ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

高木精肉店 @岐阜県不破郡関ケ原町

2023年03月07日 | 岐阜県(西濃・老舗)

滋賀県米原市の旧中山道・柏原宿を散策した帰りに立ち寄ったのは、関ヶ原駅に近い「高木精肉店」。この辺り、国道21号線とあって交通量は多いが飲食店は意外に少なく、いつも何を食べるかで困ってしまう。そこで以前から信号で停まる度に目立つ看板が気になっていたこちらですぐに食べられる惣菜を買うことに。駐車場は分からなかったので店先に車を停め店内へ。中に入ってびっくり、普通の精肉店だと思っていたのに店員は若い女性が何人も働いていて、ポップも沢山あり、自社製品の焼肉たれも販売している。肉も看板の”飛騨牛”はもちろん、豚、鶏も色々な銘柄があり、ジビエまで販売しているという活気のある店だった。生肉を買って帰る準備はしてこなかったので次回以降に譲って、「飛騨牛コロッケ」「野菜コロッケ」「メンチカツ」を購入して持ち帰った(もちろんいくつかは車の中でいただいた)。

帰ってからご飯と味噌汁、それに千切りキャベツを用意し、自宅で待っていた妻の夕飯は「コロッケ定食」にすることに(←自分はご飯抜きでウヰスキー)。ガスコンロのグリルの”揚げ物温め調理”機能を使って揚げ立てのように中まで熱々になった(←この機能は本当に便利だなァ)。「飛騨牛コロッケ」は粗目の衣。芋は少しとろっとした感じの食感。コロッケなので肉を強く感じる訳ではないが飛騨牛の脂だろうか、甘味があって旨い。「野菜コロッケ」はベジタブル・ミックスのような野菜が沢山入ったもの。こちらは普通にソースをぶっかけていただく。「メンチカツ」は松阪牛だそう。口に入れると染み出る脂。味付けはあっさりしているので肉の風味がよく分かる。といいつつ結局中濃ソースをかけたりするんだけれど、どれも旨かった。次は肉を買って帰ろう。(勘定は¥640)

 

 


 

↓ 中山道60番目の宿場、滋賀県米原市の「柏原宿」を散策。往時は22軒もの旅籠があったのだとか。風情ある町並みには往時を偲ばせる古い建物が数多く残っている。

↓ 街道沿いには家毎に看板が立てられており、その昔はどんな商売のどんな名前の人が住んでいたかが分かるようになっているのがとても面白い。

 

↓ 「旧・柏原銀行」(明治34年・1901・建造)。のちに滋賀銀行に買収され、寄贈された建物は近年修復されて公開されているのだとか。現在はデイケアセンターの看板が掛かっていた。

 

↓ 「柏原宿歴史館(旧・松浦久一郎邸)」(大正6年・1917・建造、改築)。時間の関係で中までは見なかったが、柏原宿に関する様々な品が展示されているそう。喫茶店も併設されている。国の登録有形文化財に指定されている。

 

 

↓ 柏原宿の名産だという艾(もぐさ)を商う現役の商店「伊吹堂 亀屋佐京商店。創業は寛文元年(1661)だそう。今もこの建物を商店として使っているのか知らないが、残念ながら外観のみで中を見ることは出来ず。

 

 

 


 

高木精肉店

岐阜県不破郡関ケ原町関ケ原904-13

 

( 関ケ原 関ヶ原 せきがはら たかぎせいにくてん コロッケ 惣菜 飛騨牛 ジビエ 焼肉 焼肉のたれ かしわばらじゅく なかせんどう 中仙道 登録有形文化財 )

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きびようかん本家 @岐阜県養老郡養老町

2022年06月08日 | 岐阜県(西濃・老舗)

せっかく雨模様の養老町に来たのだから、風情ある駅舎を観にと養老鉄道「養老駅」にやって来た。しっとりと濡れた駅舎と駅前の緑が映えてとてもいい雰囲気。普通だと周りから浮いてしまいそうな名産物の瓢箪で作られた「養老駅」の看板もしっかりと馴染んでいる。駅前にある「きびようかん本家」に寄ってみた。土産物屋なので羊羹以外の物も置いてあるこちら、養老線の開通に合わせ大正6年(1917)に創業されたのだとか。店に入ると優しげな女将さんが出ていらして、「雨は残念ですけれど、雨に濡れた緑や駅の建物もいいものですね。」と仰る。本当にその通りです。女将さんはスラスラと養老駅の説明や、特産品の説明をして下さった。目当ての「吉備羊羹」(写真下)を1棹お願いして包んでもらった。

暑い時期は冷蔵庫で保存下さいと言われていたので冷蔵庫に入れ、冷えたのを包丁で切っていただく。鮮やかな黄色はくちなしで色付けしてあるのだとか。原材料は、きいきび、寒天、はくざら(砂糖)のみ。これらは店頭にも展示してあった。少し粒感のある口当たりで、黍(きび)の香ばしいような素朴な風味が口に広がる。一般的な羊羹のイメージもあってもっと甘いのかなと思っていたが、甘味は抑えられている。熱いお茶と一緒にいただくと旨かった。食べてしまってからHPを見たら、凍らせたり、火を入れて温め溶かしていただいても美味しいのだとか。次はそんな食べ方も試してみようかな。(勘定は¥820)

 


 

↓ 雨に濡れる「養老駅」(大正8年・1919・建造)。向かって左側にあった「千歳楼」の売店と喫茶店跡は観光案内所にリノヴェーションされていた。あの古い売店、形だけでも残しておいて欲しかったな。鬼瓦にアルファベットでY(養老のYだとか・写真下4枚目)とあるのを「きびようかん本家」の女将さんが教えてくれた。

 

 

 

 


 

きび羊羹本家

岐阜県養老郡養老町鷲巣1568-2

 

( 養老 ようろう 養老駅 吉備羊羹本家 きびようかんほんけ 和菓子 ようかん きびようかん 黍 黍羊羹 近代建築 駅舎 土産物 土産物店 )

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魚勝 (2) @岐阜県羽島市

2022年05月05日 | 岐阜県(西濃・老舗)

岐阜県羽島市で100年以上の歴史がある川魚料理の「魚勝」に再訪。創業は明治末期だとか。店は木曽川と長良川に挟まれた地帯にあり、決して分かり易い場所ではないが、時分どきともなると来客でごった返す人気店だ。この日も自分が到着した時間はまだのんびりとしていたが、帰る頃になると客で溢れていた。靴を脱いで板間に上がり、まずは勘定場へ。こちらは先に注文会計を済ませてから席に着くシステム。以前は自分も戸惑ったが、家族とかで店に入ってすぐに全員が何を食べるか決めるのって難しいと思うんだけれどな。この日の会計は若い女性が担当。決め打ちで来ていたので「うなぎ丼・並」と「こいさしみ」と告げ勘定を済ませる。「席はどちらで?」と訊かれたが、どこが空いているかは見えないし、そもそも店内のレイアウトも覚えていない。適当に「あっちで」と答え、札を貰って奥の座敷に進んだ。庭の見える卓が空いていたので腰を下ろす。すぐにおばちゃんがお茶を運んで来てくれた。

さほど待つことなく「こいさしみ」が運ばれる。こちら創業時は渡船場に店があって、時間制約のある客に素早く料理を提供していたのだそうだ。なるほど。鯉の刺身は濃い酢味噌でいただく。もちろん味噌は赤味噌。あしらいは大根のつまとパセリ。独特のコリッとした食感で旨い。でもやっぱりこれは酒のつまみだろうナ。車なので我慢だ。すぐに「うなぎ丼」も届いた。べったら漬け付き。上にのったうなぎは3切れだが、飯碗とかではなくちゃんと丼に盛られていてご飯の量は普通。たれはやや多めにかかっている。身はふっくらと焼けていて香ばしく、旨い。たれはたまり醤油由来の濃く甘い味がよく馴染んでいる。これでこの値付けなら充分だ。平らげて表に行くと、次から次へと入ってくる客で勘定場が渋滞していた。次は是非冬の時期に鴨の料理を頂きたいナ。(勘定は¥1,900程)

以前の記事はこちら

 

川魚料理 魚勝

岐阜県羽島市桑原町八神5234

 

( 羽島 はしま 魚勝 うおかつ うなぎ 鰻 ウナギ 鰻丼 うな丼 鯰 ナマズ 鯰丼 老舗 鯉刺身 鯉料理 鮎 鴨 鯉 鱒 )

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藤田屋本店 @岐阜県大垣市

2022年04月14日 | 岐阜県(西濃・老舗)

岐阜県の養老町に酒造が作っているウイスキーがあると知ったのはまだ最近のこと。酒造は「玉泉堂酒造株式会社」(以前に「醴泉」は呑んだことがある)。ウイスキーの名は「ピークウイスキー」。そんなのを知ってしまったらすぐにでも呑みたくなってしまう性分。”本店主義”なので本来なら酒造にて直接買い求めたいが、電話を入れてみても残念ながら日曜休み。そこで近隣の酒屋なら扱っているだろうと調べてみるも、ヒットしたのは数軒のみ。そのうちの1軒、大垣市の「藤田屋本店」へ行ってみた。こちら創業は明治21年(1888)で、最初は豆腐屋だったのだそう。店に入るとちゃんとワインや日本酒用のセラーがあり、最近騒動でちょっと話題になった日本酒の人気銘柄「澤屋まつもと」の特約店になっているようだ。その他にもつまみや煙草も扱っている。もちろん目当ての「ピークウイスキー」(写真下)も置いてあったので買って帰ることに。

 

面白いのがこの「ピークウイスキー」、1升瓶での販売のみ。ウイスキーで1升瓶ってあまり見たことが無い(※別グレードには720mlも有り)。商品の説明によると「昭和50年代から昭和60年頃一世を風靡したグレーン・モルト(スコッチタイプ)の地ウイスキーです。販売当初より現在まで、頑なに製造方法を守り、地ウイスキーファンの為に世に送り続けています。」とのこと。アルコール度数は37度と、一般的なウイスキー(40~43度)からすると少し低め。早速ストレートで呑んでみる。色付きは淡い。口に含むと”地ウイスキー”という言葉から想像していた強いクセは無く、口当たりはまろやか。すっきりとして呑み易い。その分鼻腔に残る香りは少なめだが、普段使いにするには申し分ない。色付きが薄い分、ついグラスに沢山注いでしまいがちだが(笑)、ロックで、ハイボールで、と楽しんだ。こんなのが岐阜県で作られているとは。もう1升瓶が空になってしまったが、すぐに買い足しに行けないのが残念(←後日、岐阜駅に隣接する「アクティブG」の2階にある県産品の店「THE GIFTS SHOP」にあることを知りました)。(勘定は¥2,673)

藤田屋本店

岐阜県大垣市新田町3-8

玉泉洞酒造株式会社

岐阜県養老郡養老町高田800-3

 

( 大垣 おおがき ふじたやほんてん 酒屋 リカーショップ ぎょくせんどうしゅぞう ぎょくせんどう 禮泉 れいせん 美濃菊 PEAK BLENDED WHISKY ウヰスキー )

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山川屋 @岐阜県海津市

2021年06月16日 | 岐阜県(西濃・老舗)

久しぶりに岐阜県海津市の”おちょぼさん”へ。以前は休日ともなるとバスツアーまでやって来て駐車場が満杯になることもあった人気の参道だけれど、コロナ禍と悪天候で歩いている人はまばら。いつも人だかりが凄い人気の串かつ屋の前もガラガラという異常事態だ。近年こんなおちょぼさんを見るのは初めて。何度も足を運んでいる参道だが、恥ずかしながらしっかり「千代保稲荷神社」でお参りをしたのは今回が初めてかも(笑)。参拝後、ブラブラと開いている店を冷やかしながらゆっくりと歩いた。どうせならこの機会にいつも満杯の人気店に入っても良かったのだが、自分が入ってみようと思ったのは”創業大正十年”と看板にあった食堂「山川屋」。中に入ると土間にテーブル席が並んでいる。給仕女性は何人も居るので普段ならごった返すのだろうが、この日はこの店も客はまばら。まだ遅い朝食を摂ってから時間が経っていないので、軽く「串かつ・一皿五本」だけお願いした。ソースとみそがあり、ソースを3本、みそを2本と我儘を聞いてもらう。

店先で揚げた「串かつ」が小皿に盛られて出てきた。2本は最初からみそがかかっており、残り3本は自分で卓上のウスターソースをかけるようだ。ざく切りの生キャベツ付き。揚げ立てだもの不味かろうはずは無い。我慢できなくなって「ノンアルコールビール」を追加。どての鍋からかけたのだろうみそが旨かったので「どて・一皿五本」も追加した。どては手当も良く、ぷるんとした食感で旨い。これで本当のビールをやれたらなァ…。次に来たら”いちおし”とある「中華そば」と「おでん」も食べてみようかな。(勘定は¥1,300程)

 

山川屋

岐阜県海津市平田町三郷2011

 

( 海津 かいづ やまかわや 麺類食堂 大衆食堂 串カツ どて煮 中華そば ラーメン おちょぼ おちょぼ稲荷 おちょぼいなり )

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千歳楼 @岐阜県養老郡養老町

2021年05月30日 | 岐阜県(西濃・老舗)

どこにも出掛けられず燻っている高齢の母を連れだして出掛けたのは岐阜県養老町にある歴史ある宿「千歳楼(せんざいろう)」。以前にも建物を観に出掛けたことはあるが、折角なので泊まってみようと予約を入れた。創業は宝暦年間(1764)。建物は国の登録有形文化財にも指定されている。コロナ禍とはいえ、一応ゴールデンウィークを避けて予定を組み、HPからすんなり予約を取ることが出来た。ただ残念な事に予約を入れた日の天気予報は雨。しかも100%予報という運の悪さ。仕方なく宿でゆっくりすることにして、母には好きな本でも持ち込むよう伝えて車を走らせた。

養老の滝」に寄ったりしてから宿に向かう。ちょうど新緑の時期だったので雨に濡れた緑がとても綺麗。緑の中に佇む宿に到着し、脚の弱くなった母を先に女将に託し、自分は車を駐車場に停めて、傘を差して玄関先へ。正面玄関に掲げられた「千歳楼」の文字は日下部鳴鶴によるもので、玄関を上がった所にある書幅(しょふく)は幕末の剣豪、山岡鉄舟によるもの(「餘象杣」※カッコ内は書かれている文字)だそう。

 

 

今回予約して泊まらせてもらったのは、建物の一番奥にある「袖の間」。部屋の意匠は全て戦前の日本画家「竹内栖鳳(せいほう)」によるものという贅沢な部屋だ。天井が高く(3mあるらしい)、縁側もある素晴らしい造り。欄間から書幅(「翠嵐香」)から襖の扇面の絵から、全て竹内栖鳳によるものらしく、この部屋だけでも文化財級の素晴らしい空間。襖の手掛は笹や鶴の形を象っていたりと細かい部分の意匠も凝っていて、観ているだけで楽しい。ましてや泊まれるなんて。二方向に廻る縁側に立つと目に飛び込んでくる雨に濡れた一面の新緑が眩しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

館内は玄関口からフロントとサロンを過ぎ、長い廊下で各部屋に繋がっている。風呂はクラウドファンディングで新しく造ったというもの(窓枠などは古いものを利用している)。窓を開けると緑が見え、熱めの湯で気持ちがいい。玄関の方にあって部屋から遠いので、母はどう帰ったらよいか分からなくなって宿の方に連れて帰ってもらっていた(笑)。

 

 

夕食は部屋でいただく。先付に始まり、造り(3種)、焼魚(鮎)、飛騨牛、と馳走が続く。豪華な部屋でお大尽になったつもりで脇息にもたれかかりつつ舌鼓を打った。酒は「滝ビール」なる地ビール、瓶ビール(アサヒスーパードライ中瓶)、日本酒(美濃菊)を。廊下が長いのでお運びも大変だろうと、久しぶりにぽち袋で心付けを渡した(←最近そういう作法はとんとご無沙汰)。食事はたけのこご飯と蛤の吸物、デザートと、しっかりいただいて満腹。母もしっかりと食べて呑んで、堪能したようでなにより。少し寝酒をして、雨音を聞きながら床につく。

分かってはいたが、残念ながら翌日も雨。しかもかなりの降りだ。仕方がないので朝食をたっぷりといただき、この機会にと館内を散策したり、部屋で朝風呂にも入って窓の外を眺め、雨音を聞きながらゆっくりと過ごした。

 

 

 

 

 

帰り際には女将に2階の大広間を案内していただいた。2階への階段は昔の建物らしく急勾配(よって母は上がれず)。大広間での酒宴で酔って階段から落ちた人は多いんじゃないかナ(笑)。正面の書幅は有栖川宮熾仁親王によるもの(「千歳楼」)。もうひとつは三条実美によるもの(「千歳楼」)。それにしても、掛かっている書幅が教科書に出てくるような名だたる人物の筆ばかりで凄い。

 

 

建物は以前に立ち寄った時にも女将から説明を受けたことがあるが、傷みのひどい部分が多く、修繕にも莫大な費用がかかるので大変だとのこと(その為に今回の風呂の改修にはクラウドファンディングという策を使ったようだ)。特に台風が来襲するとヒヤヒヤだそう。実際、裏手には崩れていてシートで覆ってある部分もあるし、雨漏りがある箇所や、軋んでいる所、傾いている所があったりと苦労が伺える。

実際に泊まってみても、明治・大正時代の建物とあって決して便利に慣れた現代人にも都合が良い訳ではない。段差はあるし、襖は建て付けが悪くなっていたり、部屋の照明スイッチはなぜか廊下にあったり(笑)、窓の木枠の隙間から虫が入ってきたりもする。それでも建物をなるべく昔のまま維持しようと苦労されているとのこと。かつて様々な文化人が泊まっただろう歴史と風情のある建物を堪能することが出来て、満足して宿を後にした。(勘定は¥40,000程/2人)

 

文化人ゆかりの宿 千歳楼

岐阜県養老郡養老町養老公園1079

 

( 養老 ようろう せんざいろう 旅館 国登録有形文化財 近代建築 ) 

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モンブラン @岐阜県大垣市

2020年08月23日 | 岐阜県(西濃・老舗)

岐阜県大垣市の幹線道路沿いにあるパン屋「モンブラン」へ。創業して70年にもなるのだとか。店に着いてみると何か以前と雰囲気が違って派手になった感じ。前はもっと地味だったが、どうも大きな写真入り看板が追加されたようだ。駐車場に車を停めて中に入ると、広くない店内には結構な客入り。トレイとトングを取って陳列してある様々な種類のパンを見て回る。こちら菓子パンや総菜パンが中心。他にも台の上には袋に入った焼菓子も並んでいる。どれもパッケージのフォントやデザインが何とも懐かしい気分にさせるレトロ感がある。見ている間にも他の客がホイホイとトレイに取っていくので空になったコーナーも多い(→随時追加されるようだ)。慌てて選んだのは「コーヒークリーム」「サンドパン・メロン」「メープルシフォン」「ココナッツマカロン」の4種。レジに持っていくと袋に入れてくれる女性が「サービスのパン、入れておきますねー」とポンポンといくつかのパンをランダムに足している。何とこの日はたまたま店が制定した”パンの日”(2の付く日)だったらしく、サービスで勝手にパンを追加してくれるようなのだ。凄い。

帰って嫁と一緒に包みを開ける。夕飯代わりにして2人してパクパクと食べてしまったので、どれがどれだったかの記憶が心許ないが、どれも昭和の時代のパンを思い出させる仕様で、特に表看板にも載っていた「サンドパン」は中のメロンクリームが鮮やかなパステル・カラーだし、挟んであるパンが給食で出たコッペパンを彷彿とさせる風味があった。最近こういう味のパンを食べていなかったので懐かしい。「メープルシフォン」はふわふわの出来でほのかにメープルシロップが香る。口当たりも最近のもののように肌理が細かい。「ココナッツマカロン」はハードタイプの焼菓子。いつか流行った丸いマカロンではなくザクザクの食感の焼菓子で色も濃い茶色。これはおやつ時間にコーヒーを飲む時に付けてみた。びっくりなのはサービスで貰ったパン。カスタードクリームの入ったパンに麦芽食パン2枚、くるみ食パン2枚とびっくりするような量が入っていた。買った量よりも…(笑)。なるほど人気な訳だ。この食パンは翌朝の朝食で美味しくいただいた。どんなパンか知らないが「ミルティ」というパンが1番人気らしいので次はそれを買ってみよう。(勘定は¥700程)

 

 


 

↓ 池田町にある史跡「市橋港跡」◇。鉄道開通前の貨物輸送の主流だった船は、揖斐川に繋がる杭瀬川を盛んに行き来したようだ。行ってみて驚いたがのどかな田舎の集落の中にあり、とてもここに川港があったとは思えない。灯台は移設されたもののようだ。

 

 


 

モンブラン (大垣モンブラン)

岐阜県大垣市藤江町7-25

 

( 大垣 おおがき パン ベーカリー ケーキ サンドイッチ フルーツサンド 焼菓子 洋菓子 ロールパン メロンロール )

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ふや惣 @岐阜県大垣市

2020年08月11日 | 岐阜県(西濃・老舗)

暑い中、岐阜県大垣市内を自転車で散策。古い建物やなんかを観て廻ったあと、車で帰る前に寄ったのは本町通りにある「ふや惣(麩屋惣)」。創業は明治元年(1868)で、屋号通り「麩」を扱う店。車なら要冷凍の生麩も持ち帰ることが出来るとタイミングを狙っていた。かつては市内に限らず数多くの料亭に卸していたそうだ。現在の店主は4代目だとか。大垣といえば水都と呼ばれるくらい地下水が豊富な土地。麩の製造には綺麗な水は欠かせないからこの地でずっと続いているんだろう。市内には自噴水がいくつもあり、こちらの店もそんな自噴水を利用しているのだそうだ。店のすぐ横には「田中屋せんべい總本家」がある。車を寄せて店内へ。質素な店構えと同様に店内も質素。いくつかの乾物が並んでいる程度。奥から出ていらしたご高齢の女将さんに生麩は何があるか訊くと、横の冷蔵庫を開けていくつか見せてくれた。どれも四角柱でカチンカチンに凍った棒状になっている。最初はいくつか買って帰ろうと思っていたが、あまり沢山を冷凍庫に保存しておけないので「あわ麩」だけにしておいた。特に冷却材とかを入れてくれるわけではなさそうなので、保温バッグに入れてさっさと帰ることにする。

冷凍庫に入れてあった「あわ麩」を取り出す。簡単にビニールで巻いてあるだけの「あわ麩」をまな板にのせ包丁を入れるも全然歯が立たず。カッチカチ。全部食べてしまうには大きいし…。四方から包丁を入れ、叩き、やっと晩酌分の粟麩を切り分けた。これを少し常温に置いておき、もう少し軟らかくなったところで刺身のように切り分けた。口に入れると軟らかくなった「あわ麩」の淡泊な風味のみ。前にも岐阜市の「麩兵」などで購入しているのだが、これが酒に合うんだなァ。この日は醤油と練りわさびだけでいただいたが、塩やポン酢、味噌でもいいし、オリーブオイルやバターで焼くのも旨い。冷凍庫に入れてしまうと取り出すのが億劫になってしまうが、まだまだ楽しめそう。次は他の味や「つしま麩(大徳寺麩)」というのも買ってみよう。(勘定は¥460)

 


 

↓ 廓町にある「キク薬局」(建築詳細不明)。何のことはない建物だが、よく見ると窓や1階ショーケースは木枠だし、窓上を市松に塗っていたりと素敵な商店。

 

↓ 本町2丁目にある「本町橋」(昭和10年頃・1935・建造)を再訪。牛屋川に架けられた橋は、大小の砲弾で型を取った親柱。戦前の世相がそのまま残る。

 

 


 

 

ふや惣 (麩屋惣)

岐阜県大垣市本町2-14

 

( 大垣 おおがき 水都 ふやそう 麩 ふ 粟麩 蓬生麩 角麩 煮物 刺身 焼物 酒肴 近代建築 近代化遺産 )

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萬屋 @岐阜県揖斐郡揖斐川町

2020年04月02日 | 岐阜県(西濃・老舗)

岐阜県の揖斐川町にある谷汲山・華厳寺の参道にある創業萬延元年(1860)という「萬屋(よろずや)」へ。萬延と言われてもピンとこないが、江戸は第14代将軍・徳川家茂の時代…。すごい。これだけ色んな所をウロウロしていて、ここの参道に来るのは多分初めて。特産品なのだろう菊花石を販売する店がいくつも。お参りをした後にいくつかの食事処を物色。まだ桜の開花前ではあったが参道にはちゃんと参拝客が居る。それでもやはり新型コロナウイルスの影響だろうか、沢山とは言えない数。そのためか日曜ではあっても閉めている店も多い。店舗はまだ新しく、大店(おおだな)のこちら、中に入ると沢山のテーブル席が並んでいる。昼時はとうに過ぎた時間とあって客はまばらだったのですぐに案内された。いちおう品書きを眺めるも、店に入る前に表のホワイトボードにあった「花水木膳」という膳に決め打ちしていた(どういう訳だか値引きしてあった)。

しばらくして盆にのった「花水木膳」が到着。豆腐田楽、菜飯、天ぷら、小鉢、吸物、漬物という豪華な品々。さっそく焼き立ての田楽からいただく。最初から山椒粉がかかっている串は3本。濃い甘味噌が焦げて香ばしい。菜飯はちゃんと菜っ葉が刻んであるもの(中には乾燥物を混ぜている店もある)。しっかり青い香りもあって旨い。天ぷらは扇形に広げて揚げたえのき、つくし、まいたけ、さつま芋、かぼちゃの5種。少し衣の油が重めだが充分。つくしの天ぷらって初めてかも。自分でもやってみようかな。小鉢は菜っ葉のお浸し。花麩の浮いた吸物を挟みながら綺麗に平らげた。(勘定は¥1,100→¥800)

 

 


 

↓ 由緒ある「谷汲山・華厳寺」(延暦17年・798・創建)。桜の名所としても有名。

↓ 三重県の桑名駅までを結ぶ養老鉄道の「揖斐駅」(大正8年・1919・建造)。養老鉄道の駅舎はどこも映画のロケが出来そうなくらい風情があって素敵。

 

 


 

萬屋

岐阜県揖斐郡揖斐川町谷汲徳積184-1

 

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自由軒 (2) @岐阜県養老郡養老町

2019年11月04日 | 岐阜県(西濃・老舗)

秋晴れの下、久しぶりに岐阜県養老町方面をドライブ。昼食は洋食屋「自由軒」へ。創業は戦後すぐの昭和23年(1948)。前回訪問時はバイクだったが今回は自動車。表の駐車場はいっぱいだったので、建物裏にある駐車場に車を停める。少し前に改装されたそうで建物も塗り替えられていて、以前あった”寿し”の看板も無くなっていた。中に入ると客席が広くなってちょっと綺麗になっているようだ。厨房側の様子は変わらず。ご高齢の先代夫婦(たぶん)ともう1人、それに現主人と若女将の5人が中に。テーブル席に座って注文を思案。洋食屋なので真っ先にデミグラスソースを使った料理を味わってみるべきかなと思っていたが、表のホワイトボードに書かれていた「サービス定食」に”海老フライ、かにクリームフライ、厚あげねぎバンバン(?)”と書かれていたのを見て、つい「サービス定食を。」と言ってしまった(前回も「サービス定食」だった・笑)。昼時とあって後から何人も客が入ってきたが、店の人との会話から地元の人が多そうだ。

しばらくして「サービス定食」が登場。平皿の上には海老フライ、かにクリームフライ、ウインナー(半分)フライがのっている。正体不明の”厚あげねぎバンバン”は弁当で使うようなホイルに入っている。他には切干し大根の煮物、生野菜のサラダ、パインが2切れ。これにやや多めのご飯と味噌汁の盛り沢山な布陣。”サービス”とあって海老フライやカニコロは小さめ。タルタルソースやウスターソースでいただく。気になっていた”厚あげねぎバンバン”は、厚揚げと刻みネギを一緒に炒めて醤油で味付けしたもの。何で”バンバン”なのかは不明(笑)。何しろ多彩なので食べ飽きない。美味しくいただいてお腹がいっぱいになった。でも次こそはこの入口のトラップに引っ掛からないようにしてデミグラスソースを使った料理を味わってみよう(でもきっとまた…)。(勘定は¥800)

以前の記事はこちら

 

 


 

↓ 店の最寄りの養老鉄道「美濃高田駅」(大正2年・1913・建造)。鉄道には詳しくないが、合併や分離を経て、旧・養老鉄道~揖斐川電気~養老電気鉄道~伊勢電気鉄道~養老電鉄~参宮急行電鉄~関西急行鉄道~近畿日本鉄道~現・養老鉄道という複雑な歴史を辿っているのだとか。養老鉄道の駅舎はどこも味のある建物ばかりで見て回るのも楽しい。

 

 


 

お食事処 自由軒

岐阜県養老郡養老町高田967-1

 

( 養老 ようろう 養老町 美濃高田 みのたかだ 自由軒 じゆうけん 寿しと洋食の自由軒 洋食 食堂 近代建築 ミズノ ミズノテクニクス株式会社 プロ野球選手 )

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