東畑精一/藪内清日本語版監訳、吉川忠夫/吉田忠/高橋壮/寺地進訳。
王充については、彼の処々の発言をそれぞれ一貫した体系の一部のように取り出して、褒めすぎのような気がする。私は、『論衡』で示されるあの人の思考は晦渋で、あまり整理されておらず、部分部分では矛盾してさえいると思うのだが。
だが“実験哲学者”黄履荘(1656-?)の存在の指摘はおもしろい(「第17章 宋・明の観念論者と中国固有の自然主義に属する最後の巨人たち」本書568-569頁)。ただその出典が『虞初新志』というのはちょっと。小説集ではないか。どこまで本当のことやら。
(思索社 1975年7月第1刷 1983年5月第5刷)
王充については、彼の処々の発言をそれぞれ一貫した体系の一部のように取り出して、褒めすぎのような気がする。私は、『論衡』で示されるあの人の思考は晦渋で、あまり整理されておらず、部分部分では矛盾してさえいると思うのだが。
だが“実験哲学者”黄履荘(1656-?)の存在の指摘はおもしろい(「第17章 宋・明の観念論者と中国固有の自然主義に属する最後の巨人たち」本書568-569頁)。ただその出典が『虞初新志』というのはちょっと。小説集ではないか。どこまで本当のことやら。
(思索社 1975年7月第1刷 1983年5月第5刷)