ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

山中 @名古屋市昭和区・杁中

2024年01月25日 | 名古屋(昭和区・瑞穂区 老舗)

檀渓通を通った時に気になった店「山中」。表には目立つ看板とかは見当たらないので通っただけでは何の店か分からず、その場で調べて初めて和菓子の店と知った。創業は昭和9年(1934)で現在4代目だそう。そんなに歴史のある店だとは。どんな品を扱っているのかも分からなかったが思い切って暖簾をくぐってみた。表の感じと違って店内は梱包用の箱が置いてあったりして少々雑然としていて、菓子の陳列も品書きも何も無い…。奥から出ていらした若い主人は作業中と見えて手も粉だらけ。何があるかを口頭で教えてもらった。数は少なかったが、その中から「蕨もち」と「羽二重餅」を3つづつお願いする。

こんな分かり辛い外観の店だけれど、やはり知っている人は知っているようで、八事、杁中近辺の(と思われる・笑)やんごとなき奥様らが主人の運転する高級車で来て入って来る。「あんこといちご」(苺羽二重餅)なんてあるのが意外だなと思っていたが、常連客との話では「苺だけは手を出すまいと思っていたけれど(苦笑)、自分が食べておいしいと思ったから」と正直に仰っていた(笑)。

主人が奥に引っ込んでいる間、カウンターの上に置いてあったリキュールのボトルを何の気なしに眺めていると、出てきた主人が「あんこにかけると美味しいんですよ。」「お試しになられますか?」と。もちろんそんな面白そうなことを断る理由は無いので(笑)お願いした。もう一度奥に引っ込んだ主人が、いかにも嬉しそうな顔で戻ってきた。匙にあんこがのっている。まずひと口食べてからディサローノ(DISARONNO)のアマレットを少しかけてくれた。なるほど香りがいいリキュールと甘さ控えめのあんこが合わさって不思議な味わい。旨い。もう1本のコアントロー(COINTREAU)ももらって(笑)味わいの違いを楽しんだ。一見の客にこんなことしてくれるなんて面白い方だ。

家に持ち帰って妻といただく。真っ白な「羽二重餅」は別次元の軟らかさ。中の甘さ控えめなこし餡の肌理も細かく、口当たりが優しいというか、儚い。白玉粉や卵白が使ってあるとのことでふわっふわ。「蕨もち」は持ち上げるのも困難なほど軟らかい。表面をきな粉が覆っていて中にあんこが入っているが、全部含めてとろり、といった感じ。旨いなァ。自分の動線に無い店なのでなかなか機会を作るのは難しいが、また機会を作って寄ってみようっと。(勘定は¥2,200程)

 


 

↓ 五軒家町にある「鈴木家住宅」(昭和元年~昭和20年頃・1926~1945・建造、改修)。近くまで行ってみたが、塀や生垣に阻まれて建物を眺めることは叶わなかった。道路にせり出した木々の紅葉が素晴らしい(訪問11月)。主屋は国の登録有形文化財に指定されている。

 

 


 

御菓子所 山中

愛知県名古屋市昭和区檀渓通3-14-110

 

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亀吉廣 @名古屋市瑞穂区・堀田

2023年08月21日 | 名古屋(昭和区・瑞穂区 老舗)

以前からその風格ある佇まいが気になっていた和菓子屋、名鉄堀田駅から少し東に行った所にある「亀吉廣」。創業は昭和27年(1952)で現在3代目だとのこと。表のガラス引き戸を開けるとガラスショーケースの中に色々な菓子が並んでいる。出ていらしたのは若女将、奥にはとても御歳を召した男性が立ち働いていた(たぶん先代主人だろう)。「鬼まんじゅう」が人気だとのことだが、この日はその気分ではなかったので、「最中」と「黒糖まんじゅう」をお願いする。「最中」は最中種が”大菊””大鶴””丸亀”の3種類、中の餡も”こし餡””つぶ餡””みどり餡”と3種類もある。選んだのは”丸亀”の”こし餡”。餡をその場で詰めてくれ、包んでくれる。

家に持ち帰って妻といただく。「最中」は最中種(皮)のフォルムがとても可愛らしい(写真上)。長生きでめでたい甕をモチーフとしているので、甲羅の後ろにはしっかりと毛(実際は藻だそう)も表現してあり、腹には”よしひろ”と平仮名が。中はつやのあるこし餡。持ち帰るのに時間が経っているので最中種と馴染んでいい感じ。「黒糖まんじゅう」は小振りで薄茶色の皮。これもこし餡だが、口に含むとじんわりと黒糖の風味が広がった。次は季節の菓子を目当てにまた寄ってみようっと。(勘定は¥600程)

 

 


 

↓ 店のはす向かいに建つ「熊子歯科醫院」(建築詳細不明)。地味な外観だが、木枠の窓や入口のガラスに縦に書かれた医院名など、懐かしい雰囲気のある建物。

 

 


 

 

御菓子所 亀吉廣

愛知県名古屋市瑞穂区惣作町2-12

 

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つくは祢屋 @名古屋市昭和区・吹上 (2)

2023年03月06日 | 名古屋(昭和区・瑞穂区 老舗)

昭和区の阿由知通沿いにある歴史ある和菓子屋「つくは祢屋」。創業は天明元年(1781)と200年以上の歴史がある。以前はこちらの名物「そぶくめ(曽福女)」を購入して味わったが、今回はこちらも有名な「ういろ」を買おうと近辺を散策した折に店に寄ってみた。晴天だが寒い中を歩いて到着。店に入ると女将さんが出ていらして、すぐにういろを2種類試食させてくれた。選んだういろは「上(あが)りういろ(こしあん)」、「全味庵(最中)」、そして「志る古」。

家に持ち帰って抹茶を点てて、箱に入った「上りういろ」を切って分け、妻といただく。ぷるぷると弾力のあるういろはしっとりとした中にも滑らかな口当たり。思ったよりも甘さは控えめな感じだ。旨い。昔はういろうは苦手だったけれど、最近はよく食べるようになってういろうにも色々あるってやっと分かってきた。でもお茶は煎茶でも良かったかも。「全味庵」は菊花のような花びら模様の最中種を使った最中。中は照りの強いつぶ餡。「志る古」は冬季限定で、椀に入れてお湯をかけて戻すタイプのもの。これは賞味期限が長いのでまだ食べていない。以前にコメントで勧められた干菓子を買い忘れてしまった。次はその干菓子の「橘」と、予約が必要だが「筑羽根 (つくは祢)」を買ってみよう。(勘定は¥1,900程)

以前の記事はこちら (1

 

 


 

↓ 散策していて街中にふと見付けた「善功院(曙御白龍様)」(建築詳細不明)。目立つ案内も看板も何も無いので奥にリアルな白蛇を見つけた時には驚いた。後から調べてみると「熱田神宮」の弘法大師祈祷の御神木を御尊像とする由来があるとのこと。

 

 

↓ 阿由知通沿いにある「小林医院」奥の建物(建築詳細不明)。瓦屋根の日本家屋の玄関横の間が洋館になっている。きっと医院の自宅じゃないかな(未確認)。

 

↓ 何てことないが空に向かってそびえる高い通信塔があまりに綺麗だったのでパチリ。「ドコモ阿由知ビル」の鉄塔(建築詳細不明)。ビルは低層だが1970年代の電電公社時代の物だそう。

 


 

御菓子所 つくは祢屋

愛知県名古屋市昭和区阿由知通2-5-4

 

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萩乃茶屋 @名古屋市昭和区・鶴舞

2023年02月03日 | 名古屋(昭和区・瑞穂区 老舗)

散策の途中、名古屋市の鶴舞(つるま)公園の中にある「萩乃茶屋」へ。こちら創業は大正4年(1915)だそう。鶴舞公園の開園が明治42(1909)年だから、開園して程なくして開業した歴史ある店だ。いつ頃の建物かは知らないが、ある程度年数が経っていそうな日本建築。店先の棚の下には田楽等を焼く焼台を囲む出店も設置してある。毛氈を敷いた店先でもいただくことは出来るが、さすがに外は寒いのでショーケース横の入口から中へ。中は後から造り足したと思しき新しめのスペースにテーブル席が並んでいた。家族でやっていらしゃるのか調理場には何人もの方が。お願いしたのはおやつ代わりの「木の芽でんがく」。本当は酒でも付けたいところだが、生憎この後に車の運転があるのでお茶で我慢。

しばらくして田楽箱に5本並べられた「木の芽でんがく」が運ばれた。串に刺さった豆腐は薄めで全体に濃い味噌だれを纏っている。最初から少し山椒粉が振られていたが、1本だけ溶き辛子なのが面白い。焼いた甘味噌は香り良く、旨い。個人的にはもう少し山椒が欲しいので卓上にでも置いてあれば良かったかな。溶き辛子で食べるってあまり無いんだけれど、意外に良かったので家でもやってみよう。こちら麺類、定食、洋食と揃っているので次は食事で寄ってみようっと。(勘定は¥500)

 

 


 

↓ 名古屋市最初の公園「鶴舞公園」(明治42年・1909・開園)

 

↓ 店からもほど近い「名大病院」側の公園の出入口に昔の橋の親柱っぽい物が残っている。「いしかは」と読めるが何を指しているのか調べてもよく分からなかった。

 

 


 

 

萩乃茶屋

愛知県名古屋市昭和区鶴舞1-1-20

 

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若雀 @名古屋市瑞穂区・桜山

2022年10月16日 | 名古屋(昭和区・瑞穂区 老舗)

瑞穂区の「名古屋市博物館」のすぐ隣にある和菓子の「若雀」。創業は昭和26年(1951)だそう。和菓子で屋号に”雀”と付くからにはと調べてみると、住吉にあったという「雀おどり」の支店(←「雀おどり總本店」の親類だとか)の系譜のようだ(未確認)。店先に自転車を停め中へ。ご高齢の女将さんがいらっしゃった。店内にはガラス・ケースの中にいくつもの菓子が並んでいる。しっかり見ていないが洋菓子っぽいものもあったような。気温が高くて(訪問:夏)生菓子は持って帰れないので、こちらの名物の手造りういろうの中から「黒糖ういろう」を1棹と、「猫のお手つきあゆ」という鮎菓子をお願いした。女将さんが奥の息子さんに注文を伝えて品が運ばれ、包んでもらう。

家に持ち帰って開封。箱に入った「黒糖ういろう」はしっかりと黒糖の香ばしい香りが。一般的なういろうに比べるとちょっと軟らかめの食感。口に入れると黒糖の独特の甘味がしっかりとして旨い。「猫のお手つきあゆ」は”若鮎”と書かれた透明な包みに巻かれている。鮎の体型はずんぐりの落ち鮎型。その鮎に猫の足跡の焼き印が入っていて可愛らしい。鮎菓子好きで猫好きな妻にもピッタリの菓子だった。(勘定は¥1,000程)

 

御菓子処 若雀菓子舗

愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂通1-28

 

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オランダ @名古屋市瑞穂区・新瑞橋

2021年05月02日 | 名古屋(昭和区・瑞穂区 老舗)

瑞穂通の「銭屋」へ行って食事をした後に、同じ瑞穂通沿いにある近くの洋菓子屋「オランダ」へ。こちら昭和27年(1952)にカステラ屋として創業して、現在3代目だという歴史のある店。そんな店だけあって昭和の人間には懐かしいケーキがまだ残っていると知って寄ってみた。店の横の駐車場に車を入れ店内へ。手を消毒してからガラスショーケースの中を覗き込む。その目当てのケーキとは”たぬきケーキ”。かつて小さい頃にはよく見た覚えがあるが、最近は全然気にもしていなかった。何でもこの形のケーキは全国に分布しているらしいが、扱っている店はどんどん少なくなっているらしい。ただそんな昭和ノスタルジックなケーキがここのところちょっと注目されているのだそうだ。こちらにもその茶色いケーキがずらっと並んでいて、つぶらな瞳がこちらを見上げている。こちらでの名称はシンプルに「たぬき」。通常のチョコの他に”いちご”というピンク色のもあったので、妻の分と2つ購入して家に持ち帰った。

妻も久しくこのケーキを見ていなかったらしく「あー、コレコレ。」と。なんでも妻がいつも見ているテレビ番組に、最近たまたまこのケーキが登場したのだそう。グッド・タイミング。早速フォークを入れていく。土台はクッキー生地で、耳はアーモンドスライス、しっぽはナッツかな。しっかりと厚めにチョココーティングしてある。こういう顔の付いたケーキにフォークやナイフを入れるのは何となく嫌な感じだが(笑)、中はスポンジ。昔食べたことのある人は知っているだろうが、このケーキのクリームはバタークリーム。その昔、まだ生クリームが一般的でなかったころは、ほとんどのケーキはバタークリームを使っていたと思う。正直言って自分は小さい頃あまり得意ではなかった。ましてやどんどん生クリームのケーキばかりになってくると、その独特の味が余計に野暮ったく感じられて、バタークリームのケーキに当たるとがっかりしていた覚えが…。こちらの「たぬき」はそんな昔の記憶を思い起こさせることなく、風味良くとても旨い。昔のままなのか、それともバタークリーム自体が洗練されたのかは分からないが、下手な植物性ホイップクリームを使ってあるケーキなんかよりもずっと旨い。気に入った。他でも探してみようかな。(勘定は¥418/個)

お菓子工房 オランダ

愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂通8-1

 

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山田餅本店 (2) @名古屋市瑞穂区・桜山

2020年03月30日 | 名古屋(昭和区・瑞穂区 老舗)

久しぶりに名古屋市博物館向かいの「山田餅本店」へ。相変わらずのべつ幕なしに客が出入りする人気の店。名古屋で餅菓子を語る時にこの店は外せない。店に入ると端の方に搗いたばかりの柔かい餅が。正直餅菓子よりもそちらを買いたくなったが、自宅にはまだ正月用に餅屋で買った餅が冷凍庫に沢山残っているので断念。ショーケースの中から選んだのは「さくら大福」「うぐいす」「草餅」「桜餅」と春の定番商品ばかり3種2個づつ。相変わらずどれだけ雇っているんだか分からないくらい大勢の若い店員の娘さん達に告げて包んでもらう。

家に持ち帰って嫁と分けっこ。「さくら大福」は軟らかい皮にこし餡の大福餅。皮に練り込まれているのは桜の塩漬けかな。プンと香る特有の香りと口に残る独特の風味。旨い。「うぐいす」は綺麗なウグイス色をした粉を纏った皮につぶ餡の入ったもの。手でつまむと崩れてしまいそうになるくらい柔かい。明るい緑色をした皮が目に眩しい「草餅」は春らしく香りもたっぷり。あんこの量もたっぷり。「桜餅」はうるち米の粒感が残ったタイプ。包まれた塩漬けの葉っぱの酸味が効いている。さすがにどれも旨い。この店では季節ごとに沢山の種類の餅菓子が並ぶが、結局久しぶりに寄るといつも定番商品ばかり選んでしまい、全然他のものまで達しない。次こそは変わり種を…。(勘定は¥1,000程)

以前の記事はこちら

 


 

↓ 結構な雨が降っていたが、「城山八幡宮」近くの「昭和塾堂」(昭和3年・1928・建造)を再訪。以前は愛知学院大学のキャンパスとして利用されていたが2年程前から未使用状態に。雨樋も壊れたままで建物へのダメージが心配される。まさかこのまま放置とか…。

 

 

 

 

 

 


 

山田餅本店

愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂通1-18

 

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コンパル 御器所店 @名古屋市昭和区・御器所

2019年04月24日 | 名古屋(昭和区・瑞穂区 老舗)

名古屋のコーヒーを代表する喫茶店のひとつ「コンパル」。本店は大須だが、こちら御器所にある「コンパル御器所店」は本社もある建物なので他とちょっと趣が違う。ある日曜の午後に入ってみた。階段を上がって2階が店舗になっている。すでにランチタイムを過ぎた時間だが、席数も多い店内はほぼ満席の盛況。客層はカップルからグループ客、家族連れ、1人客など老若男女様々。相席はさせていないので入口近くには待ちも出ている。自分は運よくちょうど入れ替わりですぐに座ることが出来た。昭和な雰囲気を残す店内で、昭和な雰囲気を残すウエイターからメニューを受け取る(笑)。

コンパルといえば何といっても「エビフライサンド」や「コーチン玉子サンド」だが、こちらのコンパルは他の店舗と違い「ハンバーグ」や「あんかけスパゲティー」といった洋食メニューがあるのが特徴。なのでがっつりご飯を食べに来る客も多い。自分はもう昼は軽く済ませていたのだが、せっかく公共交通機関で来ていたので、ビールのつまみにしようと「メンチカツ」と「ビール」をお願いした。まずはビール(中瓶・アサヒスーパードライ)、それにカトラリーが用意される。店内の喧騒を感じながら冷たいビールで喉を潤していると「メンチカツ」が運ばれた。

平皿に盛られた「メンチカツ」は楕円の平たい形をしていて、半分くらいにデミグラスソースがかけられている。しっかりとした大きさもある。早速ナイフを入れてみると、硬くはないがしっかりと肉が詰まったような感じの昔風の作り(最近のは玉ねぎを多用してフワッとした口当たりのものが多い)。デミグラスソースはかなり濃いめの味付け。これも味の組立はクラシック。これをカットしたカツにたっぷりとまぶしながら口に入れ、ビールで洗い流していく。もちろん旨い。昼間の冷たいビールは効くなァ…。添えられた千切りキャベツやトマト、きゅうり、ポテサラも綺麗にさらえてちょうどビールも呑み終えた。まだ入口付近は混雑しているので急いで勘定してもらう。次はしっかりと食事で訪れよう。(勘定は¥1,190)

この後の記事はこちら (2

 


 

↓ 桜花高校の裏手にある建物(建築詳細不明)。日本家屋に板張り、袴屋根の洋館が合体した、戦前に多く見られた和洋合体の様式。何気に2階の”お多福窓”が素敵。

 

↓ コンパルから1本西の通りにある建物(建築詳細不明)。玄関部分まで洋風で、窓が広い(採光の為)のは元医院(想像)の建物ならでは。敷地内には立派な蔵も建っている。もちろん洋風住宅の象徴”シュロ”が植えられている。2階窓が塞がれていて、使われていないかもしれないがとても状態が良い。

 

 


 

 

コンパル 御器所店

愛知県名古屋市昭和区御器所通2-9

 

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丸太屋 (クック瑞穂) @名古屋市瑞穂区・桜山 (※閉店のち移転)

2019年04月09日 | 名古屋(昭和区・瑞穂区 老舗)

名古屋市博物館へ浮世絵の特別展「挑む浮世絵・国芳から芳年へ」(ポスター下)を観に行った。浮世絵は以前から興味があるので大型本や関連書籍も沢山所有しているが、怪奇系の浮世絵は実物を観賞するのは初めて。特別展はえらく人気のようで館内は人がいっぱい。結果順路に沿ってノロノロと並ぶようになってしまうのでやや苦痛(あれ苦手)。何でみんな時間がかかっているかというと(後から知ったが)会場内は写真撮影がOKなのだった。なのでみんな作品の前で何枚も(”映え”るように)写真を撮っていく。もうそれが目的になっているような人も居て…、なんだかなァ…(図録を買えばいいのに)。

観賞後の腹ごしらえは、博物館斜め向かいにある民営市場「クック瑞穂」へ。建物は古くないが、戦後の闇市の後に出来た「瑞穂百貨店」が前身で、かつては50もの店がひしめいていたという。平成3年にこの建物になったのだとか。当初はそれでも21軒あったらしいが、現在店舗数は減っていて中もちょっとくたびれた感じに(写真下)。

 

自分が向かった麺類食堂の「丸太屋」も以前は瑞穂通沿いにある独立した店舗だったようだ(博物館の外に昔の商店街の写真パネルがあった)。手打ちの店で、暖簾がかかった食事処の横には市場らしく生麺などの販売もしている。その横には麺打ち場があった。中に入るとカウンターに椅子が並んでいる。品書きから選んだのは「きしめん」。丼物も沢山あって本当は迷ったのだが、昼をとうに過ぎた半端な時間だったので沢山食べるのは止めておいたのだ。ご高齢のお母さんと息子さんが切り盛り。

ほどなくして「きしめん」が手渡された。水面には刻みネギ、飾り切りをした蒲鉾、わかめがのっている。花鰹は無し。麺は薄打ちでピロピロとした口当たりのもの。それでもだれていないのはさすが。つゆの色は濃くなく、「きしめん」ではしっかりと甘味を感じるつゆの時も多いが、こちらのはさほどではなくすっきりとした味わい。つゆの味が変わってしまったりするので麺類に入ったわかめは正直好きではないが、のど越しの良い麺はスルスルと入っていく。麺量がかなり多くて結局お腹いっぱいになってしまった(苦笑)。次は冷たい麺と丼物を頂いてみよう。(勘定は¥350)

 

手打めん処 丸太屋

愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂通1-6-1 クック瑞穂内

※令和5年2月14日に「クック瑞穂」の閉鎖に伴い閉店されましたが、牛巻団地商店街に移転して再開されました(令和6年7月現在)

 

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シューカドー (2) @名古屋市瑞穂区・堀田 (※閉店)

2018年09月26日 | 名古屋(昭和区・瑞穂区 老舗)

以前にコメント欄で瑞穂区の堀田駅前の老舗喫茶「シューカドー」が10月で閉店するという情報を教えていただいた。あんなに流行っている店が…とにわかには信じられなかったが、主人はご高齢だし、隣の建物も壁の崩落があって入っていた店が撤退するなどしていたので時代の流れというべきか。しばらくして公式に閉店の知らせが貼り出されたようで情報が現実に。家から遠くてあまり機会が作れるとも思わなかったので、残暑厳しい折りにわざわざ訪問してみた。昭和10年(1935)に「秀華堂」という菓子店として創業したというこの店。83年もの年月を数えてきた老舗がとうとう…。昭和37年には現在のビル(秀華堂ビル)になったそうだが、当時としたらなかなかの建物だったろうナ。相変わらず店の前には近所の方々と思しき自転車がわんさか停まっている。店に入ると半地下の席も中2階の席も相変わらず年輩の客でいっぱい。シャンデリア、船の舵や亀の剥製の飾り、ベロアのソファ、テーブルに置かれたコイン占い機など、まさに昭和の洒落た喫茶店の見本のようなインテリアは何も変わらずそこにあった。かろうじて空いていたテーブル席に腰かけ、前から食べたかった「カツ・サンドイッチ」と「コーヒー」を給仕の大陸女性に注文した。

カウンターの中では蝶ネクタイでキマッた主人と、女将さんが忙しそうに立ち働く。自分の隣のテーブルでは男勝りでガラの悪いオバハンが連れの女性らを相手に一席ぶっている。ちょっと土地柄が伺えて興味深い(笑)。この日は閉店の知らせを知ってか知らずか若い人の姿も。そして「カツ・サンドイッチ」と「コーヒー」が運ばれた。紙ナプキンには「Syukad」と書かれていて何だか微笑ましい。「カツサンド」は4切れ。脂身のあるロース肉と(たぶん)炒めたキャベツ、キュウリが挟んであり、ケチャップが塗られている。別でソースも置いてくれた。まだ熱いところをかぶりつく。アチッ。旨い。これと一緒に飲む「これぞ名古屋の古い喫茶店のコーヒー」といった濃くて苦いコーヒーもよく合う。ちょっとソースも垂らしてみたりして美味しくいただいた。あと少しの営業期間に機会が残っていれば鉄板スパや”カスタープリン”〔ママ〕なども食べてみたいが…。毎日のように集っている常連さんは行き場が無くなって困るだろうなァ…。(勘定は1,100)

以前の記事はこちら

※2018年10月15日を以って廃業されました

 

 

 


 

↓ 向かいの「名鉄・堀田駅」(昭和47年・1972・建造)構内はちょっと近未来的で昭和モダンな意匠が見もの。何だかカッコイイんだよなァ。でも名店街を含むテナントは次々と撤退してガラガラで寂しいばかり。

 

↓ 「シューカドー」と道を挟んで隣のこのカラオケ・チェーンの建物、よく見たらなかなか年季が入っていそうな建物(建築詳細不明)。素性はよく知らないのだが、裏に煙突があるのを見ても銀行か何かの建物だったんじゃないだろうか(昔の銀行建築には裏手に焼却炉がある建物が多い)。隣の銀行の旧社屋?…。

 

 


 

 

喫茶 シューカドー

愛知県名古屋市瑞穂区堀田通9-1

 

( 名古屋 なごや 堀田 ほりた 秀華堂 シュウカドウ 純喫茶 喫茶 カフェ cafe 鉄板スパ ランチ アイスクリーム 洋食 近代建築 閉店 廃業 老舗 喫茶店 )

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