映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

クリムゾン・ピーク(2015年)

2016-01-18 | 【く】



 英国から来た謎めいた貴族トーマス・シャープ(トム・ヒドルストン)に、アメリカ・NYの成金(?)のお嬢さんイーディス・カッシング(ミア・ワシコウスカ)は心を奪われ、2人は恋に落ちる。トーマスにはこれまた謎めいた姉ルシール(ジェシカ・チャスティン)がおり、2人の恋を歓迎しているようないないような、、、。

 果たしてトーマスとイーディスは婚約するが、イーディスの父カーターはシャープ姉弟にどこか胡散臭さを感じたのか、探偵を雇って身辺調査をさせると、驚くべき事実が明らかに。カーターは、イーディスには内緒で、シャープ姉弟に金を握らせイーディスの前から消えろと命じ、姉弟はそのままアメリカを去ることに。

 しかし、シャープ姉弟がアメリカを立つ日、カーターはスポーツクラブの洗面台で頭を強打した無惨な死体で発見される。トーマスを追ってきたイーディスは、父の遺体と対面し、父の全財産を相続した身で、トーマスと共にイギリスへ渡る。

 アラデール・ホールと呼ばれるトーマスの屋敷に着いたイーディスだったが、そこは荒れ果てたまるで幽霊屋敷。実際、イーディスは何か不思議なものを屋敷の中で度々目撃し怯える。この屋敷のある場所は、実は、かつて自分が10歳の頃、亡き母の幽霊が現れて気を付けろと警告した場所「クリムゾン・ピーク」だったのである。なぜ気を付けろと母の幽霊は言ったのか?

 すべての謎が解けた時、イーディスは絶体絶命の危機にさらされる!!

  
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 思わせぶりなあらすじの書き方をしてしまいましたが、内容的には意外性はありません。な~んだ、って感じ。一応、ゴシックホラーという触れ込みだけれど、ホラーというほど怖くもない。ただ雰囲気はあります、すごく。

 10歳のイーディスの前に現れる亡きお母さんの幽霊ってのが、これが結構おっかない見た目で、あれじゃあ、いくら大好きなお母さんの幽霊っつったって、そら10歳の子には怖いわさ。何でもうちょっと普通な姿で出てきてあげないのかしら、、、と思ったけれど、イーディスの心にお母さんの警告を素直に届かせないためなのかもね。届かないからこそ、シャープ姉弟の屋敷がクリムゾン・ピークそのものだと知ることもなく行ってしまったのですからね。

 とにかく屋敷のセットが素晴らしいです。この世界観、好きだわ~。とっても絵画的。パンフによると、ギレルモ・デル・トロ監督はラファエル前派のミレー等からインスピレーションを得ているとか。と聞けば、なるほどねぇ、と言う感じです。なにより、屋敷全て実際セットを組んで、ほとんどCGはナシということで、それはそれは臨場感のある映像美を堪能できます。これを味わうだけでもスクリーンで見る価値アリでしょう。

 謎解きの小道具の数々、鍵の束、蓄音機のシリンダー、古い書物、古い写真、恐ろしい肖像画、、、と、見ているだけで楽しい。

 陰惨な事件を匂わせながら、絵画の中から飛び出して来た可愛らしい少女のようなイーディスが姉弟の隠された秘密を暴いていくという対比が、画的に見応えあります。

 ギレルモ・デル・トロ監督の『パンズ・ラビリンス』は、世界観はもちろん、ストーリーもなかなか噛み応えがあったので、割と好きなんですが、本作については、噛み応えはほとんどなく、ただただ世界観をリアルに再現したそのビジュアルを堪能するのが良いようです。

 途中、トム・ヒドルストンとミア・ワシコウスカのベッドシーンがありますが、トム・ヒドルストンはすっぽんぽんで立派なお尻をご披露されていましたが、ミアの方は脱ぎもせず、何だかなぁ、、、。だって、ようやく、ようやく結ばれた、っていうシーンなんですよ? そこでそれかよ、、、って感じ。脱がないから官能的じゃないとは一概に言えないけど、あそこは話の流れから言って、ほとばしる欲情のぶつかり合い!! のはずなわけで、やっぱし大胆に脱いでいただきたかったですね。脱がせないのか、脱がないのか知りませんが、裸体を出し惜しみする女優は、私はあんまし好きじゃないですね。

 あと、かなり全体に痛い映画です。ドンパチ系はわりかし大丈夫なんですが、刃物系は私ダメなんですよ。終盤の、「心変わりなど許さん!!」グサッ、グサッ、グサッ、グサッ、の連続はちょっと、、、。しかも、刺しては抜く、刺しては抜く、、、痛ぇぇぇ~~。正視できませんでした。ラストの、イーディスとルシールの一騎打ちも痛いけど、イーディスのデカいシャベルにはたまげました。もう、あそこまで行くと、何でもアリです。

 本作は、ゼッタイ劇場で見た方が良いです。DVDで見ても、多分、……え、それだけ?? となる可能性が高いので。

 



謎解きは、消化不良な部分も。




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