論旨がくねくね進むのでわかりにくいが、結局のところ李進熙説は間違いで酒匂拓本は改竄されていないという結論である。この結論は本の中途で提出されているので、余計わかりづらい。
思うに、著者は中国人でかつ社会科学院研究員である立場上、日本帝国主義や帝国陸軍に関わる人と物は褒めるわけにはいかなかったのであろう。だから、その日本帝国主義の批判者である李をまず持ち上げなければならず、しかる後に学者として前者のほうが正しく後者は間違いと言わねばならない結果、行文が晦渋になったのではないかと、勝手ながら推測。
(東京堂出版 2006年2月)
思うに、著者は中国人でかつ社会科学院研究員である立場上、日本帝国主義や帝国陸軍に関わる人と物は褒めるわけにはいかなかったのであろう。だから、その日本帝国主義の批判者である李をまず持ち上げなければならず、しかる後に学者として前者のほうが正しく後者は間違いと言わねばならない結果、行文が晦渋になったのではないかと、勝手ながら推測。
(東京堂出版 2006年2月)