倉敷から岡山駅へ戻る前、最後に寄ったのは創業明治10年(1877)という和菓子の「橘香堂」。駅に突き当たる元町通という大きな通り沿いにビルが建っている。目当ては表の看板にも名前が出ている「むらすゞめ」というお菓子。創業当時に当時の倉敷町長だった翁に名付けられたという。店に足を踏み入れるとガラスショーケースの中に沢山の菓子が並べられていて、目当ての「むらすゞめ」がどこにあるか見当たらないほど。面と向かって急かされる訳でもないのでゆっくりと見て廻り、目当ての「むらすゞめ」を買い求める。
わざとすが立ったようなプツプツと穴のある編み笠のような形の皮には玉子と小麦粉が使われている。中に入っているのはあんこなのだが、姿だけ見ると洋菓子みたい。明治の初め頃はほとんどの菓子の皮が米粉だったそうなので、それと比べると随分とハイカラで貴重なものだっただろう。口当たりも軽く、すぐに粒あんに到達する。なるほどオリジナリティー溢れる旨い菓子だった。さぁ、色々廻ってヘトヘトになったので岡山駅に戻って新幹線で帰路につくとしよう。(勘定は¥140/個)
↓ 鶴形の住宅街に建つ「日本基督教団倉敷教会」(大正12年・1923・建造)◇。左側の2階スロープからもアプローチ出来るようになっている。ちょうど日曜礼拝の最中で、あまりウロウロ出来なかったが、なかなか風格ある建物だ。
↓ 日本最初の民間天文台だという「倉敷天文台」(大正15年・1926・建造)◇。設立したのは当時の倉敷町長だそう。倉敷の名士は違うねェ。国の登録有形文化財に指定されている。
↓ 全然古い建物とは関係ないが、自転車で散策していて笑ってしまった骨董屋「倉敷山陽堂アンティークモール」◇。屋根の上に無数の「HMV(His Master's Voice)」のビクター犬「ニッパー」が首を傾げている。
岡山県倉敷市阿知2-19-28
( 岡山 おかやま 倉敷 くらしき きっこうどう 橘香堂本店 御菓子司 むらすずめ 近代建築 日本キリスト教団倉敷協会 ビクター犬 日本ビクター Nipper )