私が生まれる前の映画が、デジタルリマスターにて、なんと、本邦初公開だとか。なぜ今なのかとか、パンフを見たけど特に記述ナシ。原作者の生誕記念とか、そういうのでもなさそう。でも、作品自体が50周年ですね。
その原作は、「長くつ下のピッピ」の作者アストリッド・リンドグレーン著「わたしたちの島で」。この原作も、もとはリンドグレーンが脚本を書いた13本からなるテレビシリーズから生まれたのだとか・・・。「ピッピ」は私が子どもの頃にTVでドラマが放映されていて、結構ハマった記憶があり、チラシ(ポスター)の絵がとっても素敵だったので、折角だから見ておこうと劇場へ行った次第。
、、、見て良かったです。舞台はノルウェーの小さな島「ウミガラス島」。そこに暮らす人々と動物(いっぱい出てくる)のほのぼのとした日常のオハナシで、それだけといったらそれだけの作品です。タイトルにもなっている主人公のチョルベンは、ちょっと太めの女の子で、確かに生意気なんだけど、愛嬌があって憎めないし、いつもつるんでいる女の子スティーナ(前歯がないのね、生え変わりで。可愛い)が魅力炸裂で素晴らしいです。基本的に悪い人は出てこない(嫌な大人は一人いますがまあ、ご愛嬌です)し、小さな事件は起きますがちゃんと丸く収まります。
まあ、子ども+動物ってのは、最強のコンビですから、これだけで反則っていやぁ反則です。ただ、本作の場合、ただイイ話、可愛い、自然って素晴らしい、子どもって純粋、とか、そーゆー見え透いたあざとさがないのです。チョルベンもスティーナもそこそこ根性悪なところもあり、大人も大人げない言動をしています。動物にも演技をさせていないし。でも、全編ユーモアに満ち、とても優しい作品です。基が児童文学だからとか、そういうこともなくはないだろうけど、人の気持ちを思いやる、という当たり前のことが丁寧に描かれた、愛すべき作品だと思います。
個人的には、ラストシーンがダメ押しでした。このラストシーンが、本作の魅力をさらにアップさせたと思いますね。素晴らしい!
そうそう、あと、みどころは、子どもたちのファッションと、インテリアです。子どもたちの着ている服の可愛らしさ、色使いの素敵さ、50年前でも今でも変わりなく魅力的です。インテリアは、素朴ながらも住みやすく工夫された、見ていて楽しくなるものでした。今の北欧インテリアブームの根っこがここにあるのかも。
DVD化してほしいですねぇ。そうしたら絶対買いです。
“水夫さん”ってのはチョルベンの愛犬の名前です
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