東郷町議会議員 かどはら武志(日本共産党)

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民主主義を守るということ

2009年06月27日 | 東郷町議会

 役場及び議会関係者の間では、私と中川議員が、ずいぶん「議事妨害」をしたことになっているようです。
 総務委員会が「総合計画審議会条例の一部改正」を継続審査することを決めたのに、それに納得しない議員(総務委員の菱川議員)が主導して、結果として継続審査がくつがえされ、採決まで行き、否決となりました。http://blog.goo.ne.jp/kadoharatakesijcptogo/d/20090623

 議案審査において、委員会が継続して審査することについては、「東郷町議会の会議に関する規則」(以下、会議規則)の第73条(閉会中の継続審査)に「委員会は、閉会中もなお審査又は調査を継続する必要があると認めるときは、その理由を付け、議長に申し出なければならない。」と書いてある通りであり、その決定について本会議があれこれ指図すること自体、まったく想定されていません。
 ですから、この議会で、議長が、「総務委員長から継続審査したいという報告がありました。これに異議ございませんか。」と諮ったこと自体、間違った議事運営でした。

(過去の東郷町議会においてはどうだったか? いちばん最近では平成18年第4回定例会の最終日に、「町長の給与の特例に関する条例の制定」が継続審査になっている。この議事録をひろってみると、

◯議長(近藤秀樹君)[ 3頁] 続きまして、日程第2、議案第63号町長の給与の特例に関する条例の制定についてを議題とします。
 議案第63号は、委員長から閉会中も継続して審査したい旨の申し出がありました。
 お諮りします。委員長の申し出のとおり決して御異議ございませんか。
             [「異議なし」と呼ぶ者あり]

 御異議なしと認め、よって、議案第63号は委員長の申し出のとおり閉会中も継続して審査することに決しました。

と、諮っているが、継続審査の決定に横槍が入ること自体が想定されていなかった。)

 いったん本会議で委員会に付託した議題は、会議規則第38条に「委員会に付託した事件は、第75条の規定による報告書の提出をもって議題とする。」とある通り、会議規則第75条(委員会は、事件の審査又は調査を終わったときは、報告書を作り、議長に提出しなければならない。)の規定による報告書が出ない限り、本会議での議題にはできません。

 「事件の審査又は調査を終わった」かというと、継続審査を決め、採決すらしていないので、「総合計画審議会条例の一部改正」の審査は終わっていないことは明白です。

 議長が諮ったこと自体、大問題でしたが、もし異議がなければ、別に問題にはならなかったと思います。しかし、あろうことか、菱川議員は、総務委員会の継続審査を決める採決で多数決で勝てず(この議員は継続審査に反対だった)、委員長の「継続」の決定が気に食わないからといって、議長の「総務委員長からの継続審査の報告に異議がないか」との問いかけに、「異議あり」と発声し、その後、数の力でこれをひっくり返そうとしたのです。(菱川議員の「異議あり」の発声のあと、「賛成」の声が飛び、形の上では動議が成立した。これを受け、議長はただちに動議について採決に入ろうとした)

 動議…議事進行に関する提議

 こうした挙を見過ごすわけに行かないのは言うまでもありませんが、実際に私たち日本共産党が問題にしたのは、継続審査の委員長の申し出を許可するかどうか本会議で諮るという間違った議事運営でした。

---追記---

 もう少し説明します。議長がすべきことは、継続審査の申し出の可否を本会議で諮ることではなく、会議規則第44条第1項「議会は、必要があると認めるときは、委員会に付託した事件の審査又は調査につき期限を付けることができる。」に基づいて、委員会に対し、期限内での審査を求めることでした。(7月15日記)

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 だからこそ、議長が、菱川議員の「異議あり」の動議について採決しようとしたとき、中川議員は、会議規則違反(第38条違反)を指摘し、採決しないよう強く求めた。
 その後、経過の説明を求める議員の発言などがあり、議事が止まりました。私も「間違った採決をすべきでない」という意見を表明するために発言を求めました。しかし指名されず、発言する機会が得られませんでした。
 (このとき中川議員が指摘したのは、会議規則第44条第1項「議会は、必要があると認めるときは、委員会に付託した事件の審査又は調査につき期限を付けることができる。」への違反。期限も付けずに、継続審査をやめろ、とは言えるわけがありません。)

 私たちは、自分たちの思い通りにならないからということで、採決をさせないようがんばったわけではありません。
 会議規則という東郷町議会の会議のルールが無視されたから、これを正そうとしたのです。

 その後、議長が会議規則第44条にもとづき、45分という期限を付けて、総務委員会に議案の審査を求めました。やり直しの委員会で、総務委員長が今度は「審議が尽くされた」と継続審査しないことを決め、その後、委員会と本会議での否決に至りました。

 この過程では、私たちは「議事が正常に戻った」と考え、「否決」という自分たちの意に沿わない結果が出るまで、粛々と進められる議事に従いました。

 話は少し前に戻りますが、菱川議員の動議はどうなったのかというと、採決では賛成多数で可決されました。
 このまま継続審査することがヤメになったら、そうさせないようにがんばるところでした。しかし、即座にそうされずに、会議規則第44条による「期限を付けた審査」をすることになったので、「議事が正常に戻った」と考えました。
 なんだか、後出しジャンケンをされたようで、釈然としないものがありますが、会議規則にのっとりちゃんとした議事になったので、良しとしなければなりません。

 それにしても菱川議員の動議の採決までいろいろありました。
 菱川議員が「継続審査の申し出は本会議で採決するという規定がある」とまで言ったものですから、ふだんおしとやかで不規則発言など考えられないような議員さんまで「どの規則の何条に書いてるの?!」と発言するなど、議場がますます騒然となった中での採決でした。
 私は、何度も発言を求めたのに議長が指名しなかったので、それでもがんばって「議長、議事進行について発言を求めます」と言い続けたら、「不規則発言するな」と言われるし。
 さらに議長は、この議案に対して否定的な見解まで口走るし。
 議案への賛成討論で、本題に入る前に、特定の議員だけに発言を許可し私には許可しないという不公平な議事運営と、議長の意見表明への抗議する意思を表明しておきました。
 本当に大変でした。

 民主主義は多数決だ、と言う人が多い。確かにそうでしょう。私たちが「良い案だ」と思っていても、それに賛成する人が多数にならなければ否決されます。

 それはそれで仕方ない面があります。しかし、可決されるか否決されるかの結果が出るまでの審議の過程で、会議のルールが破られるようなことがあったらどうなるでしょう。少数派の意見は議題にしない、と多数決で決める、ということすら可能になってしまいます。

 私たちがルールにこだわるのは、自分たちの意見を通すための手段として最大限活用するという意図があるのはもちろんですが、ルールを守ってこそ民主的な話し合いが可能だろ、という意図もあるのです。

おまけ

議長が本会議で「先ほど、声を荒げたことを陳謝します」と述べたのは、潔かった。

 それにしても菱川議員の動議に賛成した議員諸君、委員長報告もないし、菱川議員すら理由を述べてなかったのに、どういう見識で賛成したのでしょうか。

 継続して話し合うだけの自信と論拠がないということですね。

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