ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

一八本店 @名古屋市中区・上前津

2014年06月01日 | 名古屋(中区 老舗)

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名古屋随一の商店街「大須商店街」から南に行くと、通称「仏壇通り」と呼ばれる通りがある。その名の通り、近辺は何処を歩いても仏壇屋さんか、仏具製造の店、問屋ばかり。どちらもけっこうな大店(ビル)ばかりで立派。最近まで知らなかったが、寺社の数では愛知県が圧倒的にトップなのだとか。当然、京都か奈良あたりだろうと思っていたのでびっくり。この界隈も寺が多く、大須商店街の華やいだ喧騒とは違い、独特な落ち着いた雰囲気。休日とあって休みの店も多く、閑散としたその通りを歩いて、この地方の有名なうどん屋系列のひとつの本店とされる「一八本店」へ。創業は明治23(1890)年との事。店舗の裏側に駐車場あり。

開店してすぐの時間だが、店にはすでに先客が。タクシーの運転手とお客さんという異色の2人(笑)。椅子に腰かけるも厨房の方はまだ開店直後の準備と世間話に忙しそう。その間に独特な手書きの品書き(察してください)を眺める。女将さんに王道の「きしめん」を注文。その後にも次々と地元の方らしいお客がゆるーい感じで入ってきて席が埋まっていく。

しばらくしてきしめんが運ばれる。これこれ、この見た目。自分のきしめん原体験は小さい頃の名古屋駅地下街にあった店(店名知らず)だが、母によるとけっこう好物だったらしく、しばらくの間、どこでもきしめんばかり注文していたそう。幅広の麺に濃い色のつゆ。茹でたほうれん草に甘く煮た揚げ、そしてたっぷりかかった花鰹節。つゆはたまり醤油由来の濃い色とやや甘い味付け。出汁感もあるのだが、最近のうどんとは違い、これでもかという魚介の風味はない。それを鰹節の香りと風味が補っている感じ。揚げはしっかり甘く、濃い味付け。きしめんの独特の食感は、啜った時にちょっと口の中で暴れる感じで、今流行りうどんの「コシ」が強いものでは決してないが、かといってヤワで頼りない訳ではない。やっぱり旨い。これこそきしめん。長いことこういう昔ながらのきしめんって食べていなかった。つゆもごくごくと飲み干せてしまう。久しぶりにきしめんを見直したなぁ。(勘定は¥570)

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一八本店

愛知県名古屋市中区橘1-5-14

 

(いっぱちほんてん いっぱち いちはちほんてん いちはち 橘 たちばな 一八)

コメント (2)
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