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書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

仁井田陞 『中国法制史』

2011年04月18日 | 東洋史
 この本の処々合わせて4分の1ほどを占める、著者の声高な政治的ジェスチュアは、学問的もしくは政治的信念のあってのことではなく、歴史学界ならぬ歴史業界における世俗的欲望、つまり“出世”のためではなかったかというのが、著者の長年の同学にして知人であった宮崎市定御大が『自跋集 東洋史学七十年』(岩波書店 1996年5月)で披瀝する見方である。かりにそうだったものと思いなして、20年以上かかって、やっと最初から最後までいちどきに読み通すことができた。
 
(岩波書店 1952年6月)