ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

エミ @福井県大野市

2023年10月11日 | 福井県

福井県大野市散策。早い時間から酷暑の下、さんざん色々な所を歩いてヘトヘト(訪問8月)。大野市の方が「こんなに暑いの初めて」っていうくらいの陽気で商店街は誰も歩いていないぐらい。歩くと汗だくになるし、喉が渇く。市内の銭湯へ行く予定だったが、どのみち車なので”ひとっ風呂浴びて一杯”っていうのは出来ない。そこで事前に水分補給に向かったのは三番六間の交差点にある喫茶店「エミ」。特に調べた訳ではなかったが中に入るととても上品な雰囲気。天井にステンドグラスが埋め込んであり、絨毯の目も細かい。ペンダントライトが下がるテーブル席のシックな椅子に腰掛けた。店はご高齢の夫婦でやっていらっしゃる様子。お願いしたのは「コーヒーフロート」。

奥様が「コーヒーフロート」を運んできて下さった。ストローで啜ってみると最初から少しシロップが加えてあって甘味のあるタイプのアイス・コーヒー。コーヒーと触れてシャリシャリになっているバニラ・アイスをスプーンで剥がしたりしながら冷たいのを口に入れていく。ほっとひと息。落ち着いた雰囲気の下、だんだん汗が引いていく。飲み干して勘定してもらうと奥様がわざわざドアを開けて見送って下さった。(勘定は¥500)

 

 


 

↓ 満を持して高砂町にある銭湯「東湯」(建築詳細不明)へ。建物は昭和初期のものだそう(未確認)。積雪のある土地でよく保てるものだ。千鳥破風の入口横に松の木もあったりして「これぞ銭湯!」っていう感じ。中に入るとロッカーは木製で無施錠タイプ。快活な女将が切り盛りしている(大女将の姿も)。開いてすぐに入ったので先客無しのさら湯に浸かることができた。熱めの湯で気持ちがいいのなんの。湯気抜き天井は高く、深い浴槽、薬湯やジェットまであり、湯圧は強くないがちゃんとシャワーもある。途中で休憩して三ツ矢サイダーを買って飲み、後客が来るまでたっぷりとこの風情ある空間を独占した。サイコー!

 

 

(余談:ただ、帰りに駐車場から車を出す時に隣にギリギリで停められた車を避けて難儀してバックしている時に電柱に擦ってしまった…。車を傷つけたのは四半世紀ぶりか。480円の銭湯がウン十万円の高い出費に・苦笑)

 


 

コーヒー エミ

福井県大野市元町4-16

 

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伊藤順和堂 @福井県大野市

2023年10月07日 | 福井県

福井県大野市散策。風情ある建物が多く残る七間通りの和菓子屋「順和堂」を訪ねた。正確な創業年は分からないが150年を超えてるなんて情報も。広い店内のガラスショーケースには様々な菓子が並んでいる。店の方と客は「大野でこんな暑いの、初めてやわ。」なんて会話していた。確かに暑い(訪問8月)。こちら9月から発売されるという「いもきんつば」で有名。残念ながらまだ発売前なので「くるみゆべし」「五万石」「栗入りきんつば」を購入して家に持ち帰った。

いつもと同様に妻と分けっこ。「くるみゆべし」は進呈し、「五万石」と「きんつば」をいただく。「五万石」は黄身餡の入った饅頭だった。東海地方の人には「なごやん」みたいと言えば分かってくれるだろう。手に持つと崩れるくらいに軟らかいのが特徴。「栗入りきんつば」は極薄皮でつぶ餡タイプ。一般的なきんつばよりも軟らかめの食感。栗の粒感はあまり感じなかったが旨い。次は是非9月~4月の間に訪れて「いもきんつば」を買ってみたい。(勘定は¥1,380)

 

 


 

↓ 風情ある建物が多く残る元町の七間通り。アスファルトでなく石畳風なのもいい感じ。

↓ 七間通りを西に突き当たった先にある「はいから茶屋」(昭和12年・1937・建造)。織物業の製品検査場だった洋館を第三セクターが運営する軽食店として使用しているようだ。国の登録有形文化財に指定されている。塗り直されたばかりのよう。かつてもこういう色だったのかな。

 

 

 

 

 


  

 

 

御菓子処 伊藤順和堂

福井県大野市元町9-21

 

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福そば @福井県大野市

2023年10月03日 | 福井県

福井県大野市を散策。町の中心部、風情ある元町にある蕎麦屋「福そば」に入ってみることに。建物はまだ真新しいが、創業は昭和37年(1962)で、現在2代目だとのこと。暖簾の奥のアプローチから店内へ。現代的な内装の店内は昼には遅い時間にも関わらず、ほぼ満席の盛況ぶり。アルバイトの若い子も数名立ち働いている。空いていたカウンター席に案内され腰掛けた。注文したのはここでも「おろしそば」。こういう店だから値も高くなるのかなと思いきや、他と変わらない値付け。

程なくして「おろしそば」が登場。こちらも別の器に入ったつゆには最初から大根おろしが入り、蕎麦の上には鰹節と刻んな青ネギがのっている。つゆを回しかけて蕎麦を手繰る。大野産の蕎麦粉十割という蕎麦は黒くはないが、ごわっとした特有の口当たり。これも旨いなァ。つゆはおろしも辛くなく、そのまま飲めてしまうくらいすっきりとしたものなので、つゆをかけていても蕎麦の風味はダイレクトに感じることが出来る。何口かで手繰り終わり、つゆを少し口に含んで、了。次に機会があったらもっとシンプルに「ざるそば」にしてみようかな。(勘定は¥660)

 

 


 

↓ 元町の端にあった元銭湯の「鳳湯」(建築詳細不明)。こちらも「亀山湯」と同様の千鳥破風の日本家屋、総二階タイプ。廃業しているが裏手の煙突は残ったまま。表の「男」表示もそのままなのでまるで現役のようだ。ちょっと寒いくらいの時期の夕方にこういう銭湯に入ったら気分いいだろうなァ。

 

 

↓ 風情ある寺町通。その名の通り、右にも左にも寺院が連なっている。

 


 

 

そば処 福そば本店

福井県大野市元町11-4

 

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朝日屋 @福井県大野市

2023年09月29日 | 福井県

ポツポツと古い建物が残る風情ある福井県大野市元町の七間通りを散策。一番西まで到達すると古いブリキ看板のある商店を見付けた。創業が嘉永年間(1848-1854)という凄い歴史のある菓子屋「朝日屋」(正徳元年・1711という説も)。大野市の銘果「けんけら」はこちらが元祖なのだとか。店内に並ぶのはほんの数種の菓子のみ。その中からもちろん「けんけら」(写真下)を購入した。

どんな菓子かという前知識も全く持たず、帰ってから封を開ける。短冊状の菓子がねじってある。口に入れてみるとかなり硬く、素朴な甘味が感じられて旨い。どこかで味わったことがある味だなと思っていたが、愛知県犬山市の銘果「げんこつ飴」とよく似た風味。何でも永平寺の僧、健径羅(けんけいら)が師の為に作った菓子だとかでこの名前が付いたのだとか。粗びき大豆を砂糖、水飴で固めて乾燥させ、きな粉をまぶしてあるのだとか。なるほど原材料が同じだから風味も似るのか。お茶うけに時々ポリポリといただいている(硬いのでなかなか減らない)。(勘定は¥490)

 

 


 

↓ 七間通りには古い建物や老舗、リノヴェーションした建物が多く軒を連ねている。こちらは「柳屋薬局(やなぎや薬局)」(明治35年・1902・建造、改築)。建物は平成10年に綺麗にリフォームされている。この日は残念ながら閉まっていたが、古い木製看板等も掲示してあるのだそう。

 

↓ 三番通りと交わる交差点にある「EDISON CAFE」(建築詳細不明)。古い店舗兼住宅をリノヴェーションしたらしいが、元の様子が残っているかどうかは分からない。

 

↓ 風情ある一般住宅(建築詳細不明)。どういう由来のある建物かよく分からないが、建物の前に「越前之国 大野郵便発祥之地」「越前之国 大野藩札両替所跡」と書かれた石柱が立っている。

↓ 「南部酒店(南部酒造場)」(明治期・1868-1911・建造)。店舗の裏手の広い敷地には酒造場があり、国の登録有形文化財に指定されている。酒瓶を持って歩くのは嫌だったので後で買おうと思っていたら忘れて帰ってしまった。

 

  

 

 


 

朝日屋

福井県大野市元町2-7

 

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宇野酒造場 @福井県大野市

2023年09月25日 | 福井県

離れた土地に遊びに行った際は、そこに酒造があれば出来るだけ直接酒造に赴いて1本買って帰ることにしている。福井県大野市へドライブした際、立ち寄ったのは本町にある「宇野酒造場」。創業は元和5年(1620)とのこと。明治以前は「麦屋」という屋号だったのだとか。代表銘柄は「一乃谷」。店舗横の駐車場に車を停め中へ。黒くてどデカい金庫が置いてあったりして時代を感じさせる。奥から奥様が出ていらした。冷蔵の生酒等もあったが、この日はクーラーボックスも用意していなかったので火入れしてある普通酒を購入することに。選んだのは「一乃谷・上撰」の900ml瓶。

 

家に持ち帰ってグラスに注いでみる。かなりしっかりとした色付き。味わいはどっしりとしていかにも昔の酒といった感じ。結構しっかりと特有のひね香も感じられる。本当は燗をつけた方が良さそうなのだが、この連日の酷暑(訪問8月)でそんな気が全然起こらない。かといって冷やして呑むタイプの酒という訳でもなく、結局ずっと”ひや”でいただいた。次に機会があったら同じ「一乃谷」のもう少し洗練されたタイプを買ってみよう。(勘定は¥1,160)

 

 


 

↓ 「武家屋敷旧内山家」(明治15年・1882)。幕末に大野藩の財政再建に功績を残した内山家の屋敷。建物は公開されている。現在は瓦葺きだが、元は板葺きだったとのこと。離れは大正時代の建物だそう。明治に入ってからの建物がどうして武家の様式を備えたのか知らないが、やはり武家の家系としての矜持があったのかな。国の登録有形文化財に指定されている。

 

 

 

 

 

 

↓ 同じく武家屋敷の「旧田村家」の向かいに建っていた住宅(建築詳細不明)。あまり古い建物ではなさそうだが、よく見ると面白くて軒下はスムーズにひと続きになっているし、壁材が屋根瓦のような素材と形で造られている。他で見たことが無いタイプ。何か屋号のようなものが書かれた木板もあったが意図があってこうなったのかな。

 

↓ 城町にある現役の銭湯「亀山湯」(建築詳細不明)。総二階のような瓦屋根の日本建築で、大野市の銭湯の多くはこの様式の建物だった。残念ながら開くまでに時間があったので入浴は別の銭湯にすることに。こちらも入ってみたかったなァ。

 

 

 


 

 

宇野酒造場

福井県大野市本町3-4

 

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とみたや @福井県大野市

2023年09月21日 | 福井県

福井県大野市へのドライブ。福井といえば”おろしそば”。最初に入った「ときわ」でも食べられたけれど、”手打”と称するこちら「とみたや」で食べてみることに。路地を挟んだ向かいの駐車場に車を停めて暖簾をくぐる。店内は土間にテーブル席が3つ、小上がり席が2つとこじんまり。主人は木製の岡持ちをぶら下げてカブで出前に出て行った。給仕の女性に「おろしそば・冷」をお願いする。「量が少ないけどいいですか?」と尋ねられる。100gだそう(→大盛も出来る)。越前そばの標準はそのくらいらしい。連食なので願ったり叶ったり。仕切られた調理場で調理が始まった。出来上がるまでの間に品書きを眺める。こちらのカツ丼は玉子、ソース、しょうゆとの表記あり。

「おろしそば」が完成。小振りな器には水切りしたそばのみが盛ってあり、小鉢に大根おろしの入ったつゆが注いである。刻んだ青ネギと鰹節は別皿に。つゆを上からかけてしまうのが普通だろうが、ざるそばのようにしても食べられるな。自分は途中で全部投入。ごわっとした口当たりの平打ちの田舎そば。うん、旨い。大野在来そばで二八だそう。途中で薬味を追加しながら楽しんだ。おろしの辛味はほどほど。これは季節的なものもあるのかな。麺類食堂なのでそばとカツ丼以外にも、うどん、ラーメン、丼物、定食、洋食と、まだまだ食べてみたい品が沢山。(勘定は¥600)

 

 


 

↓ 店のすぐ隣の「伊阪医院」(建築詳細不明)。廃院だろうが古い医院には珍しく屋根までコンクリート打ちで、玄関脇には明かり取りのブロックガラスが埋め込まれたりしている。

 

 


 

 

手打そば・カツ丼 とみたや

福井県大野市春日1-4-17

 

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ときわ @福井県大野市

2023年09月17日 | 福井県

以前バイクで福井県まで行こうと思って出掛けたが、時間の都合もあって途中で引き返した。この日は最初から大野市目指して車でドライヴ。156号線から158号線に入り、九頭竜湖を通って大野市へ。白鳥町辺りはバイパスが出来ていて随分アクセスが良くなった。朝食代わりに寄ったのは神明町にある麺類食堂「ときわ」。同じ屋号の店が中心部の三番通りにもあるが、そちらは創業昭和14年(1939)だそう。こちらは郊外の上庄街道沿いにある。暖簾をくぐると中はテーブル席が4つに小上がり席が3つ。土間には音ばかり大きい据置型の古いエアコンが鎮座している。高齢の女性主人が1人でやっていらっしゃった。越前といえば「おろしそば」だがそちらは別の店でいただくことにして、お願いしたのは「カツ丼(味噌汁付き)」。

福井県でカツ丼といえば某Y軒のソースカツ丼が有名。それに対してここ大野市の店では「しょうゆカツ丼」なるものの幟が目に付く。ただしそれは所謂”町おこし”的に近年になってから開発されたもののよう。そういう場合、メニューにはご丁寧に「ソースカツ丼」「醤油カツ丼」「玉子カツ丼」などと最初から書いてある店が多い。こちらの創業年は知らないがそういう記述は無く、ただ「カツ丼」と書いてあってワクワク。さてどんなカツ丼が出てくるだろう。

しばらくして途中から手伝いに入った娘さん(多分)が「カツ丼」を運んできてくれた。蓋付きの丼に盛られている。蓋を開けてみると…玉子とじタイプのカツ丼。なるほど。カツは薄めで小さくカットしてあり、玉ねぎと共に玉子でふわっととじられている。カツの下味はしっかりめ。旨い。味噌汁は白味噌。一緒に出てきた自家製と思われる分厚く切ったきゅうりのぬか漬けがめっぽう旨い。丼を食べ、ぬか漬けを齧って味噌汁と繰り返し、綺麗に平らげた。こちら「オムライス」や「チキンライス」「やきめし」なんかの洋食もある。次に機会があったらそいういうのを頼んでみようっと。(勘定は¥800)

 


 

↓ 好天の下、九頭竜湖を眺めながら福井県まで。

↓ ロックフィルの「九頭竜ダム」(昭和43年・1968・建造)。元々は地名から「長野ダム」と呼ばれていたけれど「長野県」と混同されるので改称されたのだとか。そのすぐ下に位置するのは「長野発電所」(昭和43年・1968・建造)

 

 


 

 

ときわ (ときわ食堂)

福井県大野市神明町517

 

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