ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Space Is The Place (Cities And Memory) / Various Artists

2020年07月11日 | ワールド・アンビエント

Space Is The Place (Cities And Memory) / Various Artists (2020)

コロナ禍での”Stay Home”という呼び掛けは全世界的に広まり、様々なミュージシャンからのアプローチとして自身の音楽や映像を自宅で楽しんでもらおうと無料で公開するという動きがとても活発になった。自分が一番楽しんだのはキング・クリムゾン(King Crimson)のロバート・フリップ(Robert Fripp)が妻のトーヤ(Toyah)と一緒になって繰り広げる夫婦音楽漫才(笑)だったが、他にも期間限定とはいえ様々な企画がネット上に溢れた。これもそのうちのひとつ。どういう経緯でこの音源を知ったのかは忘れてしまったが、元々は人類の月面着陸50周年を記念して昨年の7月に発表されたもので、様々なアーティストがスプートニク、アポロ等の宇宙開発の歴史に関わる音声をサンプリングして作った音楽集。これが一時的にフリー・ダウンロードになっていた(※)。

ビープ音や交信音をサンプリングして使っていてどれもインストゥルメンタル作品。例えるとブライアン・イーノ(Brian Eno)の「Apollo」のような感じ。収録されている多国籍(らしい)のアーティストはグループなのか個人なのかも知らない無名のアーティストばかり。自分はふだん環境音楽的なものはあまり聴かないが、昔からアポロ宇宙船関係の話が大好物で、アポロ計画関係の書籍や映像のDVDを沢山集めている”アポロ者”でもあるので、曲中に出てくるビープ音や交信会話、ニュース音声などにも聴き覚えがあるものが多く、とても気分が上がった。細かいデータが無いので元音源が何かの説明が無いのが残念だが、アルバムとして統一感もあり楽しめた。

01 Echaskech - Star Gazer ISS 
02 Roberta Fidora - Huygens 
03 The Electromagnetic Chorus 
04 Sherman and Field - We Have Lift-off - From Sputnik to Launch 
05 Matt Rose - Blue Dot 
06 Things Being Various - That's The Kind Of Information We Like To Have 
07 Scott Wilson - Machine Futures 
08 Andy Billington - No.1 Rocket Kicker 
09 Paul Collins - This Is Not String Theory 
10 Primitive Acoustics - Sputnik Farewell 
11 Andy Lyon - Enceladus 
12 Karhide - The Computer Has Control 
13 Simon Woods - One Step 
14 Grey Frequency - Charged Particles
15 Millie Wissar - In Memory of the Grand Rosetta

フリー・ダウンロード(※現在は投げ銭式で有料)

試聴・ダウンロード先はこちら

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The Sounds of India / Ravi Shankar

2016年01月24日 | ワールド・アンビエント

The Sounds of India / Ravi Shankar (1968)

ジョージ・ハリスン(George Harrison)らとの関係でロック・ファンにも馴染みのラヴィ・シャンカル(Ravi Shankar)。ちなみに今をときめくアナウシュカ・シャンカル(Anoushka Shankar)や、ノラ・ジョーンズ(Norah Jones)は彼の娘。自分はつい最近までマハリシ・ヨギ(Maharishi Mahesh Yogi)とごっちゃになっていた(恥)。シタールという楽器にはストーンズ(The Rolling Stones)のブライアン・ジョーンズ(Brian Jones)から入り、ビートルズ(The Beatles)の曲や、ジョージのソロで少し聴いて知ったくち。音色や音楽は結構好きだが、いざ彼の音楽に触れようとすると、無数にあるアルバムや編集盤の中からどれを選択すべきか全く分からないので、今までにシタールが演奏されるアルバムを購入したことはない。

こちらのアルバムはたまたま中古店で見つけた、メジャーのコロンビア・レーベルから発売された”初心者の為のインド音楽の紹介”とでもいうような変則的なアルバム。どの曲の前にも欧米人向けに英語で簡単なインド音楽の説明がある。この声が彼の声なのかも知らないが、音楽として聴くには正直ちょっと邪魔。ラヴィ・シャンカルが実際にインド音楽家としてどの程度の地位にいる人なのかも知らないが、確かにタブラと組み合わさった音色と音階、それに(実際のところどうなのか知らないが)超絶技巧の複雑な旋律はクセになる。当時のロック・アーティストはどう捉えていたんだろうか。もちろん60年代後半にハマったフラワー・ムーヴメント渦中の欧米のアーティストは、(宗教的なものを別とすると)ドラッグの影響も大きかったとは思うが…。みんながこぞって「インド」に向かったのは今から考えてもちょっと不思議。

中古店にて購入(¥580)

  • CD (1989/8/9)
  • Disc : 1
  • Format: Import
  • Label : Sony

( ラビ・シャンカール ラヴィ・シャンカール ラビ・シャンカル アナウシュカ・シャンカール )

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Yigi Yigi / David Hudson

2014年02月18日 | ワールド・アンビエント

Hudson

Yigi Yigi / David Hudson (1997)

オーストラリアの先住民アボリジニの楽器「ディジュリドゥ」の奏者で第一人者でもあるデイビッド・ハドソン(David Hudson)のCD。若い頃は兄がシドニーに住んでいたので毎年のようにオーストラリアに遊びに行っていて、1ヵ月以上滞在したこともあった。そんな滞在時にストリート・ミュージシャンがセッションでこの楽器を演奏していたのを聴いて好きになった。芯が空洞のユーカリの木から作られる大きな笛のような楽器で(ジャケットで彼が持っているのがそれ)、呪術的な持続する低音が特徴的。生楽器なのにまるで電気化された楽器のように聴こえる時もあり不思議。生で聴くと空気の振動まで伝わってくるのでより感動する。確かこの楽器、女性は吹いてはいけないんじゃなかったかな(妊娠するとかしないとか・笑)。

ポップスの世界ではジャミロクワイ(Jamiroquai)が「When You Gonna Learn」でこの音を採用したのが有名。ちょっと取ってつけたような感じだったが、この音を世界に広めた事に間違いはない。デイビッド・ハドソンのCDは1枚だけ持っていて、そちらはパーカッションとの共演。特に分かり易いメロディがある訳ではないが、流して聴いていると結構気持ち良く、気に入っていた。やるものをやって聴いたらトランス状態になりそうな…。こんなのがブックオフにあるなんて珍しいと手に取って、このCDもそんな内容かなとあまり深く考えずに購入。帰りの自動車の中でCDをかけたら全くのディジュリドゥのソロのみで他の楽器は何も入っていないCDだった(よく見るとちゃんとジャケットにソロって書いてある)。助手席に乗っていた娘は「何コレ?」と大笑い。この楽器の音が好きなんだと説明しても、あまりの原始的な音の連続に、車中で彼女の笑いは止まらず。うーん、そうか。確かにソロだけ延々に続くのはちょっと退屈だし、民族楽器に興味がなければただの変な音かもしれない…。文明に毒された我々には他の楽器と共演した時の方がより楽しめるかも。でもこの音が好きなんだよなぁ。

ブックオフにて購入(¥250)

  • CD (2002/4/22)
  • Disc: 1
  • Format: Import
  • Label: Indigenous Australia
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