人的には『淵に立つ』の方が好き。あの終始貫かれた不穏さは、何と言っても筒井さんに負うところ大だもの。話の展開も、本作より不気味で怖ろしかった。

 市川実日子は、相変わらず上手い役者さんだ。若い頃は、可愛くて謎めいた感じだったけど、今は、基子みたいに不健康そうなオタク女子が似合う。ちょっと病んでる感じを出すのが実にお上手。

 メディアの描き方とかは、ちょっと類型的かな、、、とも感じたが、実際はもっとエゲツナイだろうし、監督の言いたいことは何となく分かる。

 基子の彼氏、和道を演じた池松壮亮は、ホントに声がイイ。声がイイ男は、イイ男の大事な要素。この和道、リサと名乗った市子と寝た後、市子に「これは全部復習のためのウソ」と打ち明けられた後で、リサのことを「市子さん」と呼んでいた。……え? となったんだが、それって彼は最初からリサと市子が同一人物と認識していたということだろうか? この辺りも、もう一度見るときによく見てみたい。

 吹越満は、めずらしくマッドじゃない人間味あるドクター役ってのは、なんか違和感あった。今、NHKでオンエアしているドラマ「これは経費で落ちません」でもコミカルな演技を見せていて、やっぱり彼も上手な役者さんなんだと改めて認識いたしました。

 

 

 

 

『淵に立つ』同様、本作でも入水シーンがあります。

 

 

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3 コメント

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お疲れ顔 (松たけ子)
2019-08-14 00:24:20
すねこすりさん、残暑御見舞申し上げます♫
おお!ご覧になったのですね!淵に立つほどは好評、ヒットではないのでしょうか。でも私も観に行きますョ!
火サスっぽい内容みたいですね。筒井真理子がてっきり魔性の熟女役なのかと思ってました。池松くんとの濡れ場も大したことないのかしらん?私も池松くんの声好き〜♡色っぽい倦怠感がとても20代とは思えません。私も一度いいから、いい男を寝とってみたいです😊
暑さが続きますが、お互い無事乗り切って素敵な映画の秋を迎えましょう🎶
私も観ましたよー (フキン)
2019-08-14 15:55:13
すねこすりさん、残暑お見舞いざんしょ♬

「よこがお」なんか、いろいろ盛り込みすぎた感じもしましたね。
「淵に立つ」のほうが私も好きですし、秀逸だと思いました。

筒井真理子さまはよかったですね。
でも、市川実日子もよかった!!
壮亮くんっはもちのろん♬

それにしても、和道がラスト近いシーンでリサを市子と呼んでたのですね。
気づきませんでした!!!

吹越さんは、私も昔から好きなタイプでなんであんな変な女とくっついたり離れたりしてるのか・・・男女ってやっぱりわからないもんですね。

「これは経費で落ちません」私見てないんですが面白いですか??

関西は今日は先ほどから雷も鳴って、雨も降りそうな変なお天気です。
Unknown (すねこすり)
2019-08-14 21:19:46
たけ子さん、こんばんは〜!
台風直撃しそうですが、備えは万全でいらっしゃいますか?
雨台風らしいので、大事にならないことを願っております。
見ました! ようやく(^^;
淵に立つが良かったので期待値を上げてしまったのか、後半の2時間ドラマっぽさが残念〜、、、。でも、面白かったですけど。
やっぱ、せっかく筒井真理子さんなんだから、知的で冷酷な悪女を演じて欲しかったなぁ、とか。
濡れ場は、まぁ、大したことないというより、ゼンゼン……て感じでした、私には(^^)
池松氏、あれで20代かー。童顔だけど、確かにあの倦怠感はただもんじゃないですね。
たけ子さんのレビューも楽しみにしてます♪


フキンさん、こんばんは!
ホント、この残暑、いつまで続くんざんしょ。こちらは台風の影響か、土砂降りになったり、晴れたり、コロコロ変わる天気です。ものすごい湿気だし~_~;
淵に立つ、やはり逸品ですよね。
確か、「市子さん」って言ってたと思います。あれ?と思って…。池松くんの声がセクスィーでした。
吹越氏、彼の方が執着してるみたいに見えていたけど、今はどーなんですかね? 「これは経費〜」は、まあまあ面白いです。なんかヒロインの色恋とかこれから絡んでくるみたいで、そしたらつまんなくなりそうな予感が…。
そちらも台風、お気をつけくださいね。

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