ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

橘香堂 @岡山県倉敷市

2017年10月01日 | 岡山県

倉敷から岡山駅へ戻る前、最後に寄ったのは創業明治10年(1877)という和菓子の「橘香堂」。駅に突き当たる元町通という大きな通り沿いにビルが建っている。目当ては表の看板にも名前が出ている「むらすゞめ」というお菓子。創業当時に当時の倉敷町長だった翁に名付けられたという。店に足を踏み入れるとガラスショーケースの中に沢山の菓子が並べられていて、目当ての「むらすゞめ」がどこにあるか見当たらないほど。面と向かって急かされる訳でもないのでゆっくりと見て廻り、目当ての「むらすゞめ」を買い求める。

わざとすが立ったようなプツプツと穴のある編み笠のような形の皮には玉子と小麦粉が使われている。中に入っているのはあんこなのだが、姿だけ見ると洋菓子みたい。明治の初め頃はほとんどの菓子の皮が米粉だったそうなので、それと比べると随分とハイカラで貴重なものだっただろう。口当たりも軽く、すぐに粒あんに到達する。なるほどオリジナリティー溢れる旨い菓子だった。さぁ、色々廻ってヘトヘトになったので岡山駅に戻って新幹線で帰路につくとしよう。(勘定は¥140/個)

 


 

↓ 鶴形の住宅街に建つ「日本基督教団倉敷教会」(大正12年・1923・建造)。左側の2階スロープからもアプローチ出来るようになっている。ちょうど日曜礼拝の最中で、あまりウロウロ出来なかったが、なかなか風格ある建物だ。

↓ 日本最初の民間天文台だという「倉敷天文台」(大正15年・1926・建造)。設立したのは当時の倉敷町長だそう。倉敷の名士は違うねェ。国の登録有形文化財に指定されている。

↓ 全然古い建物とは関係ないが、自転車で散策していて笑ってしまった骨董屋「倉敷山陽堂アンティークモール。屋根の上に無数の「HMV(His Master's Voice)」のビクター犬「ニッパー」が首を傾げている。

 

御菓子処 橘香堂

岡山県倉敷市阿知2-19-28

 

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カモ井 @岡山県倉敷市

2017年09月27日 | 岡山県

倉敷の美観地区とその周辺を、レンタル自転車と徒歩でさんざん周って小休憩。休憩場所に選んだのは昼に食事をした「鶴形」の小路を挟んだすぐ隣、築150年の蔵を改造したという「カモ井」。店先にはサンプルケースがあり昭和チック。中に入るとよくある観光地の和風食事処といった風情でテーブル席が並んでいて広い。品書きを眺めると麺類、定食、丼物、寿司、郷土料理等、各種取り揃っている。せっかくだからちょっとお酒をいただきたいなと思っていたが、出来れば地の物をつまみにしたい。でもお腹にはそんなに入らない。なんて我儘を考えていると「ままかりすし」の単品が2貫から頼めると好都合。結局「ままかり寿し」を4貫と酒を冷や(常温)で注文。

外の通りは観光客で賑やかだが、窓からは倉敷川の景色とほとりを歩く観光客が見え、ほどほどに落ち着いていて居心地がいい。まだ暑かった頃だったので冷房の中で腰を下ろしていられるのが有り難い。すぐに銚子と猪口が運ばれ、まずひと口(銘柄知らず)。すぐに握りが4貫皿に盛られて出てきた。最初から醤油が塗られているとのこと。タネの上にはカットレモンが置かれていて小さめの握り。岡山名物のままかりはニシン科のサッパ(鯯)という青魚で、自分の住む中部地方ではあまり馴染みがない。酢締め加減は柔らかく、塗られているという醤油もあまり強くはなく、さっぱりとして旨い。食べずに終わっちゃうかなと思っていた「ままかり寿し」が食べられて嬉しいナ。(勘定は¥1,000)

 


 

↓ 「大原美術館」(昭和5年・1930建造)。建物の横幅は無いが、イオニア式のオーダー(列柱)が2本立つ迫力ある外観。

 

↓ 「珈琲エル・グレコ(旧・奨農株式会社本社事務所)」(大正15年・1926・建造)。奨農株式会社大原家の土地・不動産を管理する会社だったのだとか。蔦が全面を覆っていて異様。後から中に入ってコーヒーをいただこうと思っていて忘れて帰ってしまった…。残念。

 

↓ 「大原美術館」から倉敷川を挟んだ向かいに建つ「有隣荘(旧・大原孫三郎別邸)」(昭和3年・1928・建造)。邸内は春と秋に公開されているようだ。

 

↓ 「有隣荘」から小路を挟んだところに建つ「旧・大原家住宅」(江戸後期建造)。国の重要文化財に指定されている。それにしても何とも凄い大原孫三郎の財力。

↓ 「倉敷館(旧・倉敷町役場)」(大正5年・1916・建造)。現在は観光案内所、休憩所として使われていて、国の登録有形文化財に指定されている。

 

 

 


 

 

食事処 カモ井

岡山県倉敷市中央1-3-17

 

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平翠軒 @岡山県倉敷市

2017年09月24日 | 岡山県

倉敷で寄ってみたいと思っていたところに「平翠軒」がある。創業明治42年の「森田酒造場」に隣接する全国の旨いものを取り扱う店で、ずっと昔にここの商品を紹介したを買って読んだことがあり、いつかこういう店に行ってみたいものだと思っていた。風情ある町並みを歩き、一層狭い通りの向こうに黄土色をした洋館が見える。こちらは酒造の倉庫として大正時代に建てられた建物だそう。隣の黒壁の建物が昔ながらの酒造場。杉玉が3つぶら下がっていた。店舗は1階が売店、2階はギャラリーか喫茶になっているのかな。全国から集められた様々な食材や調味料、酒肴が所狭しと並べられている。これらの封を次々に開けていきながら立呑みしてみたいなァという妄想を抱きつつ(笑)、物色した。購入したのは、山形は「山一醤油製造所」の「あけがらし」(写真下左)と、石川は「西海水産」の「ほたるいかのいしる干し」(写真下中)、そしてこちらのオリジナルだという「酒宝あかひら」(写真下右)。

  

「あけがらし」は醤油醸造蔵の作った米麹、芥子、麻の実から出来たもろみ味噌のような調味料。辛さは少しピリッとくる程度で、豆腐や胡瓜にのせても良し、ご飯でも良し、そのままつまんで酒でも良し。プチプチとした食感があって旨い。これ、この醤油屋に江戸時代から伝わる秘蔵の伝統食で、何と本来は跡継ぎの新婚初夜にのみ作っていた強壮剤だったのだとか(笑)。「ほたるいかのいしる干し」は蛍烏賊が綺麗に丸ごと干されている。いしる(魚醤)の風味はあまり感じなかったが、噛みしめているとしみじみと旨い。自分は蛍烏賊好きなので堪らない。ただ入れられていたプラスチック容器はペラペラでイマイチ。「酒宝あかひら」は見た目はからすみのようだが、鯔(ボラ)でなく銀ヒラス(イボダイの仲間らしい)の卵巣だとか。塩漬けではなく純米酒の酒粕と醤油に漬け込んであるそう。その分塩気が抑え気味で普通のからすみよりもコクが感じられる。コレ、旨過ぎ。ダメダメ、こんなの常備しといたら酒がどれだけあっても足りない(苦笑)。この店の商品、確かに吟味してあるだけあって魅力的な食材が目白押し。クーラーボックスでも持っていたら山ほど拾い上げて持ち帰りたいところ。(勘定は¥2,000程)

 

 

 


 

↓ 「中国銀行倉敷本町出張所(旧・第一合同銀行倉敷支店)」(大正11年・1922・建造)。登録有形文化財に指定されている。つい最近まで現役だったが「新児島館」として「児島虎次郎記念館」所蔵の文化財などを展示する予定なのだとか。

 

 

↓ 「三楽会館(旧・倉敷郵便局)」(明治35年・1902・建造)。こちらも現在は「大原美術館」に関連する建物のようだ。大原孫三郎ってスゴイ人だなァ…。

 

 


 

 

おいしいものブティック 平翠軒

岡山県倉敷市本町8-8

 

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鶴形 @岡山県倉敷市

2017年09月21日 | 岡山県

倉敷市の美観地区を散策。さすがに人気観光地とあって、国内外の老若男女で午前中からかなりの人出(大陸からの観光客が多かった)。昼食に選んだのは中心部にある老舗料理旅館「鶴形」の食事処。本当はこちらに宿泊するという選択肢も考えたのだが、結局宿泊は岡山駅だった。食事処は旅館に隣接しているが、あくまで旅館とは別のようで造作も新しい。格子のある窓側の席に案内された。店内はモダンでテーブル席主体。昼にいただけるのは月替わりのお膳料理と鯛茶漬けのみなので給仕の若い女性に「鯛茶漬け」をお願いした。

まだ口開けの客だったのですぐに運ばれた「鯛茶漬け」。厚みのある鯛の切り身が濃い胡麻だれにくぐらせてあり、ご飯の上に山葵、海苔、大葉などと一緒に盛ってある。添え物は酢漬けの蓮根と漬物。そのままでも、と書いてあったのでまずそのまま。鯛は素晴らしいが。たれが何しろ濃いので、鯛の風味はあまり感じられず。そこで急須に入った熱いお茶を丼ぶりに注ぎ、蓋をしてしばらく蒸らす。蓋を開けると鯛の表面は霜降りしたように薄っすらと白くなり、胡麻たれはお茶に溶けて独特の風味に。香りも立ち上がって旨そう。匙が付けられていたが、何だか子供っぽいので箸を使ってそのまま啜り込む。確かに旨いのだが、やはり厚みのある鯛の身と茶漬けは別な感じ。一体となって味わえるという感じではない。丼ぶりには蓋を受ける段が付いているのでそのままではやはり啜りづらく…何だかちぐはぐな感じに(←黙って匙を使え)。鯛茶漬けというと大抵が胡麻たれなのだが、もっと旨い食べ方があるような気がしてならない。(勘定は¥1,600)

 


 

↓ 「児島虎次郎記念館(旧・倉敷紡績株式会社倉庫)」(明治39年・1906・建造)。児島は洋画家で、パトロンは大原孫三郎。こちら今年いっぱいで閉館するのだとか。隣の蔵は「倉紡記念館(倉敷紡績株式会社原綿倉庫」(明治21年・1888・建造、写真下右)。どちらも登録有形文化財に指定されている。

 

 

↓ 結婚式場やホテルとして使われている「倉敷アイビースクエア(旧・倉敷紡績株式会社工場)」(明治22年・1889・建造)。広大な敷地内に改修された様々な施設が点在する。

 

 

 「オルゴールミュゼ・メタセコイア(旧・倉敷紡績株式会社事務所)」(明治22年・1889・建造)。オルゴール博物館として使われていたがこちらも営業を終了したもよう。何があった?

 

 


 

お食事処 鶴形

岡山県倉敷市中央1-3-15

 

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ふるいち 仲店 @岡山県倉敷市

2017年09月17日 | 岡山県

倉敷駅に着いたのはいいが、さっきのパンひとつではさすがに足りず、かといってまだ朝早いので開いているチェーン店で済ますというのも面白くなく…。そこで訪れたのが朝7時からやっているという”ぶっかけうどん”の「ふるいち仲店」。店によると”ぶっかけうどん”という名称を初めて使った創始がこの会社だとのこと(※諸説有り)。創業は昭和23年(1948)。現在は倉敷を中心に10軒以上の店舗があるようだ。本当は本店に行こうと思ったのだが、そちらは甘味専門のようでこちらへ。店は駅前のアーケード商店街にあり、まだ静かな商店街でここだけ元気に営業中。さほど広くない店内のテーブル席に座り、もちろん「ぶっかけうどん」を注文。こんな朝早い時間でもうどんを食べにサラリーマンらしき人達が何人も居たのが凄い。

すぐに配膳された「ぶっかけうどん」。こうした冷たいうどんに濃いつゆっていうのは地元東海地方では”ころ”と呼ばれてごく一般的だし、他の地方でもあるタイプなので、この食べ方の発祥ってどこなんだろうななんて考えながらうどんを一杯いただく。麺の上には刻み海苔、天かす、ウズラ卵の黄身、そして練りわさびが付けられている。しっかりとしたコシのあるうどんに濃いめのつゆ。うどんは冷水でしっかり絞めてあるので跳ね返るような食感。蒸し暑い朝だったので冷たい麺が心地いい。最初は大人しく、終わりがけには全部を混ぜていただいた。朝からうどんっていうのもいいもんだなァ。(勘定は¥470)

 


 

↓ 地元の名士・大原孫三郎が創立した美和にある「倉敷中央病院」。元々、倉敷紡績に努める社員の為に作られた病院なのだとか。その創立当時からの建物「美和保育園(旧・倉紡中央病院西外来院)」(大正12年・1923・建造、改修)◇。現在この建物は病院に勤める医師、看護師の為の院内保育所として利用されている。

 

↓ 同敷地内にある「倉敷中央病院リハビリ棟(旧・倉紡中央病院事務所棟)」(大正12年・1923・建造、改修)。同規模の建物でスタイルは統一されているが、設計は随分と違って楽しい。

 

 

↓ そのまた隣に建つ「倉敷中央看護専門学校(旧・倉紡中央病院医学研究棟)」(大正15年・1926・建造、改修)。窓枠の塗装色を含めてグッと柔らかい印象。それにしてもこの規模の建物を立て続けに造ってしまう当時の名士の財力と心意気は凄いもんだなァ…。

 

 

 


 

倉敷うどん ぶっかけ ふるいち 仲店

岡山県倉敷市阿知2-3-23

 

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キムラヤのパン 野田屋町岡ビル店 @岡山県岡山市

2017年09月13日 | 岡山県

岡山での朝。ホテルで朝食を準備してもらう事も出来たが、地元の人が通う店で調達したいと向かったのは「キムラヤのパン・野田屋町岡ビル店」。前日の晩にも歩いたのだが、このビルは民間市場のようで飲食店相手の卸売店が並んでいた。その建物の一角にあるこのパン屋さんは地元岡山のチェーン店。元々は銀座の「木村屋總本店」で修行した創業者が「岡山支店」として大正8年(1919)に開いた店なのだとか。現在は岡山市を中心として数多くの直営店があるようだ。まだ早朝だがホテルを出発し、こちらでパンを買って次の目的地「倉敷」へ電車で行こうという算段。まだ静かな街でここだけ明るい店に入ると店員1人で切り盛りしているようだが、すでに色々な種類のパンが並んでいる。中には滋賀県木之本町の「つるやパン」で食べたような「たくあんサラダパン」(つるやでの名称は「サラダパン」、パッケージの配色まで似ている)なんてのもある。何か接点があったのか、偶然の一致なのか…。銀座の木村屋のように酒種を使ったあんパンなども売っていたが、食べ歩きに影響してはと、人気だという「バナナクリームロール」1個だけ買い求めた。

岡山駅から乗った倉敷駅行きの電車には日曜日でも学生の姿が目に付く。バッグからパンを取り出し、外の景色を眺めながらいただく。柔らかいコッペパンは横に切れ目が入れてあり、中にバナナクリームが塗られている。バナナの香りからクリームの風味から、想像した通りの甘い味で、軽いのであっという間に胃の腑へ。やっぱりあんパンも買っておけば良かったかな。(勘定は¥116)

 


 

↓ 倉敷駅に着いて、駅前ですこぶるイイ感じのレンタサイクルを借り、街中を散策。鶴形にある銭湯「えびす湯(戎湯)」(建築詳細不明)。自動販売機からいくと現役だろうか。「ゆ」と赤い文字で書かれたライトが渋い。創業は大正時代中期だとか。中の佇まいは凄いらしい。いつか入ってみたいナ。

 

↓ 美観地区の外れにある幼稚園「若竹の園・園舎」(大正14年・1925・建造)。登録有形文化財に指定。さすがに敷地内には寄れないので写真はこれだけ。ひょっとして対象の建物じゃない?

↓ 有名な「美観地区」のみならず、外れた場所にもなまこ壁の屋敷や蔵、魅力的な近代建築が目白押し。恐るべし倉敷。凄いところだなァ。

 

 

 


 

 

キムラヤのパン 野田屋町岡ビル店

岡山県岡山市北区野田屋町1-3-3

 

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野村 @岡山県岡山市

2017年09月10日 | 岡山県

旅先に出ると、なんやかんやで”のべつ”食べ続けているような感じだけれど、この機会を逃す訳には…と思うと、少々疲れていてもホテルなんかではじっとしていられない(嫁にはそれが信じ難いそうだが…)。この夜もブラブラと岡山の賑わいを散歩。西川緑道公園付近ではイベントをやっているようで、沢山の若い人が屋外で呑んでいた(それともこれが岡山の普通?)。界隈の屋外テラスのある店で呑んでいる人もたくさん見え、なんだか岡山の人がみんな呑んでいるように見える(笑)。

岡山で食事といったらこの店を外す訳にはいかないかとやって来たのは「カツ丼野村」。創業は昭和6年(1913)と古い。名物のドミグラスソースカツ丼(デミグラスソースカツ丼)はこちらが発祥で、創業当時から出しているそうだ。店は和風の造りだが特に老舗らしさは無く、間口も意外と狭い。中に入ると券売機が置いてあり、そこで注文する品を決めてから着席する。うーん、いわゆる老舗らしい風情は皆無。普通サイズの1/2だという「孫カツ丼・ロース」というのがあったのでボタンをポチっと。券を給仕女性(女将?)に渡して一番奥の2人席に腰かける。こちらのテーブル、真ん中の窪みにに箸入れが固定されていて面白い。席にはメニューが用意してあるのだが、もう券を買っちゃったし、コレいつ見る為のものかな…(笑)。普通の玉子とじのカツ丼もあって、食べ比べ出来るセットなんてのもある。メニューも各国語で用意されていたりと色々システマティックになっている(実際大陸の客も多かった)。

さほど待たずに登場したカツ丼は、カツの上からポテっとしたドミグラスソースがかけられていて、上からグリーンピースが散らされている。カツの下には大ぶりに切られた茹でキャベツが敷いてある。ソースは色も味わいも濃く、カツにまとわりつくような粘度。いわゆる洋食のドミグラスソースと違い、ちょっと和の風味も感じられる味ととろみ。これで1/2のサイズだから普通サイズは結構な盛りだろう。添えられた漬物と、白味噌の味噌汁を挟みながら美味しくいただいた。(勘定は¥550)

 

 


 

↓ 泊まったホテルの近くに建っていた「岡山バプテスト教会」(昭和27年・1952・建造)。こちら中国地方にキリスト関係の施設が多いと感じるのは気のせいか。

  

 


 

 

味司 野村

岡山県岡山市北区平和町1-10

 

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庄や @岡山県岡山市

2017年09月07日 | 岡山県

岡山市での夜。もちろん呑みに出掛けないと。出来れば”地の物”を、”地の店”で頂きたいと探して寄ったのは岡山駅の南にある「大衆味いそ料理・庄や」。なぜか岡山駅近辺には”庄や”という屋号の居酒屋が何軒もあり、この店のすぐ近くにも同盟のチェーン店があるし、他にも2軒ほどあるようだ。店の前に自転車がいっぱい停まっているのは地元の人が多く集まっているからだろうか。暖簾をくぐるとカウンター席も小上がり席もほぼ満員の大盛況。店の人も困っていたが、カウンターの一番端っこを空けてもらい何とか着席。ちょっと厨房の裏側の事情がばっちり見えてしまう席だったのが辛い。店の雰囲気は落ち着いた大衆酒場そのもの。でも店員は7名程も居てみんな若くて活気がある。客は若いのばかりでなく、まさに老若男女という感じで、カウンターでしっぽりやっている老夫婦も居るし、後ろの小上がりのグループ客はかなり賑やか。

蒸し暑い中歩いて来たので、まずは生ビールをいただく。いつも1人だと瓶ビールだが、1杯あおってすぐに日本酒に切り替えようという算段。付き出しに出てきたタコの煮物がすこぶる旨い。もうこれで充分なくらい(笑)。そんな訳にもいかず、「八重垣」(姫路)の生貯蔵酒と「ままかりの酢漬け」をお願いする。酒は300mlの瓶。ままかりは焼き色が付いていて、頭からガブッといく。旨い旨い。「西貝のつぼ焼き」を追加。本当はもっと色々注文してみたいが1人なのでもどかしい(コレ、食べ歩きにつきものの悩み)。しかも先に食べたデミカツ丼が効いてきている…。本来なら熱燗に切り替えたいところだが、この日は蒸し暑かったからかどうにもそんな気になれない。しかもここからかなり時間がかかった。注文は通っているのだが、なかなかつぼ焼きが出てこない。そうすると酒肴の更なる追加も難しいし、酒の配分も難しく…(で、結局もちろん追加・笑)。やっと出てきたつぼ焼きは大きいのが2つ。ゴリゴリの食感と強い磯の風味で旨い。ただ待っている間に呑み過ぎた。残念ながらこのへんで。(勘定は¥4,000程)

 


 

↓ 「岡山城・西丸西手櫓」(慶長8年頃・1603・建造 ※国重要文化財)。「禁酒會館」横の駐車場の石垣のすぐ上に重要文化財が。

↓ 「ルネスホール」の向かいに建つ「宇野バス・表町バスセンター」(建築詳細不明)。年代は分からず、もちろん戦後の建物だろうが結構古い建物じゃないかな。

 


 

大衆味いそ料理 庄や

岡山県岡山市北区幸町9-10

 

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やまと @岡山県岡山市

2017年09月03日 | 岡山県

岡山市の近代建築を見て廻っている時に、大通りを中に入った所に何とも雰囲気のいい食堂を発見。特に店構えが古い訳ではないがなぜか惹かれるのは、こういう店に対する嗅覚が敏感になっているのかな(笑)。壁のガラスケースには少数ながらサンプルが飾られている。店の前にて軽くスマホで検索を入れてみると…、ビンゴ! 創業が昭和23年(1948)で、今では中華そばとカツ丼で有名な岡山市でも有名な老舗らしい。まさに自分が訪問先で真っ先に探すような歴史ある食堂だし、店の終了時間が近付いているようなので、大してお腹が減っている訳でもないのに店の中へ。中に入るとほぼ満員の盛況。かろうじてカウンターが空いていたので座らせてもらう。調理白衣を着た主人と奥さん、そして何人もの若い子らが立ち働いていて活気がある。中華そばを食べている人が多い(旨そうだなァ)。メニューを眺めると「カツ丼・小」という今の自分にうってつけの品があったので注文した。

岡山でカツ丼といえばデミグラスソース(こちらの店ではドビソースと言うのだとか)のかかったカツ丼。初めてのデミカツ丼がこういう歴史ある店で嬉しい。中華そばと同様に創業当時から変わらない味だとか。強面の主人は厨房内での若い子への指示も厳しく、それを優しい奥さんが上手に間に入って回している感じ。そんな厨房の様子を見ていると念願のカツ丼が渡された。ポテっとしたドビソースがかかって、グリーンピースが彩りを加えている。カツは小さくカットしてあるが、小といってもしっかりした量で脂身の多い部分とそうでない部分が両方混ざっている。ご飯が少なめで(食べ歩きをしている自分には)ちょうどいい。ドビソースの味わいは見た目よりも優しく、そして深く、熱々のカツに絡んで、旨い旨い。もちろん普通のサイズであったとしても軽く食べられただろう。みんなが食べている「中華そば」も美味そうだし「カレー」や「やきめし」も食べてみたい。建物自体は古くないのに、しっかりと歴史を感じさせる店。また岡山に行ける機会が来ないかな…。(勘定は¥520)

 


 

↓ 路面電車が走る道沿いに建つ「ルネスホール(旧・日本銀行岡山支店)」(大正11年・1922・建造)。風格あるコリント式オーダー(列柱)が並ぶ。観ていた時は全然気が付かなかったが「エンタシス柱」(真ん中が膨らんでいる柱)なのだとか。現在は文化芸術拠点として利用されている。元の公文書庫を利用したカフェもある。

 

 

 

 


 

 

食堂やまと

岡山県岡山市北区表町1-9-7

 

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華光軒 @岡山県岡山市

2017年08月31日 | 岡山県

広島での取引先との研修旅行が終わり、翌日は休みを取って1人で岡山で途中下車(むしろここからが本番だという感じ・笑)。岡山駅を出て、予約したホテルにチェックインする前に向かったのは、創業が戦後すぐだという中華料理の「華光軒」。住所を頼りに店に向かうと、駅からすぐのアーケードのある商店街に行き当り、店と店の間のごくごく細い路地の先に赤い小さなテント屋根が見える(写真下左)。この荒れた看板の”通り抜けできます”(読めないが…)の先に店があるのだ。なんだかワクワク。

 

この路地がかなり細く店先の写真が上手く撮れないほど。赤い暖簾をくぐって中に入るとテーブルが2つ、カウンター席が6つ程の予想通り小さな店。優しそうなご高齢の主人と奥さんでやっていらっしゃる。外れた時間ではあったが先客は2組ほど。カウンターに座り、沢山のメニューから迷うことなく注文したのは「じゃじゃめん」。こちらの名物メニューだそうで、辛いもの好きにも人気がある岡山市民のソウルフードのひとつだとか。事前情報によると辛さを決める時に味見もあったりするそうだが、だいたい見当を付けて「2辛」でお願いしたらすんなりと注文が通った。大きな中華鍋に「じゃじゃめん」の餡がふつふつと煮立っている。しばらくして「じゃじゃめん」が登場。

とろみのついた餡が全面を覆い尽くしていて赤い。用心しながら餡を口に運ぶが、心配するほどのことはないじんわりとくる辛さ。箸で下から麺を返して混ぜる。汁気はなく軟らかめの麺の上に餡だけがかかっているのでボテっとしていて、麺は絡まる餡と共に持ち上がってくる感じ。しっかり熱いのでフーフー言いながら口に運ぶ。もやしと刻んだきゅうりがいい食感になっていて旨い。だんだん辛さがやってきてじわじわと汗が。この餡の辛さと旨味がクセになる気持ち、分かるなァ。頼めばもっと辛くもしてくれるようだ。主人の物腰も柔らかいし、奥さんはすぐにコップの水を足してくれ、とてもいい雰囲気。こんな店に「ヤァ」って入れるくらい通いたいなァ。他のメニューも旨そうだったが、ここで終わってしまう訳にはいかないので、綺麗に平らげて店を後にした。(勘定は¥800)

 


 

↓ 路面電車(岡山電気軌道)で「城下駅」まで行き、ずっと見てみたかった「岡山禁酒會館」(大正12年・1923・建造 ※登録有形文化財)へ。木造3階のこんな建物が空襲を逃れることが出来たなんて…。

 

 

↓ 大正の不況時に酒に溺れる人を救うために起こった”禁酒運動”の拠点となった特異な建物。1階はキリスト教系の店とカフェになっていた。中に入ってみればよかったナとちょっと後悔。

 

 


 

華光軒

岡山県岡山市北区駅前町1-1-11

 

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