書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

「米兵無罪の『誤審』を隠ぺい 主婦れき殺事件」 を読んで

2012年01月05日 | 現代史
▲「沖縄タイムス」2012年1月5日 09時45分。(部分)
 〈http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-01-05_28135/

 犠牲者は道路を渡ろうとしておらず、歩道として確保されている場所にいたことを確認。MP(憲兵)の調書は大きな誤りを含んでいるとし「重過失致死罪を認めるのも十分で、過失致死なら確実に有罪の正当性がある」とした。「法廷は理由は分からないが、無罪を言い渡した。その意味では裁判は誤審だったのではないか」と指摘している。
 その上で「事実を公開するのは生産的でなく、ほぼ確実に判決への批判を高める」として「代わりに琉球人社会に軍法会議と米国の陪審員制度の機能をよく理解してもらう方が有益で、無罪判決もあることが受け入れられるだろう」と司法の公正さより、支配者の体面を保つことに腐心する権力者の姿が浮かび上がる。


 陪審員制度のもとで無罪判決がありえるのはそのとおりだろう。しかし再検証の結果報告を公表せず、隠蔽したのは明らかな誤りである。誤審と断定したか「ではないか」と疑問を提起しただけかに関わらず。