ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

かめ壽本店 @名古屋市中区・栄

2018年11月30日 | 名古屋(中区 老舗)

飲食店の立ち並ぶ名古屋・栄の女子大小路。通りを南下して瓦通に当たると「かめ壽(じゅ)」がある。正確な創業年は分からないが戦前らしい(昭和20年とも)。日曜休みだし、たまたま臨時休業日だったりして縁が無かった。この日は満を持して暖簾をくぐる。中はテーブル席が並ぶうどん屋らしい佇まい。一番奥に主人が立ち働く厨房があり、2階にも席があるようだ。古い店なのに店内に貼ってあるポップな手作りポスターが洒落が効いていて楽しい。先客が食べていた味噌煮込みうどんも旨そうだったが、入る前からきしめんが食べたかったので給仕の女性に「きしころ」を注文した。向こうに見える厨房では主人が大笊で麺を引き上げている。全て1人の作業だが動きに淀みなく、客への目配りもしっかり。BGMが全く無い静かな空間っていうのもイイなァ。

そんな老舗らしい落ち着いた雰囲気を楽しんでいると、しばらくして「きしころ」が登場。澄んだつゆが注がれた水面には三つ葉と甘く炊いた揚げが2つ。つゆは見かけ通りすっきりとしていて塩梅も完璧。あったかいつゆではないからか、きしめんで定番の少し甘めのつゆとは違うが、これは旨い。艶のあるきしめんは薄く打たれていてひらひらとして一見頼りないが、手繰ってみると弱いところが無い。旨いなァ。揚げ玉と刻み葱が添えられているが、この綺麗なつゆを汚したくない気にもさせられる(結局ちょっと使ったけれど)。値付けも高くないし、ひさびさに唸るほど旨いきしめんにありつけた。次は温かいきしめんか、味噌煮込みうどんか、それとも”自白してしまう”カツ丼か(←店内ポスター参照)。迷うだろうなァ。(勘定は¥650)

 

手打ち めん処 かめ壽本店

愛知県名古屋市中区栄5-4-1

 

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一冨士 @名古屋市中区・伏見

2018年11月25日 | 名古屋(中区 老舗)

用事が早く済んだ平日の午後。昼営業には遅く、夜営業には早い時間帯。最近は中休みを取る店ばかりで困ってしまうが、老舗には中休みを取らない店もまだ残っている。次の予定にはまだ時間が沢山あったので休憩がてら鰻屋を居酒屋代わりに使ってみた。店は伏見・広小路沿いの「一冨士」。創業は大正12年(1923)という。店に入るとさすがに客は1組の老夫婦のみ。テーブル席が並んでいるのでひとつに腰掛け、洋装の女将さんに「日本酒」(日本盛・特撰)と「きもてり」をお願いした。燗は温めでお願いすると「鈍燗(どんかん)でいいですか?」と確認されるのはこの地方の老舗らしい。すぐに袴をはいた徳利と猪口が用意される。ゆったりとして静かな店内で腰を下ろせる幸せ。

しばらく待っていると「きもてり」が到着。最近は鰻の高騰で肝焼きも値が張る酒肴になってしまったし、出てくる肝も貧弱な事も少なくないが、こちらのは来てみてビックリ、とても立派な大きさの肝の炙りたてが6つ程。甘辛のたれで焼かれた肝は何とも旨い! 思わず品書きを見返してしまったが物凄く値打ちだ。つい「う巻き」も追加。こちらの「う巻き」は崩した身が巻いてある大きいものが2つ。綺麗な色味で焼かれた玉子の部分は淡い味そのままで、身の部分の味付けも濃くはない。これもいいなァ。最高の小休止になった。他の酒肴も多いので、このまま他のつまみで呑んで鰻丼に突入したくなったが、予定があるのでこの辺で。また居酒屋使いしてしまいそう…。(勘定は¥1,750)

 

うなぎ ふぐ料理 一冨士

愛知県名古屋市中区栄2-2-7

 

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なも菓 秀松堂光楽 @名古屋市中区・伏見

2018年11月21日 | 名古屋(中区 老舗)

御園座の近くの交差点角にある煎餅の「なも菓秀松堂光楽」。本店は城西にあったが2年ほど前に店を閉めているようだ。こちらは昭和5年(1930)創業で、現在3代目だとか。ある夕方に煎餅を買って帰りたくなり、初めて寄ってみた。店の外には名古屋弁番付が看板になっている。なも菓の”なも”はその番付で横綱の位置にある「あのなも(あのねぇ)」から取られたのだろうか。どこかの市長が喋る名古屋弁は何だかべらんめぇ調だが、品のあるご老人が喋る名古屋弁というのはなかなか優しくて心地の良い言葉だ。それはさておき、店に入ると80年代風ポップスが流れ、品揃えも何だか煎餅屋ぽくない感じ。持ち帰る事の出来る小さい包みの物はないかなと物色すると「なも煎餅」という4枚入りの煎餅詰め合わせがあったのでそれを購入してみた。包みには件の番付(写真下)が載っていて楽しい。

2枚が麩焼き煎餅、2枚が堅焼き煎餅という内容。麩焼きせんべいの方はサクッとした食感で表面には焼き色が付いている。塗られた砂糖がほんのりと甘く軽い。堅焼き煎餅の1枚は醤油味で大葉の葉が付いている。葉も乾いているのだが、ほんのり大葉が香り旨い。もう1枚は同じ堅焼きだが海苔が巻いてある。甘くない醤油味でお茶請けにぴったりだった。(勘定は¥475)

 

なも菓 秀松堂光楽

愛知県名古屋市中区栄1-10-13

 

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八百彦本店 @名古屋市中区・栄

2018年11月03日 | 名古屋(中区 老舗)

観劇のお伴にはいつも弁当を買って持ち込む。新装なった御園座は歌舞伎座と同様に座席での飲食が可能になった。今回は名古屋の老舗仕出し屋「八百彦本店」の弁当を買い求めにわざわざ松坂屋の食料品売場まで下りる。こちら創業は享保年間(1720頃)というから凄い歴史。江戸時代、武士は外食する習慣がなかったので仕出しが重宝されたのだとか。なのでいわゆる実店舗は無く、貸座敷というのがいくつかあるのみのよう。百貨店は名古屋と豊田の松坂屋、そしてJR名古屋タカシマヤに出店している。売り場に並んだ弁当から選んだのは極々シンプルな幕の内弁当。ついでに酒の小瓶(清須・桜醸造「濃姫の里・隠し吟醸」)を調達して御園座へ。

 

歌舞伎の幕間に早速包みを開ける。安い弁当なのでプラスチックのパックなのは仕方がない。色とりどりだが地味なおかずが並んでいる(笑)。焼魚、煮物、和え物、芋、菜っ葉、根菜、玉子焼、そしてご飯には梅干し、山椒煮、ゆかりのトッピング。でも酒のつまみにするにはこれがちょうどいい。小瓶を開けて店で貰った猪口位の大きさのプラコップに注ぎ、ちょっとつまみつつ酒をやる。うん、”ハレの日”らしくなった。あまり呑み過ぎると寝ちゃうので注意しないと…。量も多くないし素敵な幕間になった。(勘定は¥1,200程)

八百彦本店 (松坂屋名古屋店)

愛知県名古屋市中区栄3-16-1 松坂屋本館地下1階

 

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丸一 @名古屋市中区・上前津

2018年08月29日 | 名古屋(中区 老舗)

創業が明治30年(1897)という長い歴史のある上前津の手打ちの名店「丸一」へ。以前から伺ってみたかったのだが、日曜休みの店なのでなかなか訪れる事が出来ずにいた。この日は仕事で近く(でもないか…)まで来たので地下鉄を途中で降りて、灼熱のアスファルトの上を歩いて店に向かう。暖簾をくぐって中に入ると、駅から近くない場所にも関わらず小上がり席以外のテーブル席は満席。主人の他に女性給仕が5人も居るのでその人気ぶりが伺える。1人で申し訳ないが小上がり席に腰を下ろして、流れる汗を拭いながら品書きを眺めた。こちら「桜天」という桜海老のかき揚げが有名。もちろんそれは注文しようと思っていたが麺をどうするか…。この暑さでさすがに熱いうどんは食べる気にならない。そこで「たらいうどん」の冷たいのと桜天を一緒に味わえる「桜たらいうどん」に決定。

しばらくして木製たらいに氷を浮かべた、いかにも涼やかな「たらいうどん」が運ばれた。つゆはけちらず徳利にたっぷりと入っている。水つきでつゆが薄まってしまうからだろう。薬味は生姜と刻みネギ。卓には容器に入った揚げ玉もある。しっかりと締められたうどんをつゆに浸けて手繰る。おぉ、さすが名にし負う手打ち名人の作るうどん。コシだけでなくアシ(伸び)もあり、のど越しも良い素晴らしい麺。旨いっ。麺とつゆだけで食べ切ってしまいそうなのを我慢して、次はかき揚げを。別皿の「桜天」は綺麗な色でこんもりと揚がっている。卓上の塩でももちろん旨いし、箸で割ってつゆにたっぷりと浸してもまた旨い。その桜天の風味が移ったつゆで食べるうどんがまた…。外が灼熱で体が塩分を欲しているのか、しっかり出汁の効いたつゆもゴクゴクといってしまう。旨かった。次はきしめんを味わってみたいナ。(勘定は¥1,100)

 


 

↓ 以前に観察した大津通り沿いの「リアルスタイル(旧・結核予防会診療所)」ビルの隣の元医院の建物(建築詳細不明)もなかなか味のある建物のよう。でもあまりの暑さに道を渡る気が起こらない。観察はまた次の機会に。

 

↓ 植木に隠れてしまっているが上前津1丁目の「由江美容室」(建築詳細不明)もすっきりとした外観でなかなか素敵な建物だ。

 

↓ 道を挟んだ向かいと、はす向かいにも年季の入った建物が(建築詳細不明)。前者は2階部分の袖壁?が特徴的。後者は元銭湯(旧「電気湯」)の建物。入ってみたかったナ。 

 


 

 

手打麺舗 丸一

愛知県名古屋市中区上前津1-12-26

 

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島正 (2) @名古屋市中区・伏見

2018年06月14日 | 名古屋(中区 老舗)

ふと店の前を通ったら中の様子が見え、いつものようにいっぱいではなさそうだったので思わず暖簾をくぐってしまったのは、伏見の創業昭和24年(1949)のどて焼き(味噌おでん)の店「島正」。いつも混んでいて店に入るのは4年ぶりくらい。変形カウンター席はほぼいっぱいの盛況で、少し詰めてもらい入口付近に腰掛ける。自分の後は数人入って満席になった。カウンターの内側には主人と女将さんをはじめ、若いのも2人居て大忙しの様子。涼しい夜だったので最初から「上等賀茂鶴」(広島)を常温でお願いする。近くの老舗「大甚」も賀茂鶴なのだが何かいわくがあるのだろうか。ちろりとコップが渡される。”どて焼き”と呼ばれる味噌おでんのタネは「豆腐」「里芋」「玉子」をお願いした。

平皿に盛られたおでんダネは串に刺さったまま。八丁味噌のつゆがしっかりと染み込んで濃く色づいている。こちらでいつも思うのだが、皿につゆは盛ってくれないのでタネだけ食べる感じになる。どうしてもタネが乾き気味になるので少しでいいから上からかけてくれると嬉しいんだけれど…(頼めばやってくれるのかな)。濃い見ためとは違って口当たりも味もあっさり。「串カツ」を2本追加。味噌でもソースでもOKだが、味噌で。カリッと揚がった串カツが、くぐった味噌でだんだんふやけてくるのも旨い。いつも腹が減っていない時に来るので食べたことがないが、次は「どてめし」か「どてオムライス」を食べてみようっと。(勘定は¥2,100)

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↓ 道の向こうに建つ、新築なった夜の「御園座」はこんな感じ。

 


 

 

どて焼き 島正

愛知県名古屋市中区栄2-1-19

 

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大黒屋本店 (2) @名古屋市中区・錦

2018年05月21日 | 名古屋(中区 老舗)

午後遅い時間に錦を歩いていて、休憩がてら「大黒屋本店」へ。繁華街のど真ん中にある和菓子の老舗。創業はなんと安政元(1854)年。老舗とはいっても店内は小さな菓子の売場と落ち着いた喫茶店といった感じの内装。店に入ると外れた時間とあって先客はおらず、腰を下ろして品書きを眺める。”氷”はもう出ていたが、まだまだ食べたいとは思わないくらいの陽気。ショーケースの中の生菓子を選んでいただくことも出来るが、結局給仕の女性に「抹茶」をお願いした。店内は少し薄暗く、静かにクラシックが流れ居心地の良い空間。歩き疲れたので落ち着いたこの空間が有り難い。

しばらくして扇形の盆にのって「抹茶」が運ばれた。大黒屋の代名詞「落雁」がひとつ付いている。コリッとひとかじりして「抹茶」をいただく。良い香りとしっかりとした苦み。「ふーっ。」と一息。普通だと誰も客が居ないとかえって落ち着かないものだが、時間的なのかいつもそうなのか、あまり給仕の方が近くにいらっしゃらないのでゆっくりと出来た。外は快晴で忙しそうに歩く人や、飲食店に納品をする業者の車がひっきりなしに停まる。そんな様子をボケーと見ながら贅沢な時間を過ごした。もうすぐ冷たいものを求める客でひっきりなしの季節になるだろう。(勘定は¥570)

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↓ 広小路通の「三井住友銀行名古屋支店(旧・三井銀行名古屋支店)」(昭和10年・1935・建造)。イオニア式オーダーが並ぶ建物の背は高くないが周りのビルを従える威厳がある。

 

 

 


 

大黒屋本店

愛知県名古屋市中区錦3-19-7

 

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スギモト本店 (2) @名古屋市中区・伏見

2018年05月15日 | 名古屋(中区 老舗)

御園座での観劇の前に創業明治33年(1900)という老舗精肉店「スギモト本店」に寄る。幕間の弁当をコンビニで買うのはつまらないし、御園小町で何か買うことは出来るだろうが、ギリギリの時間に行ってひょっとして大混雑だと嫌だなとこちらで先に買うことに(実際並んでいた)。弁当の売り始め時間も10時と早いし、歩いてもそうかからないので便利。店に入るとまだ弁当は並んでいなかったが「今出来ました!」とこれから並べるところだったようだ。高級弁当もあるが、比較的安価な弁当も揃っている。やはり牛肉をすき焼き風に味付けした弁当が多い。ふと目に付いたのは「黒毛和牛とチキンの玉子とじ弁当」。値段を見るとワンコイン+税とかなり安い。大きさも小さめでちょうどいいやと買ってみた。いつもなら弁当にはお茶を付けてくれるはずだが、無かったのは値段が安い弁当だったからか。

新御園座では歌舞伎座のように座席での飲食が可能なので、幕間に自分の席で弁当を開ける。歌舞伎座の席と違い足元の広さにかなり余裕があるのでまことに快適。弁当はさすがに安価だけあって牛肉の量は少なく玉ねぎと一緒に調理された肉片があるのみ。甘辛く味付けされているがさほど濃い味付けでなく食べやすい。錦糸玉子が敷かれていて刻み海苔は別パックで付いていた。出来てからそう時間は経っていないのでご飯に温かさも残っている。値段から入っているので想像通りの内容と満足度だが、やっぱり観劇っていちおう”ハレ”の日だから、次はもう少しお高い弁当を選ぼう(笑)。後から知ったのだが、あの「キュルノンチュエ」ってスギモトがやっているようだ。こちら本店でも買えるのかな。(勘定は¥540)

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↓「THE CONDER HOUSE(旧・名古屋銀行本店)」(昭和元年・1926・建造)。最近ウェディングやレストランのスペースとして生まれ変わった。中を見られるチャンスと思い扉を開けたが、エントランスからいきなりレストランになっていて中を見て回ることは出来ず。再生はめでたいが、それはそれで何だか淋しい話。

 

 

 


 

スギモト本店

愛知県名古屋市中区栄3-1-35

 

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キッチン・ゲラン @名古屋市中区・栄

2018年04月21日 | 名古屋(中区 老舗)

平日の昼に栄に居ることが出来たので歩いて日曜休みのこちらへ。丸栄百貨店の裏手の路地にある洋食屋「キッチンゲラン」。次々と店が変わっていく界隈にあって昭和の雰囲気を色濃く残すこちら、創業は昭和28年(1953)だとか(未確認)。店はコの字カウンターだけでこじんまりとしていて奥が厨房になっているようだ。棚にはキープしてあるものだろう角ウイスキーが何本も並んでいて年季が入っている。女将さんだろうか年配の女性がカウンターの中で常連客と、昔この狭い通りであったという火事の話なんかをしながら談笑していた。何にするか迷ったが、ランチタイムはメニューを絞られている様子。店内に掲げてあったので外看板にも書かれていたカレーを、と「カツカレー」を注文した。すぐにお茶と水、それに紙ナプキンとスプーンが用意される。

テレビのニュースを見ながら待っていると、奥のコックコートの主人から渡された「カツカレー」が登場。細目のパン粉でしっかりめに揚げられたカツがカットされ、丸く盛られたライスにもたれかかり、その上から半分くらいにカレーがかけられている。福神漬けに加えて紅生姜が添えられているのが面白い。カレーの中の具材は形がなくなるほどに煮込まれていて、肉も繊維状になっているものが見えるのみ。さっそく一口。複雑な旨味とフルーティーな甘さが同居していて、食べ易くも辛い。古い店にしては意外にもしっかりとした辛さ。これは旨い。カツはロース肉。カレーがかかった部分と脂の甘さの対比が堪らない(どうしてカレーとカツはこんなに合うんだろう)。掻き込むスプーンは止まらず、あっという間に平らげた。次は「オムライス」か「ミートソース」か「ハヤシライス」か、それとも夜に単品でビールっていうのもいいなァ。(勘定は¥1,100)

 

 


 

↓ 今年で閉店が決まっている「十一屋呉服店」として創業400年(!)、「丸栄」としても75年の歴史を持つ「丸栄百貨店。今は稼働していないが店内の2基のエレベーター扉に描かれたデザインは画家の東郷青児によるもの。壁面のモザイクタイル絵も貴重だし、あの村野藤吾が設計した建物なんだけど、やっぱり取り壊すんだろうなァ…。

 

↓ 屋上にある、丸に栄の文字が書かれた看板ももうすぐ見納めか(現在屋上はビアホールになっていて昼間は立ち入ることが出来ない)。

 


 

カレーライス・肉料理の店 キッチン ゲラン

愛知県名古屋市中区栄3-8-122

 

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両口屋是清 本町店 (2) @名古屋市中区・丸の内

2018年03月19日 | 名古屋(中区 老舗)

大須~栄近辺を自転車でウロウロした休日。最後に寄ったのは和菓子の老舗「両口屋是清・本町通店」。ビジネス街なので休日のこの辺りはスッカスカなのだが、この店の前には車が停まっては出て行く。特に目当ての菓子は無かったが中に入ってショーケースを眺めた。さっと暖かいお茶とお菓子を出してもてなしてくれるのはいつだって嬉しいものだ。この日選んだのは「銘菓詰め合わせ」。箱入りでこちらの定番商品3つが入っている。見ため地味だが、こういう菓子こそその店の基本と言っていいのだろう。

家に帰って嫁と一緒につまんでみる。まず「志なの路」。玉子の入った焼き菓子で中は小豆餡。長細くて口に運び易い。包みも含めて懐かしさが溢れる味。「よも山」は「志なの路」の大きくて丸い版といっていいようなもの。「旅まくら」はしっとりとした皮に胡麻が散らしてある。こちらも長細くて食べ易い。食べていると胡麻の風味がふっと立ち上がる。これらの菓子に使われている餡はいわゆる普通の小豆餡よりも色が薄く水分も少な目。どれも地味で正直映えないのだが、しみじみと旨くお茶にぴったり。小さめなのもちょうどいい。嫁も「美味しいねェ」と気に入った様子。なるほどこういう菓子にこそしっかりと実力が現れるんだなァ。感心。(勘定は¥1,000程)

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↓ 栄地区の再開発計画が進んでいる。近辺だけでも「中日ビル」「丸栄百貨店」「栄町ビル」「ニューサカエビル」の取り壊しが決定しているもよう。下は403年の歴史を持つ「丸栄百貨店」(昭和28年・1953・建造)。村野藤吾が設計。本館は焼け残った戦前の建物を増築しているんだとか。西側壁面にある圧巻のモザイクタイル画(何度見ても何が描かれているか全然分からないが・笑)も近く見納めなのか…。

 

↓ 隣に立つ「明治屋栄ビル」(昭和13年・1938・建造)は、4年程前にストアが撤退してすぐに取り壊されると思いきや、いまだに元のまま。

 

↓ 中古レコード屋と地下の飲食街で世話になっている「栄町ビル」(昭和39年・1964・建造)も取り壊し予定。すでにテナントは撤退が進んでいるようだが、昭和らしいデザインと親しみある飲食店がどうなってしまうのか…。

 

栄町ビルに入っている飲食店(一部)

・ジュース・サンドイッチ「うめや」※閉店
・とんかつ・ハンバーグ「いし河
・天ぷら「松月
・スパゲッティ「チャオ
・喫茶「ペリカン

 

 


 

 

両口屋是清 本町店

愛知県名古屋市中区丸の内3-14-23

 

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