映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング(2018年)

2019-01-13 | 【あ】



以下、公式HPよりストーリーのコピペです。

=====ここから。

 レネー・ベネット(エイミー・シューマー)は、ぽっちゃりでサエない容姿を気にして、自分に自信が持てない。高級コスメ会社リリー・ルクレアのオンライン部門に勤めているが、美しい社員たちが勤める華やかな本社ではなく、チャイナタウンの地下の小部屋においやられ、サエない毎日を送っていた。

 ある日、レネーは一念発起し、痩せるためジムに通い始める。しかし、トレーニング中にバイクから転落!その勢いで頭を強打し、失神してしまう。

 目が覚めたとき、レネーは自分の異変に気づく。なんと絶世の美女に変身していたのだ。しかし、それはレネーの思い込みであり、実際は何一つ変わっていなかった―。
 
=====ここまで。
 
 
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 新年劇場鑑賞『メアリーの総て』→『ボヘミアン・ラプソディ』に続くハシゴ3本目。2本目の『ボヘミアン~』は、訳あって(まあ、早い話が世間のノリに着いていけないってことですが)感想文書くのはお預け。3本目にはちょうどよい、軽くて色々考えずに見て楽しめる作品でした!


◆人は見た目が9割。

 “人間、外見じゃない、中身だよ!”……なんて言われてもね。人との出会いにおいて、視覚から入る情報ほどその相手のイメージを形成するに当たって強力なものはない。

 特に、恋愛では、外見から受けるイメージがほぼ全てといっても良いです、私の場合。外見と言っても、“雰囲気”であって、イケメンか否か、ではない(←ココ重要)。なので、第三者から見れば「あんなのの何がええの?」というパターンも当然あるわけで。でも、私はそれで「こんなはずじゃなかった、、、」という大ハズレに当たった経験はなく、というより、100%大アタリだったわけで、、、。つまり逆を言えば、初対面でパッと見「……あ、ダメ、、、」と思った人と、その後、色っぽい展開になったことは一度もない。ちなみに、「ダメ」の大半は、恋愛でなければ別にダメじゃない人だし、私に「ダメ」と決めつけられた人のほとんどは、私に恋愛感情など抱かないのであり、だから、私がダメとかダメじゃないとか無意識のうちに篩にかけていても、人畜無害なのであります。

 そもそも、恋愛に限らず人間関係の基本として、世の中の大抵の人々は、こういう“篩にかける”作用を心の中でしているのでは? していない人なんて、いるんですかね? 「優しそう」「キツそう」「ヤバそう」……etc。だからこそ、「人は見た目が9割」なんて本がベストセラーになるのでは。非常に的を射たタイトルです。

 ただ、その本を読んでいないので分からないけど、「見た目が9割」といっても、それは美男美女であるべき、と言っているのではないんでしょう、多分。美男美女はたくさんいるけど、そうじゃない人はその何倍もいるわけで、そうじゃない人々が、じゃあ、みんな見た目で損しているかというと、決してそんなことはないはず。美男美女こそ、その見た目がかえってアダになるパターンもあるのでは?

 ……ということを、本作は面白おかしく描いているのです。

 外見から受けるイメージがほぼ全て、と書いたけど、それはその人の醸し出す雰囲気であって、本作でもレネーは、失神する前と後で、外見は全く同じなのに、“気持ち”が変わったことで雰囲気もガラリと変わる。失神した後、絶世の美女になったと勘違いしたレネーは、突然、自信を持って、姿勢や歩き方まで変わり、全身から明るさを発するようになっている。発言も、卑屈さがなくなり、そのポジティブさはいささか度が過ぎるとは言え、そこは映画ならではのデフォルメであり自分を肯定することのカリカチュアだと思えば、自分で自分を受け容れることが、いかにその人の雰囲気を変えるかが分かるというもの。

 と書くと簡単なことなのだけど、人間、そんな単純な生き物ではない。鏡を見れば、自分の容姿の程度などイヤでも分かるし、幼い頃から周囲の反応で自分が回りからどう見られているかはイヤというほど経験させられる。ネガティブな言葉を度々吐かれれば、自分を肯定できなくなるのは当たり前。人は、相対的なモノの見方をする生き物だから、どうしたって自分だけでなく、他人でも親でも子どもでも兄弟姉妹でも、回りと比べてしまうのだ。レネーだって、好きであんなネガティブな性格になった訳じゃなく、そういう扱いをされ続けてきたことで、卑屈になり、もう自分ではどうしようもないところまでそれを拗らせてしまったのだ。

 とはいえ、私は、レネーがそこまで自分を否定するほどヒドい外見には思えなかったし、身なりも(センスはちょっと、、、だが)気をつけているし、性格だって決して悪くない、十分、問題なく社会生活を送れる女性に見えた。だから、レネーは一体、何を望んでいるのか??と疑問だったんだけど、まあ、女優並みの美貌を望んでしまえば、世の中のほとんどの女性は自己肯定できなくなっちゃうわね。

 レネーは勘違いによって自己肯定することができ、それによって、イーサンという恋人もゲットし、仕事でも頭角を現し、自信を得ることが出来た。けれど、再び頭を強打し、勘違いの魔法が解けた後は、再び自信喪失のネガティブ・レネーに逆戻りする。

 この、ネガティブ・レネーに戻ってしまってから、ラストまでの展開がイマイチだったので、6コにしたんだけど、もう少し葛藤があっても良かったんじゃないかなぁと思った次第。割とあっさり、ネガティブ・レネーから脱却してしまったのがね、、、。失神前に、あそこまで容姿のために後ろ向きだったレネーが、プレゼンで初めて失神前と後で容姿が変わっていなかったことに気付いて一瞬でポジティブに転換する、ってのはちょっと拍子抜け。というか、プレゼンの場に出ていくこと自体がちょっと???な展開。

 レネーにとって、失神前と後で容姿が変わっていないことに気付くシーンはものすごく重要だと思うから、そこはもっとじっくり、イーサンや親友たち、あるいはエイヴリーとの絡みなどで描いても良かったと思うのね。というか、そうであるべきじゃないかしらん。その重大な事実と、信頼できる人からの信頼できる言葉で、初めてレネーの思考回路に変化がもたらされる、、、という方が、まあ、見ている方は説得力を感じるよね。

 
◆ナンパ男なんか絶滅しろ!

 レネーが、その辺の男たちから粗末に扱われるシーンの数々が、あまりに漫画チックで笑えると同時に、かなり不快でもある。あそこまで露骨な言動をするのかね、アメリカの男たちは。……というか、日本の男たちもそーなの?

 イケメンとそうじゃない人と、私はあそこまで露骨に対応を変えてしまっているかしら、、、。というか、そこまでウキウキするほどのイケメンに、そもそもドラッグストアや街中で出会ったことなんかないんですけど?? 仕事やその他の関係でも、会うのが楽しみなイケメンなんて、幸か不幸か、これまでいなかったわ。まあまあカッコイイくらいならいたけど、話しかけたいとか、気を引きたいとか、、、それとこれは別だしね。

 大昔(20代)に、渋谷でナンパされたことがあるんだけど、私はその日スッピンで髪もテキトー、服装もその辺のスーパーにちょいと買い物、って感じでいたから、ハッキリ言って「お前、女なら誰でもええんだろ!!」と却ってもの凄く不快になった。そんな安っぽく見られたんだと思うと、ムカついたよね。無視してさっさとかわしたけど、たとえ小綺麗にしていてナンパされたって別の意味で不快になったに違いなく、ナンパってホントに失礼だと思うわ。

 だから、本作でも美人さんたちがナンパされていたけど、ナンパする男たちってホント、救いようのないバカだよね。そういう奴らに限って、レネーに失礼な態度を平気でとるんだから。全女性をバカにしていることに自覚がないのもほどほどにしろ、と言いたい。

 レネーが美人に「一度で良いからあなたになってみたい」とか、「あなた、ホントに内蔵入ってるの?」とか言っているのがウケた。でも、一番ウケたのは、やっぱり失神後に、絶世の美女になったと勘違いしてモデルウォークして街中を歩いたり、イーサンを強引に口説いたりしているシーン。同じ人間なのに、あそこまで変わるのかと。最初はイタい勘違い女っぽかったんだけど、それも一瞬で、ビキニコンテストで弾けまくるレネーは、もう圧巻。

 そういう意味では、“人間、外見じゃない、中身だよ!”は真理でもある。それくらい、レネーは、意識が変わっただけで輝いたのだからね。

 アドラー先生じゃないけど、上手く行かないことがあると「この外見だから……」と何かのせいにしている方が楽な側面はあると思う。レネーは、これから生きていく上でイーサンと破局するかも知れないし、仕事でつまずくかも知れないが、これまでみたいに外見のせいにすることはもうできない。そのときこそ、レネーの真価が問われるのだと思う。頑張れ、レネー!!






ミシェル・ウィリアムズが別人みたいで全然分からなかった!!




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