ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

大須 寶寿司 @名古屋市中区・大須

2014年06月04日 | 名古屋(中区 老舗)

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日曜日の昼どき、大須観音の境内で行われていた骨董市をひやかし、老若男女がひしめくアーケード街へ。さすがに休日とあってどこの店も客が多く、とても賑やか。一時(と言っても20年以上前か…)は随分と寂れた印象を持ったこともあったけれど、最近の大須は飲食店に限らず路地の奥にまで様々な国籍の新しい店が出来ていて活気がある。近隣を歩いていて観光の案内板を読み、「大須」の地名のルーツが岐阜県にあることも初めて知った。さて、昼食を求めてうろうろするも、今日は大きな文字看板のある老舗の鮨屋「大須寶寿司(たからずし)」へ。

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以前読んだムックで「切寿司」が紹介されていたので一度食べてみたかった。そういえば小さい頃、親に連れられて名駅の地下街を歩いていると寿司屋のショーケースのサンプルに通常の一人前の握り鮨に加えて「切寿司=押し寿司」があったような…(あいまいな記憶です)。もちろん自分でお金を払って鮨屋を巡るようになっても、基本は握り鮨ばかり食べているので、名古屋の古いお店で切寿司を食べた事はない。昔はどこにでも普通にあったと聞いた事があるが、今も品書きに加えているところは他にあるのかな。

店に入ろうとしたもののあいにく客でいっぱい。人気あるんだなぁ。しばらくしてカウンターに空きが出来たので座らせてもらい、「きり寿司」を注文。年輩の方が多いが、みな「ちらし寿司」を召し上がっていらっしゃる。そういえば表に”お値打ち”と看板が出てました。カウンターの中では黙々と主人が寿司を握っている。隣には若い衆も。しばらくして主人が古い木枠を用意したので、自分のきり寿司だろうな、と予想する。タネのケースで手元は見えないが、グッと体重をかける仕草が見えたので間違いない。すぐに主人から鮨桶に入った「きり寿司」が渡された。

※ ちなみにムックでは「切寿司」、店のショーケースでは(たしか)「きり寿司」と表記されていました

四角に近いきり寿司が7つほど。ちょっと大きさと量にひるむ。寿司の上にはたっぷりと焦げ茶色をしたたれが塗られている。見た目では分かりづらいが、上にのっている具は煮穴子と玉子のようです。まず一口で放り込む。甘めのたれと酢飯が一体となる。最初はいわゆる煮ツメかなと思ったのだが、味わった感じではまるで八丁味噌のような味わいと酸味も感じる(確証も自信もありません)。たれの味が甘く、濃いので、途中で生姜を口に入れたり、お茶を啜りながら食べていく。ひと桶丸々同じ味なので単調になるのは仕方がないが、酢飯それ自体は素朴で、他にないたれとの組み合わせを楽しんだ。

次々と客が訪れ混んではいても、店内の雰囲気はのんびり。テレビで流れている「NHKのど自慢」とそれに反応しているお客さんに日曜を感じながら下町のひと時を過ごす。他にない味だから、この寿司の発祥に興味が湧いてきたなぁ。(勘定は¥700)

この後の記事はこちら (2

「にこみのたから」(ご兄弟の店)の記事はこちら

 

大須寶寿司

愛知県名古屋市中区大須2-17-7

 

( 大須宝寿司 寶壽司 宝寿司 寶鮨 おおすたからずし 切り寿司 切寿司 きりずし 味噌にこみたから )

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