ポール・ウェラー (1月27日 名古屋・ダイヤモンドホール)
新栄のダイヤモンドホールで開催されたポール・ウェラー(Paul Weller)の来日公演に参戦。最初はどうしようか迷った。というのも自分は若かりし頃にパンクにハマってジャム(The Jam)のアルバムやシングル盤は集めたものの、解散後のスタイル・カウンシル(Style Council)、それにソロになってからのポールについては少ししか知らない。しかも現在のポールはジャム時代の、特に初期の曲はほとんど演奏しないというのを知っていたので…。でも、もうそろそろ彼を観られる機会っていうのも少なくなりそうだし…ということでチケットを購入。簡単に入手できたが、公演の直前にはソールド・アウトになったそうだから、早めに手を打っておいて良かった。早速、キャリアを俯瞰したボックス・セットや、ソロになってからのベスト盤2種等を購入して予習しておいた。
小さいハコということもあって満員の会場。ほぼ定刻にメンバーがステージに上がった。ポール・ウェラーのカッコイイこと! 綺麗な銀髪にスリムな体型と、とても65歳とは思えない立ち姿。そしてステージが始まると、その歌の上手さが際立っていた。こんなに上手かったか…。キーを落としたり節を変えたりすることなく伸びのあるヴォーカルを響かせる。ノド鍛えてるなァ。ギターのスティーヴ(Steve Cradock、元Ocean Colour Scene)以外のメンバーは皆若そうだが、バンドとしてのまとまりや、ポールに合わせてのコーラスもバッチリ。今回はダブル・ドラムスという体制だったが、特に最近作「Fat Pop」収録のちょっとサイケデリックな曲も難なく再現してかっこいい。ポールは半分位はアコギやキーボードを演奏し、数曲を除いてハードなギター・パートはスティーヴに任せている。
セット・リストは昨年のライヴ実績から予想していたが、ちょっと変えてきていた。やはりジャムやスタカンの曲は数曲づつのみ、しかもソロ曲も誰もが知る有名曲ばかりでない選曲(故に自分も知らない曲があった)。こんな所にもポールの現役感が滲み出ている。彼のインタビューを読んだことがある人なら知っていると思うが、ポールは昔から頑固で強い信念の元に音楽活動を続けていて、それが観客を喜ばせるだろうことは承知の上で、あまりノスタルジーに浸るようなステージはやらないのだとか。故に元バンド・メイトのブルース・フォクストン(Bruce Foxton)にも「彼のように皆が聴きたい曲ばかり演奏しない。」と辛辣(→ジャムのカヴァー・バンドでツアーをした)。
ネオ・モッズの象徴らしく、黒のフレッド・ペリーに着替えたポールはテンポ良くステージを進めていく。1度引っ込んでもう終わりかと思ったら、もう1度アンコールがあった。最後は代表曲「The Changingman」で締め。いいライヴだった。彼の過去のソロ作品にはあまり興味が無かった自分だが、最新作を含めてちょっとしっかりと聴いてみたくなった。
<Setlist>
Rip the Pages Up
Nova
Cosmic Fringes
My Ever Changing Moods (The Style Council)
A Man of Great Promise (The Style Council)
All the Pictures on the Wall
Stanley Road
Glad Times
Village
Hung Up
Fat Pop
More
Shout to the Top! (The Style Council)
Jumble Queen
Saturns Pattern
Nothing
Above the Clouds
Into Tomorrow
Start! (The Jam)
Peacock Suit
(encore 1)
Old Father Tyme
Headstart for Happiness (The Style Council)
That Pleasure
Broken Stones
Tales From the Riverbank (The Jam)
Wild Wood
(encore 2)
The Changingman