東郷町議会議員 かどはら武志(日本共産党)

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学校図書館に専任の司書を!(12月議会の一般質問で学校図書館の充実を求めました)

2013年12月29日 | 東郷町議会

 質問の冒頭で、東郷町内の全小中学校(9校)の図書館を訪れ、担当の教員などから説明を受けたことを振り返り、感謝の意を表明しました。

問(かどはら) 東郷町では専任の司書教諭は配置されておらず、司書教諭の資格を持った先生が授業や生活指導、部活の指導のかたわら、その専門知識を生かし、学校図書館の図書の選定、整理、そして廃棄に取り組んでいます。
 昨年度の資料では、小学校の蔵書の(基準冊数に対する)充足率は、開校7年目の兵庫小学校が約70%であるのを除き、他の5校では90%以上の高水準であり、春木台、音貝、高嶺の3校は100%を超えています。一見、図書が充実しているように見えますが、諸輪、高嶺、兵庫の3校は図書の廃棄が0です。諸輪小学校と兵庫小学校は一昨年度も廃棄が0です。これは、新しい兵庫小学校は別として、蔵書の新陳代謝が進んでいないことの現れです。
 実際、各校の図書館を見せていただくと、30年前の蔵書が残されているという状況が見受けられます。説明してくださった先生方も、古くて破損が激しい本は子どもたちに見てもらえないとか、古すぎて社会科の資料として使えない本があるなど、困っている状況を訴えておられました。
 また、図書館の開館時間も午前の放課と昼放課だけの場合が多いようです。中学校の場合は放課後にも開館していれば、部活がない生徒が利用できると思いますが、図書館の担当の先生が部活の指導などに当たっているため、開館できないようです。
 学校図書館を担当する先生が、授業や子どもの指導などの本来業務の合間に図書館の仕事をするのは、限界があることは明らかです。専任の司書教諭を配置すべきではないでしょうか。

答弁(教育部長) ご指摘の通りと思かと思います。愛知県からは専任の司書教諭の配置がないので、するとしたら全部町費になるので難しい。

問(かどはら) 愛知県にその気がなくても、町独自で配置することもできるのではないでしょうか。

答弁(教育部長) 司書教諭だと非常に高額になるから配置したくてもなかなかできていません。

問(かどはら) では教員免許がなくても、司書の資格を持った人を配置する考えはどうでしょうか。近隣では、司書の資格を持っている人とそうでない場合がありますが、図書館を担当する臨時職員が配置されていると聞いております。

答弁(教育部長) 臨時職員でお願いする案件で、必要だと思うができていません。

問(かどはら) 学校図書館の職員を配置するメリットについて教育委員会の見解は。

答弁(教育部長) 学校図書館の管理をしている司書教諭は全て担任を持っています。その合間にしているので仮に町が臨時職員を配置できれば、負担軽減でき、学校運営にゆとりができ、より子どもに関われるというメリットがあります。

問(かどはら) 配置した場合の試算は。

答弁(教育部長) 勤務形態にもよりますが、司書資格を持っている人で1人当たり44万円から110万円かかり、全部で400万円かかります。無資格の人で実施計画(※)で要望していますが、380万円かかります。司書教諭だと100万円から200万円かかり、最低でも1000万円かかります。

※実施計画 町の施策を3ヵ年単位で示した計画

コンピューター管理の導入は

問(かどはら) 春木中学では、長久手市の学校で不要になった図書管理のシステムを先生のつながりで譲り受け、蔵書にバーコードを張り、パソコンに情報を入力するなど、コンピューター管理を始めています。伺ったところ、買えば40万円ほどのシステムだそうです。担当の先生は、蔵書管理の能率が格段に上がるだろうとの意見を述べてくださいました。
 そうなれば、古い本はどれだけあるのか、どの分野の本が不足しているのか、など蔵書管理の適正化に役立ち、さらに、図書の紛失も早く発見できます。
 ところで、図書館を担当しておられる先生たちは、コンピューター管理の導入を切望されていますが、さらに、町立図書館と同一のシステムが全校に導入されれば、町立図書館だけでなく、学校間の資料の共有化もできるとの意見を出してくれました。私も同感です。
 コンピューター管理についての見解を伺います。

答弁(教育部長) 図書館管理のシステムについては私も同様の認識です。実施計画で要望していますが、導入してもそれを扱う人も配置されていない状況なので、まずは図書館を担当する臨時職員を配置してからでないと、だれが扱うのかという問題になるので、まず人を配置したい。

問(かどはら)
いろいろなやり方があります。長久手市では中央図書館の司書に巡回して来てもらっています。学校図書館と町立図書館との連携も図書のやり取りでスムーズにやっているようです。そうした面で町立図書館に協力を求めるればどうか。大変なのは最初に本にバーコードを貼ってデータをコンピューターに入力することだと思います。それができれば図書館に専念できない司書教諭でも負担が軽減されるのではないでしょうか。
 近隣市町で学校図書館にコンピューター管理を導入していないのは東郷町だけです。管理の効率化、先生の負担軽減の観点から進めてほしいが。

答弁(教育部長) 図書館のシステムと臨時職員の配置は必要だと思います。近隣市町の臨時職員の配置は、日進市は臨時職員が各校1人、みよし市は1人が3校持ち回っている。長久手市では図書館司書が派遣されているが1人が3校回っている。常勤でない配置もあります。図書ボランティアも入って各学校で図書を整理しているが、教育委員会事務局としても、各校に1人ではなくて、1人が3校受け持てば3人ででき、安く効率的に配置できると思うので、研究したい。

問(かどはら) 人員配置は一気にはいかないだろうが、システムは一気にしないと意味がありません。どっちが先、ということでなく部長が言ったように工夫をお願いしたいと思います。

学校図書館の書棚の転倒対策について

問(かどはら) 兵庫小学校では、2年ほど前に全ての書棚がしっかり固定されたようで、校長先生も安心したと話しておられました。しかし全ての学校で、書棚がしっかり固定されているようではないようです。私は9月議会では、学校も含め、公共施設の非構造部材(吊り天井、窓ガラスなど)の安全性について取り上げましたが、図書館の書棚は盲点でした。
 ある学校の図書館では、大人の背丈も超えるような書棚があり、また、ある学校では壁際の書棚に天井までギッシリ図書が収められていました。別の学校では、最初から固定せず、図書館での授業のために、書棚が動かせるようにしているとの説明でした。
地震が来て、書棚が転倒したり、書棚から本が飛び出したりしないようにする対策が必要ではないでしょうか。

答弁(教育部長) その件については、学校の図書館は災害時に備えて固定されていると理解していたので、さっそく全ての小中学校で状況を調べて、地震が来た時に学校図書館で事故があってはならないので、対策は早急にしたいと思います。

問(かどはら) 各学校の予算の中で苦労しながら工夫されているが、教委事務局の責任でやってほしい。いつごろまでにやってくれますか。

答弁(教育部長) 現場ではいろんな固定方法があると思う。それなりのお金がかかると思う。本格的な器具を使わなければならないケースもあると思うので、まずは現状を把握して早急に何等かの対応を考えたいと思います。

一般質問を終えて
 教育委員会事務局と問題意識を共有できていることが確認できました。教育内容の充実のために、財政当局には一層の努力を求めたいと思います。

コメント
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