ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

新京 本店 @愛知県一宮市 (※閉店)

2014年06月30日 | 愛知県(尾張)

Photo

この地方が発祥と言われる「ベトコンラーメン」。その発祥の店と言われているのが一宮市にあるこちら「新京本店」。昭和44(1969)年の創業とのこと。ごく普通の住宅街の街道沿いにあり、周囲に特に目立つランドマークがないので地図を確認しながら初めての訪問。店舗のそばを通る高架近くに駐車場があります。名の知れたお店なので、正直こんなに地味な店構えだとは知らなかった。看板には「ベトコンラーメン本舗」と書かれている。日曜日の昼過ぎだったが、周囲はのんびりとした雰囲気。車も人通りもあまりなく、のどかな休日だった。店に入るとコの字のカウンターとテーブル席がある。見たままの小さなお店。先客が何組も居たし、自分が店に入った後も次から次へと客が入ってきた。カウンターに座って、標準のベトコンラーメンを注文。壁いっぱいに貼られたメニューや説明書きによると、ラーメンも色々な仕様(麺の種類や辛さなど)で注文出来るようだ。ラーメンのみでなく、数多くの一品料理やご飯ものもある。どれも何だか旨そうだ。

「ベトコンラーメン」に関しては発祥はこちらで間違いなさそうだが、名前の由来については諸説ある。こちらの店の関連サイトではベストコンディションラーメンの略としている(なぜかこの店が店舗一覧にないが…)。ただ岐阜の店などでの説明は違うようだ。自分もこの店の創業時期(ベトナム戦争真っ只中)や、果たしてベストコンディションをベトコンと略すだろうか?という疑問があり、何らかの事情で後付けした理由なんじゃないかな、と勝手に思っている(※)。ま、自分が最初にこのラーメンを知ったのは大昔に岐阜の店の路上看板でなので、記憶に刷り込まれているだけかもしれない(笑)。

※こちらの店主が取材記事でベトナムコンサン(南ベトナム解放戦線)から名付けられたが、のちに由来の方を変更したと述べている

しばらくして奥の厨房からベトコンラーメンが登場。脂たっぷりで炒められたニラ、もやし、唐辛子と、粒のままのニンニクがごろごろと入っている。全部で8つくらい入っていたかな。どれもトロトロに柔らかく煮込まれていて、それ自体がニンニク臭い訳ではない(スープには溶け込んでいるだろうけど)。見るからに辛そうだが、口に運んでみると意外とそうでもない。ピリッとした辛さとしっかり炒められた野菜が旨い。麺は意外と細くて縮れている。スープもこれ以上辛いと人を選ぶだろうが、いい塩梅で、あっという間に完食した(さすがにスープは残したが)。額にじんわりと汗が。スープを飲み干しこそしなかったが、ずいぶん匂っているんだろうなァ(笑)。次はベトコン焼そばなんて気になる…。(勘定は¥850)

このあとの記事はこちら

 

新京 本店

愛知県一宮市松島町5

※閉店されたそうです(令和4年現在)

 

(しんきょうほんてん 新京本店 しんきょう ベトコン ベトコン・ラーメン 閉店 廃業 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

勝利亭 (2) @名古屋市西区・円頓寺 (※閉店)

2014年06月29日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

Photo

 ↑ 五条橋側から見た商店街入り口と勝利亭

名古屋駅から少しだけ離れた(徒歩10分位か)円頓寺(えんどうじ)商店街の入り口にある創業明治42(1909)年の老舗洋食店「勝利亭」に久々の訪問。およそ1年ぶり。この日は以前から気になっていたメニュー「ミヤビヤ」がどんなものなのか確かめに行ってみた。この料理名をメニューに載せている店は、自分が知っている範囲ではこの店と、岐阜の1軒(そこでの名前は「ミヤベヤ」→未食)とあとわずか。すべて東海3県というのも面白い。語源が何なのか気になるなァ。

近くにバイクを停めて、午後1時過ぎに店に入る。この日は先客がおらず、自分が入った後に数組の客が入ってきた。おばちゃんに「ミヤビヤ」を注文。エビとチキンがあったが、エビを選んだ。ライスはなしで注文した(注・この店のライス¥200は単品料理とは別料金です)。どんなものが出てくるのかワクワクして待つ。もちろんネット上や本で写真は見た事があるのだが、こればっかりは本当に口に入れてみないと実際にどんな味なのか分からない。

しばらくして料理が運ばれた。平皿にデミグラス・ソースで煮込まれた、大きめの角に切られた玉ネギ、椎茸、グリーンピース、そして小振りなエビがたくさん入っている。真ん中には玉子が落とされている。表面が白くなっているのでオーブンで焼かれているのかもしれないが、スプーンを入れてみるとほとんど生玉子。デミは濃いめの甘めで、エビにはしっかり火が通っている。ライスは無しで頼んだが、やっぱり欲しくなる…。崩した玉子と混ぜて食べるとさらにマイルドになり旨い。ほぼ想像通りの味ではあったが、他所に無い歴史あるメニューを口に出来て嬉しい。値段の割に量はちょっと少なめ。平皿の真ん中にのっているだけなので、これ単品だけではちょっと物足りないかも。次こそは前回必ず、と思っていたメンチカツか、それとも正体不明のビーフライスか…。あ、お店のお母さんにミヤビヤの語源を訊くのを忘れた…。(勘定は¥1,250)

※残念ながら令和元年5月31日を以って閉店されました

 

前回の記事はこちら (1

この後の記事はこちら (3)(4

 

勝利亭

名古屋市西区那古野1-2-17

(しょうり亭 しょうりてい ミヤビヤ チキンミヤビヤ エビミヤビヤ)

近隣ではまだ未訪問だった店がいくつか閉店してしまっていた。「西アサヒ」(写真左)は一度店の前まで行って、予定が変わって入るのを止めてしまったすぐ後に一時休業になり、以来ずっと「休業中」のまま…無念。今をときめく「コメダ珈琲店」(写真右)はこちらが発祥の店のはず(つい先日閉店とのこと)。最後は以前から気になっていた「ラク亭」(注・筒井町商店街の店は営業しています)の現在の様子。

Photo  Photo_2

Photo_3

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

David Bowie Box / David Bowie

2014年06月28日 | クラシック・ロック

Bowie_box_2   Bowie_box2

David Bowie Box / David Bowie (2007)

デイヴィッド・ボウイ(David Bowie)の1995年の作品「Outoside」から2003年の「Reality」までの5作品に、それぞれボーナス・ディスクを加えた10枚組ボックス。ボーナス・ディスクに収められた音源も、様々な形態ですでに所持している音源ばかりだが、自分はこの時期のボウイを高く評価しているので、機会があったら手に入れようと思っていたところ、幸いオークションで安値で落とすことが出来た。

それぞれのアルバムはオリジナル仕様の紙ジャケットで、一応インナーも再現されている。収納されるボックスはデザインも地味でいまいち。もう少し何とか魅力的なものにすれば良かっただろうにと思う。この時期のボウイのCDは、現在では中古激安棚の常連で、オリジナル・アルバムは二束三文で購入することが出来るし、ボーナス・ディスクに収められた音源も入手はそんなに難しい訳ではないので、高値ではお勧め出来ないが、この時期をあまり聴いた事が無い人達にはぜひ見直してもらいたい充実した内容だし、上手にまとまっているのでお勧め。

ポップ・スターとしての地位を確立したが、先端をいくクールなアーティストというイメージからはかけ離れてしまった音楽的低迷期を経て、95年のボウイは急速にオルタナティヴに接近した。たぶんそのきっかけはナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)だと思う。その後一緒にツアーにまで出るようになるが、最初はトレント・レズナー(Trent Raznor)からボウイへの単純なリスペクト、それとボウイからの旬なアーティストへの関心というごく普通のアプローチだったはずだ。それから「大衆的な」ビッグ・アーティストに成り下がってしまっていたボウイが、オルタナティヴ・ミュージックに接触することによって我が身の醜悪さに気付かされた、と言ったら言い過ぎだろうか。

ブライアン・イーノ(Brian Eno)とのコラボ復活、ドラムンベースの採用、トニー・ヴィスコンティ(Tony Visconti)のプロデューサー復活、過去の楽曲からの引用など、自分の過去にも素直に向き合えるようになったボウイが、目立つヒット曲こそ無いが、肩の力を抜いて(あるいは売上げを気にせずに)自分の思うように次々とアルバムを製作した結果、日本やアメリカでこそやや売上げが落ちたものの、ヨーロッパでは好調で、音楽的評価も上がったようだ。その後、寡作になってしまったが、昨年「The Next Day」でまた劇的に復活したのは記憶に新しいところ。

このボックス・セット、とても上手くまとまっていて、まとめとしてはいい塩梅なのだが、紙ジャケットを採用したせいで取り出しが面倒臭いのと、ボーナス・ディスクが収納されたインナーがオリジナル・インナーと同じデザインなので、曲目の記述を探しても無く、収録された曲目が分かりづらいのが玉にキズ。ダサいデザインのボックスの片面にでも曲目表を付けてくれるとか、(自分は紙ジャケに思い入れは無いので)デジパック仕様だったら更に良かったのに…。

オークションにて購入(¥2,662)

  • CD (2013/5/14)
  • Disc: 10
  • Format: Box set, CD, Import
  • Label: Sony
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カレーの文化屋食堂 @岐阜県岐阜市 (※移転)

2014年06月27日 | 岐阜県(岐阜)

岐阜市の高島屋近くにあるインド・カレーのお店。以前はどんな店だったか思い出せないが洋食屋で、店を引き継いだ方がインド・カレーのお店にしたそうだ。店先で見上げると、商店街の看板にはその頃の名残りがある。店はエスニックな雰囲気に装飾されている。開店時間がよく分からなかったので(結局11時50分頃だったか)開店までその辺をウロウロしてからお店の中へ。店舗の照明は暗めで、カウンター内で店主ひとりで切り盛りされている。カウンターの上にはインドに関する書物や地域イベントのチラシなどとともに手書きのメニューが置いてある。その中から辛いマークのついた先頭の「覚醒チキンカシミール」なるものを注文。名前からしてちょっと身構えてしまうが、頻繁にかけられる店主の「スッキリしていって下さいね」という言葉や、メニューの「脳からスッキリ」という言葉から分かるように、使用される香辛料と料理を薬膳、健康食として捉えているようだ(でもメニューには薬膳の文字の下に「?」マークが)。

しばらくして定番のステンレス・プレートにチキン・カレーと本日のスープ(豆)と玉葱のピクルス、そしてターメリック・ライスが盛られて出てきた(ちなみにうちの娘はなぜかインド料理屋で定番のこのステンレス・プレートが苦手なのだとか…)。スパイス感たっぷりの香りが鼻をくすぐる。まず、ひと口。意外と辛さはさほどでもなかったが、爽やかな口当たりで深みがあり、旨い。ライスをスプーンに乗せ、カレーに浸して食べ進んでいく。中には骨付きの手羽元肉が。じんわりと辛さがやってきて体が火照ってくる感じで、刺激的な上っ面だけの辛さではなく、爽快感のある辛さなので、時々スープやピクルスで口直しをしながら楽しんだ。自分はインド・カレーの経験が浅いので、何をもって本格的とか、地方による違いとかは全然分からないが、食後も爽快感が残り、今まで何度も食べた(最近やたら多い)インド・ネパール人経営系のカレーよりこちらの方が好みだったなァ。たしかに「スッキリ」。他のメニューも楽しみだ。(勘定は¥1,150)

そういえば、以前に岐阜駅構内にあって好みだった「エリックカレー」って無くなったのかな?

この後の記事はこちら

平成30年末を以って閉店されました。1月中頃に別の場所へ移転されるそうです。

移転後の記事はこちら

カレーの文化屋食堂

岐阜県岐阜市徹明通2丁目4 松波ビル1F

 

( 岐阜 柳ヶ瀬 カレー 文化屋食堂 ぶんかやしょくどう )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヨコイ 住吉店 @名古屋市中区・栄

2014年06月26日 | 名古屋(中区)

2

 ↑ 外から見ても分かりにくいけれど、店舗はビルにの2階にあります

休日の昼に「ヨコイ住吉店」へ。ヨコイと言えば今では名古屋メシと呼ばれている「あんかけスパゲッティー」の元祖(発祥の店はまた別にあり)と言われている。この店の創業者が発祥の店において生み出したメニューだそう。ただ「あんかけスパゲッティー」とは謳っておらず、その命名者はまた別の店というからややこしい。先日久しぶりにこのメニューを食べて、ぜひ元祖の店で食べてみようと、さっそく営業開始時間に合わせて訪問したが、パッと見ても分りやすいとは言えない店舗(2Fにある)への階段にはすでに行列が…。開店直前にはその数30人にも膨れ上がっていた。待ち時間はさほどでなかったので良かったが、こんなに人気があったとは。

時間になり、店内にゾロゾロと客が吸い込まれて行く。自分はひとりだったのでカウンターへ。目の前の厨房内で3名の調理担当の方がすでに大量の麺や具材を炒めている。休日だけはメニューが限られており、その中から定番のミラカンを注文。すぐに小さい器に入ったポテトサラダが配膳された。それをつつきながら厨房の作業を眺める。すでにたくさんの注文が入っているので調理もいっぺんにやるようで、1人が大フライパンを駆使して大量の太麺をたっぷりの油(ラード?)で炒めて、1人が具材を炒めたりして用意し、1人が具材をのせ、ソースをその周りに回しかける、という作業がルーティーン化している。一度に大量に捌いているので作業が雑に見えるのは仕方のないところか。

目の前から渡された平皿には思ったより少ない量の太麺と、軽く炒めた赤ウインナー、ピーマン、玉葱、そしてソースが載っている。トマト・ベースでしっかりとスパイシーなソース。全体的にバランスが今一つで、一体感に乏しい感じもする。値段の割に量もこれだとちょっと少ないなァ。あっという間に無くなってしまった…。まぁ、そういうものなんだと言われればそうなのかもしれないが、これが開店直後の混雑時じゃなかったらひょっとして違うんじゃないだろうかという気もする。さて、そうなると次はやっぱり発祥の店にも行ってみないと…。(勘定は¥950)

ヨコイ 住吉店

愛知県名古屋市中区栄3-10-11 サントウビル 2F

(スパゲティハウスヨコイ スパゲティハウス スパゲティヨコイ スパゲッティヨコイ )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

長命うどん本店 @名古屋市中村区・中村公園

2014年06月25日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

Photo_4

自転車で名古屋駅の西側、大門(おおもん)近辺を散策。「大門」という名前からも想像出来る通り、この近辺はその昔遊郭(中村遊郭)で、現在もその名残りがある街。そこかしこに往時を偲ばせる妓楼建築や、カフェー建築、それに伴う施設が残っている。ただそんな名残りも風前の灯火だろう。そのうちに取り壊され、駐車スペースなどになってしまうに違いない。特に今となっては大っぴらにされない文化の側面でもあるだけに、一部を除いて保存に行政の協力を得るのも難しいに違いない。

 ↓ はいくつか残る名残り(左上:長寿庵、右上:松岡、左下:稲本、右下:寿湯)

Photo  2_2

3_2 Photo_3

そんな大門から太閤通を挟んで南に少し行くと、大正2(1913)年創業の老舗うどん店「長命うどん本店」がある。中休み無しで年中無休のお店。駐車場もたくさんあり、とても使い易いお店だ。伺ったのは午後3時頃だったと思う。そんな外れた時間でも次から次へと車が停まり、ひっきりなしに客が店に吸い込まれていく。休日とあって家族連れも多く、地元の人達を中心ににぎわっている活気のあるお店だ。

店は間口こそ狭いが、奥行はけっこうあり、テーブル席とカウンター席がある。厨房は入って左側。その前に揚げ終わった天ぷらが山ほど積み重ねられている。この日は暑かったので冷たいものを、と「ころ」(=冷たい麺+少量の冷たいつゆ)を小盛で注文した(ちなみにこの店では小盛でも並盛くらいの量があるので注意)。ここの特徴は、うどん、きしめん、中華、そば、と麺が選べるところ。いくつかをミックスして注文する事も出来る。例えば「う中」だとうどんと中華のミックス。自分も店に入る前はうどんときしめんかな…と思っていたのに、席に座って注文する段になって、すっかり忘れて普通に注文してしまった。

しばらくしてころうどんが配膳される。ここのうどん麺は、つるっとした麺肌で、今まで食べたこの地方の老舗よりも細く、しっかりとしたコシのあるもの。どちらかというと、今をときめく讃岐うどんの食感に近かった。老舗でこういう食感って珍しい。ただし、後から他の人が書いた感想を読むと、コシが無いとしている人も多いのが謎だ。メニューによって違うのだろうか。麺の量が多く、小盛でも充分な麺量があった。すっきりとして冷たいつゆのうどんが、暑い中を自転車で走ってきた身にうれしい。旨かった。次こそミックスして注文してみよう。(勘定は¥432)

この後の記事はこちら

 

長命うどん本店

愛知県名古屋市中村区下中村町1-3

 

(ちょうめいうどん 長命うどん 本店 中村遊郭 妓楼 妓楼建築 老舗 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Sticky Soul Fingers : A Rolling Stones Tribute (MOJO Magazine) / Various Artists

2014年06月24日 | 雑誌付録CD

Soulsticky

Sticky Soul Fingers : A Rolling Stones Tribute (MOJO Magazine) / Various Artists (2011)

英音楽雑誌「MOJO」の2011年1月号の付録CDはストーンズ(The Rolling Stones)のトリビュート・アルバム。その名の通り、71年発表の傑作「Sticky Fingers」の曲をソウル系ミュージシャンがカヴァーした(自分にとって)好企画盤。アーティストは自分の知らない、一般的にも無名なのばっかりだが、このアルバムはとても良かった。ジャンルをソウルに絞っている事もあって、統一感があり、それぞれ違和感なく見事に料理されている。そして相変わらず冴えたこの素晴しいアートワーク!普通ならオリジナル・ジッパー・ジャケをいじる所だろうが、わざわざスペイン盤のアートワークを模して、写真といいフォントといい、完成度も高い。そのスペイン盤オリジナル・ジャケットはこちら↓

Stickyspanish

ソウル・ミュージックの猥雑さもこのジャケだと生きてくる。「スティッキー・フィンガーズ」には文字通り「ベタつく指」という意味の他に、卑猥な事をも連想させるんだとか。カヴァーを披露した彼らが現役アーティストなのかどうかも分からないが、音楽的にも充分楽しめた。ストーンズのキャリアの中でも黄金期と呼ばれる時期に発表されたこのアルバムは、ソウル・ミュージックにも接近していたが(中でも「I Got The Blues」は直球過ぎて気恥ずかしくなるようなオーティスのコピー)、かつてインタビューでキース(Keith Richards)が「この時期はミック・テイラー(Mick Taylor)を入れたから評価が高いようだが、音楽的にはホーンを採用した事も大きいんだ(意訳)」と語っていた。そんな時期だけにソウル・ミュージック経由のアプローチがハマらない筈は無い。

01 ? Alice Russell - Brown Sugar
02 ? Black Joe Lewis & The Honeybears - Sway
03 ? Sharon Jones & The Dap-Kings - Wild Horses
04 ? The Bamboos - Can't You Hear Me Knocking
05 ? Naomi Shelton & The Gospel Queens - You Gotta Move
06 ? The Sugarman 3 - Bitch 
07 ? Aloe Blacc & Joel Van Dijk - I Got The Blues   
08 ? Ren Harvieu - Sister Morphine 
09 ? Anthony Joseph & The Spasm Band - Dead Flowers
10 ? Lee Fields - Moonlight Mile
11 ? Beta Hector - Angie

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

プレリュード 福光店 (2) @岐阜県岐阜市

2014年06月23日 | 岐阜県(岐阜)

岐阜市周辺に居ると、わざわざ車を向かわせてしまう洋菓子の名店「プレリュード福光店」。500円分の商品券をもらっていたので、家族の承諾を得ず(笑)、その権利を行使することに。まぁ、どのみちいつも自分の財布から出ているんだけれど。今回初めて気付いたが、店の外看板には「Depuis1987」とあった。もう27年もやってるんですね。 

店に入って持ち帰りのケーキを選んで見ていたのだが、この季節になると出る(けれど、いつもならもう終わっているはずの)「フレーズィエ」がまだあったのと、店内に客が少なかったので、ついイートインに変更(ちなみに40代のおっさん1人です・恥)。飲み物はいつも嫁から一口もらう自家製ジンジャーエールを注文してみた。

しばらくして、皿に盛られたフレーズィエとジンジャーエールがテーブルに運ばれた。外が暑かったのでジンジャーエールが旨い。底に沈んだ生姜の切片のフレッシュな風味と、上にのったミントの爽やかさで、思わずもう一杯と言いそうになった。フレーズィエはクリームがしっかりした味だけれど、それが重たくなくて、嫌らしい甘さもないし、苺の酸味としっかり焼きの入ったスポンジと相まってバランスがいい。相変わらず旨いなぁ。野郎ひとりのイートインなんて自分だけだと思っていたが、後客に同じような中年の男性がひとり、慣れた口調で「じゃがいもっ!」(「じゃがいものお菓子」の意)と言いながら入ってきた。同好の士の存在が心強い(笑)。こちらはイートインもお勧めです。

家族には四角いホールの「オペラ・キャフェ」を購入。家に帰ってみんなで食べた。バタークリームの風味が良く、コーヒーの苦みとマッチしてこれもなかなか。自分が飲む濃いめのコーヒーにぴったり。ガキにはやや大人の味だったようだけれど、残してくれても良かったのに。しっかり食べられてしまった…。(勘定は全部で¥1,800程)

前回の記事はこちら

この後の記事はこちら (3)(4)(5

ふらんす風菓子 プレリュード 福光店

岐阜県岐阜市福光南町16-19

(フランス風菓子プレリュード ふらんす風菓子プレリュード プレリュード福光店)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

宮鍵 @名古屋市中村区・納屋橋

2014年06月22日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

Photo_3

「かしわ・うなぎ」と看板の出た明治32(1899)年創業の「宮鍵」。 広小路通沿いの納屋橋横に風格ある看板が上がっている。タイトルには便宜上、名駅と書いたが、伏見方面の柳橋バス亭近く。過去には某有名作家の本にこの店の名前が出ていたと記憶する歴史ある店。土曜日休みって珍しい。この日も自転車だったので駐車場を探す心配も無く、楽々。昼どきに伺ったが、まだ開店準備中だったので、自転車で近辺をウロウロ。すぐ近くのイチビキはこの日も大行列だった。よい天気の日曜午前に、この辺りから伏見、丸の内の辺りを自転車で走っていると、緑も目に入り、オープン・カフェでコーヒーを飲んでいる外国人も居て、まるでシドニーかどっかの道路を走っているような感じ。…すいません、ちょっと言い過ぎました。

開店して少し経った頃に店の中へ。入口すぐ横には調理場があり、何人もの職人がいそがしそうに準備している。店の中にはすでに何人もの客が入っている。家族連れの大人数の客は2階の座敷に案内されていたようす。自分は1階の仕切り板が背もたれ代わりになった年季の入ったテーブル席に腰を下ろす。すぐにお茶が運ばれた。この日の目当ては鰻ではなく、かしわ。親子丼も気になっていたが、とり丼を注文した。程なくして、とり丼が目の前へ。実はこのとり丼がどんなものなのかあまりよく知らなかったので、その姿は初めて見た。ご飯の上に切られた青葱がたっぷりと敷いてあり、その上に一緒に煮込んだと思われるかしわ(鶏肉)が並んでいる。とてもシンプル。一緒に吸い物と香の物(たくあん、牛蒡)も運ばれた。早速ひと口食べてみる。予想とは違い、甘めではあるが、とてもあっさりした味付け。つゆの色は薄く(白醤油を使っているのかな)、かしわはしっかりと煮込まれている。青葱を絡めていただくとそれぞれの素材の風味と食感が一緒になってなかなか旨い。他には無い丼だ。最近はどんな丼物を食べても過剰に濃い味付けのものが多いので、こういう味付けのものを食べるとホッとする(←歳をとった証拠か…)。(勘定は¥850)

この後の記事はこちら

 

宮鍵

名古屋市中村区名駅南1-2-13

(みやかぎ かしわうなぎ宮鍵)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

洋菓子 ボンボン @名古屋市東区・高岳

2014年06月21日 | 名古屋(東区・北区 老舗)

Photo_4

隣の中華料理店「天津楼」で食事をした帰りに家族にお土産をと、「ボンボン」の洋菓子店に寄る。さすがに遅い時間とあってショーケースの中は空きが目立っていた。今どきのお洒落なケーキとは全然違うが、妙に親しみを覚える昭和のケーキ群。そのスタイルをずっと変えていないというのが素晴しい。小さめではあるが、値付けも「ふた昔前」という感じで安い(¥250~)。全部買って帰りたくなるが、その中から、モンブラン、サバラン、ハワイアン、チョコレートケーキを購入。ついでにカウンターにあったバウムクーヘンも買って箱に入れてもらう。

帰ってから子供にひとつづつ、あとは嫁と2つを分けて食べた。モンブランは昔懐かしい黄色のマロン・クリーム。中にはカスタード・クリームが入っていた。サバランは口に入れると滲み出るほどしっかりお酒が効いていて大人の味。どちらもしっかり甘く、昔懐かしい味。バウムクーヘンは最近ふわふわの軽いタイプが流行りだが、ここのはしっかりクラシック。もちろん周囲には砂糖があるタイプ。しっかりとした密度と甘さで、自分が飲む濃いめのコーヒーにはぴったりだった。(勘定は¥1,220)

この後の記事はこちら (2)(3)(4

 

ボンボン

愛知県名古屋市東区泉2-1-22

 

(洋菓子ボンボン、ボンボン洋菓子部 ボンボン喫茶部 喫茶ボンボン 純喫茶ボンボン)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする