ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

勝利亭 (4) @名古屋市西区・那古野 (※閉店)

2019年05月03日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

堀川に架かる五条橋の西詰、円頓寺商店街の入口の老舗洋食店「勝利亭」。創業は明治42年(1909)で、店名の由来が”日露戦争の勝利”からという110年もの歴史のある店だが、風の噂(ある店で食事をしている時に近くに座った人の話が聞こえてきた)で近々店を閉めるという話を聞いた。最近は不定休みたくなっていて、店の前に行っても開いていないことが多く、営業することが多い火曜か金曜を狙っても外れることもあり、随分と足が遠のいていた。この日も営業しているかどうかダメモトで訪問。店の外に並びがあるところを見ると今日はやるようだ(ヨカッタ…)。これを逃したらもう来ることは出来ないかも、と並びに加わる。最近は表のカレンダーに営業日を載せているようで、見てみると4月中の営業日はたったの11日のみ(夜営業もほとんど無し)。

並んでいると、自分の前に並んでいた女性の場所に知人女性が「遅くなってごめーん。」としれっと合流。幼児と老人以外の待ち合わせは人数が揃ってから並び直すのが大人のマナーだと思うが、行列のある店ではよくこれをやられる。こういうのも自分が店の前で並ぶのが嫌いな理由だ。特にここのように調理にとても時間が掛かると分かっている店では1人、2人でも大幅に提供時間が遅れるし、合流される人数が多いと座ることさえ出来ない場合さえある…。並び損。

閑話休題。定刻に店が開き順に着席していく。テーブルは埋まり、1人なのでカウンターかと思いきや、小上がりに上がってくれとのこと。革靴を脱がなきゃいけないので嫌だナ…。もちろんすぐに相席になるが、自分の前に並んでいた人達の調理が全部終わってから自分の番だと思うとゲンナリ…。実際すぐに満席になり、給仕の女性が後から入ってきた客に「1時間以上あとになりますが…。」と案内していた。仕事があれば完全にアウト(幸いこの日仕事はなし)。注文は以前から食べてみたかった「チキンシチュー」と「ハイボール」に。他の客はやっぱり「オムライス」の人が多い。

もうこの店も見納めかァとしみじみ店内を見渡す。カウンター奥の飴色に時を重ねたバックバー(棚)の所は、よく見ると脇に階段があって2階に上がることが出来るようになっている。給仕の女性と他の客の話をそれとなしに聞いているとこの建物は賃貸だとのこと。意外。決して凝った装飾がしてある店ではないが、さすがにこのまま居抜きで使われることは無いだろうう。先客には自分が何度も訪問している飲食店の主人夫婦の姿も見えた(笑)。待って…待って…、45分くらい待っただろうか、先に「ハイボール」(食事と一緒に出してもらった)が、そしてやっと「チキンシチュー」が登場。「チキンシチュー」は”シチュー”とはいってもスープ物ではなく、鶏もも肉のソテーにたっぷりのデミグラスソースがかかっているもの。なので”ENDOJI・勝利亭”と銘の入った平皿に盛られている。ソースはコクと少し甘味があり角が無く、旨い。付け合わせは千切りキャベツ、トマト、キュウリ、そして同じソースを使ったスパゲッティー。これがなかなかイイ。狭い卓で胡坐をかいてナイフとフォークを使うのは苦行だが、しっかりと味わってハイボールも飲み干した。これで「ミヤビヤ」をメニューに載せる店がひとつ減ることになる。(勘定は¥1,500)

※残念ながら令和元年5月31日を以って閉店されました

以前の記事はこちら (1)(2)(3

 

レストラン 勝利亭

愛知県名古屋市西区那古野1-2-17

 

( 名古屋 なごや 円頓寺商店街 えんどうじ 五条橋 しょうりてい 洋食 老舗 レストラン オムライス カゴメケチャップ 100年食堂 ミヤビヤ ミヤベヤ 閉店 廃業 )


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