書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

荒木見悟 「一 気学解釈への疑問 王廷相を中心として」

2014年07月26日 | 東洋史
 同氏著『中国心学の鼓動と仏教』(中国書店 1995年9月)、同書3-49頁。

 気学とは、「宋代の張横渠〔載〕に始まり、明代における王廷相以下を通過し、清代の王船山〔夫之〕・戴東原〔震〕に至る、気尊重論者の思想」として、「従来の『理学』『心学』に対する独自の哲学として認識すべき」(3頁)と張岱年によって提唱されて以後、「中国においてはこれに同調する学者が多く、しかも気学者は唯物論の先駆をなすものとして、理学者・心学者よりも優位に立つものとして顕彰されつつあるようである」(同)ものである。