著者のキーワードは、“総体論的反伝統主義”もしくは“伝統破壊主義的総体論”。
これは、中国の欠点(と見なされるもの)を、中国がこれまでに置かれてきた歴史的・環境的な文脈から分析・理解することなく、その時点における価値基準から、文化的な欠陥としてとらえ、すべて否定・破壊しようとする立場と、要約できるであろう。著者は、五四運動をはじめ、そのあとの文化大革命も、天安門事件にいたる学生・知識人運動(たとえば『河觴』)も、すべてそうであるというのだが(そして五四運動を担った陳独秀も、胡適も、魯迅も、みなそうだと)、どうかねえ。
(研文出版 1989年11月)
これは、中国の欠点(と見なされるもの)を、中国がこれまでに置かれてきた歴史的・環境的な文脈から分析・理解することなく、その時点における価値基準から、文化的な欠陥としてとらえ、すべて否定・破壊しようとする立場と、要約できるであろう。著者は、五四運動をはじめ、そのあとの文化大革命も、天安門事件にいたる学生・知識人運動(たとえば『河觴』)も、すべてそうであるというのだが(そして五四運動を担った陳独秀も、胡適も、魯迅も、みなそうだと)、どうかねえ。
(研文出版 1989年11月)