ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

All Right Now : The Best Of Free

2014年06月16日 | クラシック・ロック

Free_540

All Right Now : The Best Of Free (1991)

ポール・ロジャース(Paul Rodgers)を中心としたブルース・ロック・バンド、フリー(Free)のリマスタリング・ベスト。アナログ時代を知っている人ならこの盤を聴いてビックリしてしまうかも。リミックス(リマスタリングでなく)を、かのボブ・クリアマウンテン(Bob Clearmountain)が手掛けていて、音像がガラッと変わっている。もともと彼らの音は、良く言えばグッと腰を落としてヘヴィー、悪く言えばモサッとして泥臭い。代表曲「All Right Now」にしても、アナログではドラムやベースの音が「突き抜けない」特徴があった。自分は完全に後追いだったので、80年代になって初めて彼らの代表作「Fire And Water」(1972)をアナログで買って聴いた時は、そのあまりにもクリアでない音作りがしっくりこなかった覚えがある。何しろ当時はシンセ全盛期で、ポップな音ばっかりだったから。アルバム全体にも暗いイメージがあり、映像で見た彼らも(Musikladenだったか…)垢抜けない感じだった。それはただ昔の音だからという訳ではなくて、そういう泥臭い音作りだったのだが(当時だってクリアな音は普通だった)。

それがこのCDでは霧が晴れたような明るい音。「All Right Now」ではドラムは差し替えかなと思うほど。最初にこのリミックス音源を聴いたのは、このCDではなくて、何かのコンピ盤だったので、かの曲を聴いた瞬間に「何だこれは!自分の知ってるフリーと全然違う…」と驚いた覚えがある。思うにその編集盤も、このCDも発表された90年代初めは、第1次リマスタリング流行期で、何でもかんでもデジタル・リマスタリングされ、音はいわゆるドンシャリ(低音と高音を持ち上げる)傾向にあった。このリミックス盤も同傾向の作業がされている。でもただ協調するだけではないので、バランスは悪くない。好みは分かれるだろうけど、初めにこれを聴いていたら違和感は無いだろうし、フリーって暗いなァなんて思わなかっただろうけど、昔からのファンにとっては違和感がありまくるだろうな、きっと。自分は大して熱烈なファンではないので、このCDを聴いて「気持ちいいな」と思ったのも事実。ファンには勧めないが、全然聴いた事ない人にとってはこちらの方もけっこういいかも。

01 Wishing Well
02 All Right Now
03 Little Bit Of Love
04 Come Together In The Morning
05 The Stealer
06 Sail On
07 Mr. Big
08 My Brother Jake
09 The Hunter
10 Be My Friend
11 Travellin' In Style
12 Fire And Water
13 Travelling Man
14 Don't Say You Love Me

中古店にて購入(¥540)

  • CD (1990/6/30)
  • Disc: 1
  • Format : CD, Import
  • Label: Island UK
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