ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

David Bowie Box / David Bowie

2014年06月28日 | クラシック・ロック

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David Bowie Box / David Bowie (2007)

デイヴィッド・ボウイ(David Bowie)の1995年の作品「Outoside」から2003年の「Reality」までの5作品に、それぞれボーナス・ディスクを加えた10枚組ボックス。ボーナス・ディスクに収められた音源も、様々な形態ですでに所持している音源ばかりだが、自分はこの時期のボウイを高く評価しているので、機会があったら手に入れようと思っていたところ、幸いオークションで安値で落とすことが出来た。

それぞれのアルバムはオリジナル仕様の紙ジャケットで、一応インナーも再現されている。収納されるボックスはデザインも地味でいまいち。もう少し何とか魅力的なものにすれば良かっただろうにと思う。この時期のボウイのCDは、現在では中古激安棚の常連で、オリジナル・アルバムは二束三文で購入することが出来るし、ボーナス・ディスクに収められた音源も入手はそんなに難しい訳ではないので、高値ではお勧め出来ないが、この時期をあまり聴いた事が無い人達にはぜひ見直してもらいたい充実した内容だし、上手にまとまっているのでお勧め。

ポップ・スターとしての地位を確立したが、先端をいくクールなアーティストというイメージからはかけ離れてしまった音楽的低迷期を経て、95年のボウイは急速にオルタナティヴに接近した。たぶんそのきっかけはナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)だと思う。その後一緒にツアーにまで出るようになるが、最初はトレント・レズナー(Trent Raznor)からボウイへの単純なリスペクト、それとボウイからの旬なアーティストへの関心というごく普通のアプローチだったはずだ。それから「大衆的な」ビッグ・アーティストに成り下がってしまっていたボウイが、オルタナティヴ・ミュージックに接触することによって我が身の醜悪さに気付かされた、と言ったら言い過ぎだろうか。

ブライアン・イーノ(Brian Eno)とのコラボ復活、ドラムンベースの採用、トニー・ヴィスコンティ(Tony Visconti)のプロデューサー復活、過去の楽曲からの引用など、自分の過去にも素直に向き合えるようになったボウイが、目立つヒット曲こそ無いが、肩の力を抜いて(あるいは売上げを気にせずに)自分の思うように次々とアルバムを製作した結果、日本やアメリカでこそやや売上げが落ちたものの、ヨーロッパでは好調で、音楽的評価も上がったようだ。その後、寡作になってしまったが、昨年「The Next Day」でまた劇的に復活したのは記憶に新しいところ。

このボックス・セット、とても上手くまとまっていて、まとめとしてはいい塩梅なのだが、紙ジャケットを採用したせいで取り出しが面倒臭いのと、ボーナス・ディスクが収納されたインナーがオリジナル・インナーと同じデザインなので、曲目の記述を探しても無く、収録された曲目が分かりづらいのが玉にキズ。ダサいデザインのボックスの片面にでも曲目表を付けてくれるとか、(自分は紙ジャケに思い入れは無いので)デジパック仕様だったら更に良かったのに…。

オークションにて購入(¥2,662)

  • CD (2013/5/14)
  • Disc: 10
  • Format: Box set, CD, Import
  • Label: Sony

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