尖閣諸島について、「なぜ領土紛争がいま燃え上がったのか」(「第四章 尖閣の焦点」132頁)と言われても、形式論理に則った思惟の徒――例えば私のような――から見れば、「(彼らは)頭が悪いから」としか言いようがない。だから「『声は大きい』が説得力は弱」い(同)反論しかできないのである。”中国特色の~~”とか"中華六千年の歴史と伝統”とか言って国民の論理的訓練を軽視しているからこういうことになる。国民国家も科学もなにもかも、"近代”の根底にあるのは西洋の思考様式(形式論理・推論方法)だというのに。
(筑摩書房 2013年6月)
(筑摩書房 2013年6月)