愛知県一宮市の麺類食堂「やぶ昇」(”ぶ”は変体仮名)へ。創業して54年だそう。地図アプリに導かれて店に到着したが、駅からは遠いし、大通りからは外れているし、周辺の道は住宅街で狭いしで、一見で到達するのは無理。こういう時にスマホは助かる。外看板の変体仮名で書かれた”きそば”の文字が渋い。暖簾をくぐって店に入ると、テーブル席が4つに小上がり席が3つ。給仕は若い男の子。調理場の様子は見えないが、話声から推定すると主人夫婦と息子さんだろうか。壁に掛けられた額入りの品書きや紙短冊を眺める。中華そば、丼物、おでんなんかもある。呑み客への注意書き(呑みだけは禁止)があったのは、居酒屋使いの客に困ったのだろうか。お願いしたのは紙短冊にあった「鴨汁ざるそば」。
しばらくして「鴨汁ざるそば」が運ばれた。碗に熱い鴨汁、せいろには締めたそば。刻みネギとわさびは別皿に。汁には鴨肉が4枚程とねぎ。そばは白っぽい色なので更科だろうか。刻み海苔のかかったそば切りを手繰って汁に浸して啜る。鴨肉の風味が移った汁は甘味があり、そばは喉ごし良く、旨い。鴨肉とねぎをつまみつつスルスルと啜っていく。途中で「そば湯はお飲みになりますか?」と訊いてくれたのでお願いした。とろみや濁りはあまりないそば湯を残った汁に足して綺麗に飲み干した。鴨ざるでこんなに安い値付けも珍しいし、セット物も値打ち。次は何を食べようかな。(勘定は¥950)
愛知県一宮市三条通12-12
( 一宮 いちのみや やぶしょう きそば 蕎麦 かもじるざるそば 鴨ざる 藪昇 麺類食堂 中華そば 丼物 味噌煮込みうどん )